いせ九条の会

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歴史に学び、歴史を通じて出来上がった鉄則を守る/山崎孝

2008-07-15 | ご投稿
平和と生存権 重ねて/九条の会主催セミナー講演 大江・暉峻・湯浅氏/宮崎(2008年7月13日付「しんぶん赤旗」)

 九条の会が主催する第六回憲法セミナー「人間らしく生きる―憲法第9条と25条」が十二日、宮崎市内で開催されました。同会の呼びかけ人の一人で作家・大江健三郎氏ら三人が講演。「貧困と格差」の拡大が重大な社会問題になるなか、今回は九条と二五条(生存権)とあわせ取り上げられました。セミナーが九州で開かれたのは初めて。各県から参加した約千六百人が熱心に聞き入りました。

 大江氏は、障害をもつ子を育てるなかで二五条や九条、すべての個人が尊重される一三条など新しい憲法に励まされ「憲法において生かされてきた」とのべました。沖縄戦や広島・長崎にふれながら「歴史に学び、歴史を通じて出来上がった鉄則をまもる―それが人間らしさだと思う」と恒久平和の維持を強調しました。

 NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの湯浅誠事務局長は、貧困と戦争は切り離すことはできないと述べ、九条と二五条をセットで考える重要性を指摘しました。

 埼玉大学名誉教授の暉峻淑子氏は、勝ち組負け組を生みだす「競争社会」と戦争とを対比、「勝つことが至上命題。ひとたび落ちこぼれると『将来はホームレス…』。こんな無情な社会でいいのか」と問いかけました。

 参加した福祉関係の専門学校で学ぶ女性(19)は「九条で戦争の話ばかりかと思っていたが、福祉に関係ある話もあり、憲法が身近なものに思えてきた」と話しました。

【コメント】5月に開かれたいせ九条の会の総会は憲法9条と国民の暮らしの問題を結びつけて取り組み宣伝していくことが確認されています。私はこの観点で昨日も東京新聞の社説を紹介し意見を述べました。全国的に見ても九条の会の運動は、憲法第9条と13条と25条を柱にして運動を展開しています。

大江健三郎さんは講演で「歴史に学び、歴史を通じて出来上がった鉄則をまもる―それが人間らしさだと思う」の言葉は、日本人が生きてきた過去と現在と未来を収斂させた素晴らしい言葉で全く同感です。鉄則は言うまでもなく憲法に示されています。

私には、大江健三郎さんの小説は、読む通す力がありませんので、読めないでいますが、評論集は読んで学んでいます。そこで三重県でも大江健三郎さんをお呼びして講演会を開けたらいいなと思っています。