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四国88ヶ所 自転車遍路の旅⑱

2006-07-30 11:23:20 | 遍路
   四国88ヶ所自転車遍路の旅、8-4 通算で18回目です。   


  本日も、真夏の太陽で猛烈に暑い。壇ノ浦に注ぎ込む川沿いをしばらく歩き、やがて橋を渡り対岸に出る。壇ノ浦から離れ洲崎寺を過ぎ、石材店や石の加工場が両側に続く町中のバスのとおる道を山手のほうに五剣山を目指して歩いて行くと、やがて大きな鳥居があり、その右手には八栗寺まで登るケーブルカーの駅がある。あまりの暑さと、かなり足が痛くなってきたのと、時間の短縮ということで、ちょっと「カンニング」で十時十五分発のケーブルカーに乗ることとした。
  十時三十分ちょっと後ろめたい気はするが、「難なく」第八十五番札所「八栗寺(やぐりじ)」に到着。 八栗寺は、急峻な岩壁によって突き上げられた五つの峰、五剣山を後に従えた荘厳な雰囲気のする寺である。境内は結構参拝の人が多くにぎやかである。境内のベンチには若い男性の歩き遍路が二人で談笑している。

   「夕べは丸亀の友人に花火大会に連れて行ってもらった」

  などといっている。二人とも結構マイペースで歩き遍路をしているようだ。この時期は暑さが厳しく、歩き遍路は年配の方はほとんど見かけず、夏休みを利用した学生や、若い人が多い。 八栗寺でお参りのあと記念撮影。十一時に八十六番札所へ向けて出発。
  遍路道は、ケーブルの終点を過ぎて、裏参道を下っていく。裏参道といってもアスファルトの車道で、車での参拝はこの道を辿ってくるようだ。裏参道はかなり急坂で、二十%の表示が出ている個所がそこここにある。二十%というと、千メートルの距離で二百メートルの高度差があるということで、これが五百メートルも続くと自動車でも結構厳しい。
  私は、足のまめに気を遣いながら、少しきつめの登山靴で歩いていた。八栗寺から三十分ほど歩いて下っていると、突然右足の小指が「ムニュッ」という感じで、「空踏み」したような感じになった。小指のまめが表皮ではなく、かなり深いところにできていたのだが、そこから爪ごとめくれてしまったようだ。
 
  私
  「アチャー、足の小指の爪が剥れたみたい。」
 “つれあい”
  「だから、アスファルトの上でなく端っこの土の上を歩いたら、と言ったでしょう。それに登山靴でアスファルトやコンクリートの上を歩くのは駄目よ。一体どうするの。」
  私
  「こんなことになるとは思わなかった。前回も登山靴で横峰寺も登ったし、雲辺寺も自転車を押して登ったのにな。まあ、何とかごまかしごまかし歩くしかないね。」

  えらく情けないことになってしまった。それ以降は文字通り「ごまかしつつ」歩かざるをえなくなってしまった。 それにしても、裏参道からは牟礼の町が一望で、爪がめくれたことを忘れると、結構景色を楽しめる。
 正午前になり、本日も夏の太陽が照り付け、「ジリジリ」と音さえ聞こえてきそうな暑さである。遍路道は裏参道からだんだんと牟礼町の旧市街地に入っていき、海が近くなってくる。しばらく行くと、遍路道は国道十一号線に合流する。国道十一号線の手前に琴電が走っており、その信号のすぐ横が琴電「しおや」駅がある。

  私
  「『しど』まで三駅だから、琴電に乗っていこう」
 “つれあい”
 「電車に乗ったら、平賀源内の旧邸の前を通らないんじゃないの。」
  私
  「それでも琴電に乗って行こう。十七時までに第八十七番札所へ着かなあかんし、明日足が持つかどうか分からんし、暑いし…。」
 “つれあい”
  「そんなんでどうするの。」

 なんとも、日和見で情けないことであるが、このころ足は「激痛」になってきている。とにかく当面はどんな手段を使っても前へ行かねばならない。ということで、琴電に乗車。 「しど」は終点の駅である。自分の足の小指に少しでも体重がかかると、足が思いきり踏まれているような「痛さ」であり、その「痛さ」をごまかしごまかし歩いていると「歩きのリズム」ができてくる。それまでに四~五分はかかる。
 志度駅からやっとの思いで改札を出て、志度の町並みに足を踏み入れた。駅から左へ進み、一つ目の交差点が志度街道であり、古い町並みが続いている。志度寺へは右のほうへ行き、左のほうへ戻ると平賀源内の旧邸だが、戻る気力も余り湧いて来ず、右へと道をとり、志度寺へと向かった。
 駅から約十分、立派な五重塔をもつ第八十六番札所「志度寺(しどじ)」に十三時に到着。 志度寺は町中の寺で、境内には木が多い。五重塔があったり、回廊の跡のような構造物があり、きっと昔は立派な寺であったのだろう。しかし、とにかく暑い。木陰で休んでいても、汗が出てくる。少し境内を回り、納経帳に記帳を頂き、十三時二十分に出発。十分ほど歩くと、交通量の多い国道十一号線に出る。国道をわたると、ちょっと綺麗な讃岐うどんのセルフサービスの店があり、飛び込む。昨日もそうだが、香川県はさすが本場で「讃岐うどん」の店がたくさんある。私と”つれあい”は「ざるうどん」を賞味し、身体をたっぷり冷やし、十四時ちょうどにいよいよ八十七番札所長尾寺を目指して出発した。      
                                             
                                             (続く)

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