izumishのBody & Soul

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念願だったヤン・リーピンの「覇王別妃」!ぶっ飛び!大感激!

2019-02-27 14:27:54 | アート・文化

前々から一度は観たいと思っていたヤン・リーピン演出の舞台「覇王別妃」!

”息をのむほど美しい、紅の戦慄"(フィナンシャルタイムズ紙)、”かつて、これほどまでに美しい舞台を観たことがあっただろうか”(ザ・ガーディアン紙)等々、世界各国で絶賛された舞台である。

 

舞台の片隅では切り絵師が、白い紙に埋もれるように一心に鋏で文字や絵を切っている。

"静"という文字が切り出されてそれが舞台の始まりだ。進行に従って京劇のような(狂言回しみたいな?)口上は両サイドのモニターに日本語が表示され、その都度、”将”などといった言葉が切り出される。

ステージの上から下からは無数に垂れ下がって揺れる無数の鋏が寒々しい光を放ちながら揺れる。幾重もの鋏の波の中で、琵琶と箏の演奏者による「十面埋伏(じゅうめんまいふく)」の情感溢れる調べが、これから始まる「覇王別妃」の美しくも切ない物語世界へと誘う。

 

項羽、劉邦、韓信、虞美人、それに兵士や民衆といったダンサー達の研ぎ澄まされた動きと想像を超えた躍動感・スピード感と、動きを計算した衣装の研ぎ澄まされたような美しさは本当に芸術的!

アクロバティックでスタイリッシュな動きは中国の伝統舞踊や武術がミックスされ昇華されたもので、観ていると「あ、これは長拳だ!」とか「これは太極拳のあの動きに似ている!」等々、ミョーなところで親近感を覚える(レベルが違いすぎてもちろん到底比べものになりません。失礼しました!です)。

男性ダンサーがソロを見せた後で、そのまま虞美人になっていく場面や、終盤、虞美人と項羽の別れのシーンでの別れがたい心を象徴するかのような紅のリボンで結ばれるシーンは胸が震えるほど官能的。

最後は、舞台全体が洪水のような赤赤赤で埋め尽くされて。。。。素晴らしい舞台に興奮!感動!

 

ヤン・リーピンは、「・・・・虞美人役を男性ダンサーにしたのは、京劇の要素を取り入れたほか、陰から光(陽)を模索していく様を、両性具有を通じて表現したかったからです。
波乱に満ちた中国史の大河、想像を絶するハサミの闇、心を揺さぶる生死を超えた愛、残酷な美を象徴するクライマックスの赤い羽毛─ この舞台では、何かがあなたを待っています。日常から遠く離れて、ぜひ足を踏み入れてください。」というメッセージを寄せているが、まさに、美しさと残酷と、偉大な表現力に心が揺さぶられる舞台でありました。

  

 

 


 



 

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