沖縄・台湾友の会

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親中派かと思いきや、親インド派のモルディブ政権。また親中派に   首都マレ市長選はアンチ・チャイナ派が大勝

2024-01-16 18:05:07 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)1月16日(火曜日)
        通巻第8092号  <前日発行>
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 親中派かと思いきや、親インド派のモルディブ政権。また親中派に
  首都マレ市長選はアンチ・チャイナ派が大勝
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モルディブ空港へ降りたって、税関で持ち込もうとした焼酎のボトルを没収された。厳格なイスラムの規定で禁酒の国、お酒が飲めるのはリゾートホテルだけ。仕方なく、ノンアルコールビールで誤魔化した。
その頃、コロナ禍前だが、或る月刊誌の特集で毎月のように海外取材にでていた。ガイドブックは機中か、着いてからホテルで開いた。

1192の珊瑚礁を主体の島嶼国家は、有人の島が200ほど、これが海抜平均が2メートルのモルディブである。
人々は首都マレに密集しており、16平方キロに14万(全体の人口推定は52万人このうち13万余が外国人)。近世の大航海時代にポルトガルがやってきて、次にオランダ、そして英国の保護領となった。いまの大英連邦の一員だが、モルディブ援助はインドより日本がトップ。

海洋地政学の要衝に位置するため、インドは国家安全保障上、スリランカとともにモルディブを保護国のように重視する。
隙を衝いて大々的に進出したのが、例によって、かの「独裁者の国」だった。国際空港の改修と首都マレへ海上大橋をかけて差し上げましょうと、ヤミーン政権(2012~18)にちかづいた。
汚職体質のヤミーン大統領は親中路線を選択した。金が動いた。2018年に野党のソーリフ(ソリとも言う)が政権を奪回し、ふたたびインドとの親密路線に戻したが、2023年にまたまた親中派のムイズが大統領に当選し、インドの外交努力は水泡に期した。ムイズはマレ市長から大統領へ出馬し、決選投票でソーリフを僅差で破った。ムイズは「ヤミーンの代理人」といわれる。
ヤミーン政権時代にモルディブは中国から借金を重ねた。GDPが39億ドルしかない国が15億ドルも中国に債務を負った。マレはビルラッシュ。タワマンはインドか中国資本である。
いたる所にモスク、早朝の街路はモスクへ向かう人々でごった返す。債務返済が無理となって、みかねたインドが15億ドルの信用供与を申し出た。マレが建てすぎたビルの重みで海に沈むかのようにモルディブは中国の借金の罠に落ちた。

ムイズ新大統領は、恩義を忘れてインドを蹴飛ばし、北京を公式訪問し、借金のリスケを認めた貰った上、インドに対しては駐留インド軍を3月15日までに撤兵せよと要求した。
さんざん面倒を見てきた飼い犬に手を噛まれた思いのインドは頭に血が上るほど激怒した。

モディ政権はインド人のモルディブ観光を制限し、航空券の予約を停止した。モルディブへのインド人観光客は年間25万。ついでロシアから。日本人観光客はコロナ禍前は5万人弱、昨年はおよそ5000人ほど。

1月13日、首都マレで市長選挙。反ムイズ、反中国、親インド路線のアダム・アジムが大勝した。(ボクシングチャンピオンのアジム兄弟は同名異人)右顧左眄、路線の変更再変更再々変更を繰り返すモルディブ、これからどこへ向かうか?


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