いせ九条の会

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6カ国協議に米中朝が再開合意/山崎孝

2006-11-01 | ご投稿
【6カ国協議:米中朝が再開合意 北朝鮮は無条件で復帰】毎日新聞電子版10月31日速報

【北京・西岡省二】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の米中朝3カ国の首席代表は31日、北京の釣魚台迎賓館で非公式協議を開き、3カ国は「都合がいい近い時期」に6カ国協議を再開することで合意した。同協議は北朝鮮が米国の金融制裁に反発して昨年11月以来、休会しており、北朝鮮の初の核実験後、初めての開催になる。北朝鮮は非公式協議で「6カ国復帰」に条件をつけず、米側も再開協議で金融制裁について「作業部会をつくる用意がある」と表明した。6カ国協議再開によって北朝鮮の再核実験は遠のいたと言える。ただ、6カ国協議再開後も金融制裁問題など米朝の対立で交渉は難航することが必至だ。

中国外務省や、31日夜、北京の米国大使館で記者会見した米首席代表、ヒル国務次官補によると、中国の武大偉外務次官を仲介役に、ヒル次官補と北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)外務次官は非公式協議で「6カ国協議の推進について、率直かつ、突っ込んだ話し合いを行った」という。

協議は7時間に及び、中朝、米中、3カ国の協議がそれぞれ開かれ、その後、米朝間の「接触」もあったが、ヒル次官補は「交渉ではない。すべての交渉は6カ国協議の枠内で開かれる」と従来の姿勢を示した。

また、ヒル次官補は「11月か、または12月に次回6カ国協議の開催を望む」と述べ、年内再開を要求。同日の協議で、北朝鮮が核廃棄を確約した昨年9月の共同声明について、金次官が「順守する」と述べたことを明らかにした。

さらにヒル次官補は金次官に対し「米国は北朝鮮を核保有国として認めない」と明言。金次官は金融制裁問題を気にしていた様子だったという。

ヒル次官補によると、先週末、中国側から米国の駐中国大使を通じ、ライス国務長官に非公式協議開催の打診があった。「なぜ北朝鮮が復帰を決めたかわからない」と述べる一方、「協議が再開されても、ゴールは遠い」と慎重な姿勢を崩さなかった。

一方、ロイター通信によると、ワシントンの米当局者は同日、金融制裁を今後も継続する方針を示した。

北朝鮮は制裁解除を6カ国復帰への条件とし、一方の米国は「無条件の協議復帰」を北朝鮮側に突きつけてきた。米国が31日、北朝鮮との「接触」に応じ、金融制裁についても作業部会設置を約束したことを北朝鮮側は「譲歩」と位置づけ、復帰に合意したようだ。(中略)

◇中国外務省が31日に発表した6カ国協議に関する声明全文は次の通り。

一、中国政府の提案により、中国、北朝鮮、米国の6カ国協議首席代表は10月31日、北京で非公式協議を開催した。

一、3カ国は今後も、6カ国協議を継続することについて、率直かつ、突っ込んだ話し合いを行った。

一、3カ国は(日韓露を含めた)6カ国が「都合がいい近い時期」に、6カ国協議を開くことで合意した。(以上)

毎日新聞は北朝鮮が6カ国協議に復帰した一つの理由として、《米国が31日、北朝鮮との「接触」に応じ、金融制裁についても作業部会設置を約束したことを北朝鮮側は「譲歩」と位置づけ、復帰に合意したようだ》と述べています。

イラク戦争が泥沼化して軍事的には解決する見通しを失い、軍事的な余裕がない米国は、北朝鮮に対しては金融制裁を行いながらも北朝鮮を6カ国協議に復帰させるのを政策のベースにしてきました。核実験後の政策のベースも、ライス国務長官の4カ国訪問で各国に伝えた言葉は「緊張を高める意図はない」でした。そして、「公海上での船舶検査や海上封鎖といった強硬な対応はない」と述べていました。(朝日記事を参考)

米国が北朝鮮に歩み寄った背景を朝日新聞11月1日付けの紙上で、鈴木典幸ラジオプレス理事は「ブッシュ政権も、中間選挙前に外交解決を求める国内の指摘に答える必要があった」と述べています。

ヒル次官補の考え、問題の解決へのゴールは遠いとしても、対話路線で問題の解決を模索し続けることは大変重要です。

北朝鮮が核廃棄を確約した昨年9月の共同声明について、金次官が「順守する」と述べたことも賢明ことだと思います。北朝鮮は米国に安全の保証を取り付け、北朝鮮は軍事的核の放棄の放棄する以外に生きる道はありません。

米国の態度と比較して、北朝鮮のミサイル発射と核実験を、国民を軍事路線に誘導する好機として捉え、自民党の政治家が奏でたのは「軍事奏鳴曲」でした。先制攻撃論と先制能力の保有論、はては核武装論。北朝鮮の核実験を武力衝突が起きたと同様の事態である、周辺事態とみなして、米軍の船舶検査を支援する。そのことで起きる武力衝突を想定した、個別的自衛権の拡大解釈・解釈改憲による集団的自衛権行使論が唱えられました。そして安保理決議より厳しい経済制裁の実施という対決路線でした。

このような軍事体質の政治家たちに、日本の領域外でも武力行使できる権限を委ねるわけにはいきません。戦争を行う可能性があります。日本国民は現行憲法の縛りを解いてはならないのです。