「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)2月11日(土曜日。建国記念の日)弐
通巻第7632号
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「ヘリコプター・植田」って誰?
甦るフィッシャー、フリードマン、そしてベン・バーナンキ
**************************************
植田和男という名前は筆者にとって「過去の人」だった。
1980年代のレーガン保守革命のときにシカゴ学派総帥格のミルトン・フリードマンという巨大な存在があった(フリードマン自身は152セントの小男だったが)。
植田はMIT(マサチューセッツ工科大学)で博士号。「留学帰りの論客」として脚光をあび、盛んに日本経済新聞の経済教室コラムなどで健筆を振るった。
日本の経済学はアメリカを見ていた。
いまもわが国の経済政策はつねにアメリカを基軸に廻っており、東京の株式市場はウォール街の反射鏡だ。
マサチューセッツ工科大学ではスタンレー・フィッシャーが教鞭を執っていた。
その教え子たちにはベン・バーナンキ(FRB議長、22年度ノーベル賞)、ローレンス・サマーズ(財務長官、ハーバード大学長)、ポール・クルーグマン(ノーベル経済学賞)、そして植田和男がいた。
注目しておきたいことがもう一つある。フィッシャー、バーナンキ、フリードマン、サマーズ、クルーグマンらはユダヤ人である。
次期日銀総裁に突如、「ヘリコプター・ベン」の同級生が過去から甦った。
日銀総裁人事の報道はアメリカでもかなり大きく報じられ、円相場が円高にぶれる一幕もあった。植田は「バランス重視」の慎重派と言われるが、はじめてのガクシャ総裁であり、「象牙の塔」に籠もっての机上の空論が実際の金融政策に役立つか、市場はべつの反応で答えるか?
植田は「日銀の政策は適切。金融緩和の継続が必要」とした。
日銀の異次元緩和政策は十年つづき、マイナス金利と大量の国債購入を2本の柱としてきた。しかしデフレによる日本経済の停滞を招いた。金融緩和を手仕まうという難題が目の前にある。
令和五年(2023)2月11日(土曜日。建国記念の日)弐
通巻第7632号
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「ヘリコプター・植田」って誰?
甦るフィッシャー、フリードマン、そしてベン・バーナンキ
**************************************
植田和男という名前は筆者にとって「過去の人」だった。
1980年代のレーガン保守革命のときにシカゴ学派総帥格のミルトン・フリードマンという巨大な存在があった(フリードマン自身は152セントの小男だったが)。
植田はMIT(マサチューセッツ工科大学)で博士号。「留学帰りの論客」として脚光をあび、盛んに日本経済新聞の経済教室コラムなどで健筆を振るった。
日本の経済学はアメリカを見ていた。
いまもわが国の経済政策はつねにアメリカを基軸に廻っており、東京の株式市場はウォール街の反射鏡だ。
マサチューセッツ工科大学ではスタンレー・フィッシャーが教鞭を執っていた。
その教え子たちにはベン・バーナンキ(FRB議長、22年度ノーベル賞)、ローレンス・サマーズ(財務長官、ハーバード大学長)、ポール・クルーグマン(ノーベル経済学賞)、そして植田和男がいた。
注目しておきたいことがもう一つある。フィッシャー、バーナンキ、フリードマン、サマーズ、クルーグマンらはユダヤ人である。
次期日銀総裁に突如、「ヘリコプター・ベン」の同級生が過去から甦った。
日銀総裁人事の報道はアメリカでもかなり大きく報じられ、円相場が円高にぶれる一幕もあった。植田は「バランス重視」の慎重派と言われるが、はじめてのガクシャ総裁であり、「象牙の塔」に籠もっての机上の空論が実際の金融政策に役立つか、市場はべつの反応で答えるか?
植田は「日銀の政策は適切。金融緩和の継続が必要」とした。
日銀の異次元緩和政策は十年つづき、マイナス金利と大量の国債購入を2本の柱としてきた。しかしデフレによる日本経済の停滞を招いた。金融緩和を手仕まうという難題が目の前にある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます