いせ九条の会

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6カ国協議に関するニュース/山崎孝

2008-07-12 | ご投稿
【6カ国協議:原則は一致、細部の隔たりは実務レベル調整へ】(毎日jpより)

 【北京・西岡省二】北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の首席代表会合は、北朝鮮が提出した核計画申告書に対する検証作業について、国際原子力機関(IAEA)が助言・協力することなどで一致した。ただ、検証時期や手法など細部についての隔たりが残り、実務レベルの非核化作業部会で調整が続けられることになりそうだ。

 検証は、北朝鮮の申告の正確さを調べることが目的。核兵器に使用するプルトニウムの抽出量などを詳しく調べる。

 通常は、国際原子力機関(IAEA)が担当し、核施設の立ち入りや科学者への聞き取りのほか、運転記録や廃棄物を調べる。また、核施設の壁や床などに付着した物質のふき取り調査などでデータを集め、分析する。

 IAEAは、92年に北朝鮮が核申告した際にも検証作業を実施した。その結果、プルトニウムの抽出時期や量などに大きな誤りがあることが判明、特別な検証作業を要求し、北朝鮮がこれを拒否したことで第1次核危機につながった。

 このため、北朝鮮は今回の協議でも、IAEAの査察を拒否する姿勢を示した。06年10月の地下核実験実施により「わが国は核保有国になった」との立場から、IAEAが査察対象とする非核兵器国ではない、との主張を展開した模様だ。だが、5カ国の説得を受け入れ、IAEAの協力と助言には応じた。

 また、▽核施設への立ち入り調査▽疑問点確認のための追加的な文書の提出▽北朝鮮の核技術者らへの聴取--を認める原則には合意した。IAEAは、過去に実施した核査察のデータを提供することで、検証作業を手助けすると見られる。

 日本は検証への参加を希望している。だが、核保有国の米中露3カ国が中心となる可能性が強く、情報を得るためにも日本が理事国を務めるIAEAの参加が不可欠と主張していた。

 米国には、IAEAと同等の検証能力がある。ただ、申告と検証内容が食い違った場合、「核の番人」であるIAEAの検証には反論が難しいのに対し、5カ国側が主体の検証であれば交渉の余地が残る。その可能性があると見た北朝鮮が、政治的に揺さぶりかけたと言えそうだ。(以上)

【6カ国協議:目立つ「日朝停滞」…「拉致」動かず】(毎日jpより)

 【北京・鵜塚健】6カ国協議首席会合は核申告の検証に向けたプロセスで一定の前進が見られた一方、日朝関係の停滞が目立ってきた。斎木昭隆アジア大洋州局長は11日、北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)外務次官に拉致被害者の再調査開始などを改めて要請したが、前向きな姿勢を引き出せなかった。北朝鮮へのエネルギー支援を拒否する日本に対する風当たりは日増しに強まる。日本が「支援開始の条件」とする拉致問題が動かない状況に日本政府の苦悩が続く。

 斎木局長は初日10日の首席代表会合で「非核化と合わせて日朝関係も前進させるべきだ」と強調していた。11日の日朝接触でも同じ主張を繰り返したことになり、日朝関係の滞りに対する焦りをにじませた。

 6月中旬の日朝実務者協議では、(1)北朝鮮が拉致被害者の再調査を実施(2)それに伴い日本も北朝鮮への経済制裁を解除する--ことで合意。政府も「前進」ととらえ、協議筋は「数日中に制裁は解除される」と楽観的見通しを示した。しかし、早急な制裁解除に難色を示す一部の国内世論にも配慮して解除を保留。日朝協議開催を北朝鮮に働きかけたが、動きがないまま約1カ月が過ぎた。

 日本は「核と拉致の進展」を掲げ、6カ国協議を通じた拉致問題の打開を図る。だが、非核化ばかりが進み、描いたシナリオは狂い始めている。

 非核化の進展に伴い、見返りとなるエネルギー支援の必要性は高まる。日朝協議の約束をどう具体化していくのか。日本は6カ国協議の場で説明がより求められることになるだろう。(以上)

★NHK7月12日午後12時のニュース★

北京で開かれている北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議は11日、北朝鮮による核開発計画の申告の検証方法について大筋で合意が得られたのを受けて、3日目の12日、協議の成果をまとめた文書の作成を目指すことにしています。

6か国協議は11日までの話し合いで、最大の焦点となる北朝鮮の核開発計画の申告の検証について大筋で合意が得られ、北朝鮮が求めているエネルギー支援はことし10月までの完了を目指すことで意見が一致しています。3日目の12日は、北朝鮮の申告の具体的な検証方法について詰めの協議が行われる見通しで、非核化作業部会に続いて首席代表会合が再開される見通しです。また、アメリカのヒル国務次官補は、北朝鮮の核の放棄に向けた次の段階についても、議論を行うことに期待を示しました。6か国協議の関係筋によりますと、12日は議長国・中国が協議の成果をまとめた文書の草案を各国に示すことになっています。これを基に、各国がさらに議論を進めたうえで、12日の会合で文書の取りまとめを目指すことにしています。(以上)

【コメント】被爆国の日本にとって、拉致問題も北朝鮮の軍事的核を廃棄する問題も同等の重要な問題でした。しかし、小泉政権や安倍政権は、拉致問題を北朝鮮の脅威と関連させて反北朝鮮の世論を煽り過ぎ、世論をミスリードして国民の多くに合理的な思考を失わせました。このような経緯から福田政権は《早急な制裁解除に難色を示す一部の国内世論にも配慮して解除を保留》してしまい。《北朝鮮へのエネルギー支援を拒否する日本に対する風当たりは日増しに強まり、日本が「支援開始の条件」とする拉致問題が動かない状況に日本政府の苦悩が続く》ことになりました。

日本政府は6カ国協議の進展で設置された日朝の国交回復を話し合う場、拉致問題を交渉できる唯一の場である日朝の作業部会を通じて、柔軟な外交を行う以外に道はありません。