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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2022年10月28日号) *またも腰砕け!米核戦略

2022-10-28 15:50:02 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2022年10月28日号)
*またも腰砕け!米核戦略
 バイデン政権は、核戦略、国防戦略、ミサイル防衛戦略の3戦略を公表した。だが、中国、ロシア、北朝鮮が核戦力を増強している状況に対して、腰砕けとしか言いようがない脆弱な3戦略である。

 1970年代後半、ロシア(旧ソ連)が東欧に中距離核ミサイルを配備したが、対する米国は、同様の中距離核ミサイルを西欧に配備して、核戦争も辞さずとの姿勢を鮮明にした。震え上がったロシア(旧ソ連)は、中距離核ミサイルの東欧から撤去に合意して、中距離核戦力全廃条約(INF)が締結された。
 ところがロシアは東欧から中距離核ミサイルを撤去しただけで、全廃していない。一方米国は条約を忠実に守り、中距離核ミサイルを全廃してしまった。これは不公平だと怒ったのがトランプ大統領で、INFを破棄し中距離核ミサイルの復活を宣言したのである。

 だがバイデン政権は方針を転換、INFの再締結をロシアに提案し、従って中距離核ミサイルの復活は廃案となった。ちなみに復活される筈であった中距離核ミサイルの予定配備先は日本であった。なぜなら中国の中距離核ミサイルは日本に標準を定めているからである。
 もし中国が台湾に侵攻した場合、米軍は日本から出撃し、自衛隊は米軍を支援する。それを阻止するために中国は日本を核攻撃するわけである。これを抑止するために米国は中距離核ミサイルを日本に配備する計画であった。

 今般、公表された米戦略には、この計画は盛り込まれていない。つまり、トランプ政権時の計画は廃案となったのだ。従って米国は、中国の日本核攻撃を抑止できないから、中国が台湾に侵攻しても日本から出撃出来ない。
 バイデン大統領は、米国は台湾を防衛すると何度も明言したが、公表された米戦略は、それが単なるリップサービスであることを示しているのである。


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