伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

努力は無駄だった・羽生結弦

2022年02月26日 | 羽生結弦


ABCテレビ(テレ朝系)で25日夜に放送された「イミシン」で、
羽生結弦選手のインタビューが流された。

北京五輪のフィギュアの試合直後のインタビューの、
これがフルバージョンだと思うが、
松岡修造によるインタビューで、少し衝撃を受けた。





相手が松岡さんだったからこそ言えたのかもしれないけれど
羽生結弦選手が松岡修造にその本音を、余すことなく語っていた。

努力は無駄だった、と。


かつて羽生選手は「努力はうそをつく、でも無駄にはならない」
と言ったことがある。

が、今回は、その努力は無駄だった、と言い放った。


そこに、羽生選手の、今回の北京五輪での成績の
無念と悔しさが詰まっているように思えた。
正直な答えだった。


羽生選手はこれまで、オリンピックでは金メダルしか取ったことがない。
今回も金メダル、勝ちを目指して来た。

4Aの成功ともにオリンピックで勝つ、
これもやはり羽生選手の明確な目的だったのだと思う。


けれどもメダルには届かず、4位に終わった。
その無念が「努力は報われない」という言葉に
表されていたように思えたが、・・・

が、自分で自分自身を断じる強い、意志のある言葉でもあった。
無駄だった、と、自分で自分の成績を切り捨ててしまう所に
羽生選手の自己分析能力の凄さを感じ、その矜持も感じた。









本来なら、メダルを逃した選手は
このような特設スタジオでのインタビューはないはずだ。

メダリストなら各局で喜びのインタビューを受ける。

が、メダリストでもないのに、
このようなスタジオインタビューに応じるのは異例だ。


高梨沙羅も、小平奈緒も、
競技直後にインタビューを受けたかもしれないが、
そのあとスタジオでのインタビューはなかったはず。

敗者は何も語ることなく静かに去るのみ。
それがテレビの常道だ。


むしろメダルを逃したなら、何も言いたくないと思う。
本来なら、インタビューからは逃げたくなるように思う。

けれども羽生結弦選手は人気スター、
今回の北京大会での主役の一人というか、
もっともスポットライトを浴びた一人だった。

誰もが羽生選手に注目していた。
だからメダルを逃しても、
テレビ各局からインタビューの依頼があったのだろう。


本来ならば、「敗者」なのだから
インタビューなど応じたくなかったに違いない。
あんなに勝ちに拘る選手なのだから、
敗残者の姿を見せたくなかっただろうと思うのだ。


なのに記者会見まで開いて、「敗者の弁」を語らずに済まなかった。




「結果が取れなかったら無駄だと思う」
と、

結果が伴わなければ、これまでの努力はすべて報われないのだ、
と無念と悔しさを滲ませた。

努力して来たことが出来なかったという理不尽にぶちあたってしまった、
と。


「何回も心が折れて、逃げそうになったけど、
やっぱり皆さんの思いとか、
自分が今まで戦ってきた道のりとかを含めたら、逃げれなくて。

また自分の心を自分でつぎはぎして、何とか奮い立って。
で、また折れて。

それの繰り返しでここまで何とかやって来ましたけど、
やっぱり自分の中でそれが報われたとは、
100%報われたとは、残酷ですけどね、思いは出来ないです。」



・・・・・
ここまで実直に何度もめげそうになった今までの苦しい道のりを語る。
どれだけの努力をして来たかと胸が痛くなってしまう。
簡単に人に語って欲しくない、自分の努力を、と。


ただ、こうして、自身の無念を整然と言葉に出来る強靭さを
羽生選手には感じる。

どんなに悔しくても、インタビューにはきちんと答える。
自身の悔しさを冷静に整理して、言葉にすることが出来る。
逃げも隠れもせず、自分の心の内を明かすことが出来る。
並みの精神では出来ない。

自身の血のにじむような努力さえ「無駄」と突き放す。
それが羽生結弦の凄味なのだと思った。







北京五輪での羽生選手の敗因は、具体的には
ショートプログラムでの、4Sの失敗につきる。

4回転アクセルに挑む以前に、そこですべてが決まってしまった。

(個人的には残念なのはあの失敗より、
世界の人にあの素晴らしいSPの完成形を見てもらえなかったことだけれど…。)





そして羽生選手本人は、これまでの努力は無駄だった、と言うけれど、
見ていた者たちにとっては、羽生選手の北京での演技は、
忘れられない感動をもたらした。

彼の演技と4Aへの挑戦は、脳裏にしっかりと焼き付き、
何らかの記憶となって生き続けていくと思われるのだ。

羽生選手にとっては「無駄」だったかもしれないが、
我々にはそれは、大事な何かとなって心に残ってゆく。

そしてそれでも・・・


「羽生結弦という羽生結弦の体で
羽生結弦の理想とするアクセルを続けてきた結果としては
あれがすべてだったと僕は思っています。」

「羽生結弦のアクセルとしての誇りは掴みました。」
「4Aだけは、なんか自分でした。」


羽生選手の誇り。
正しい技術で追及して来た、子供の頃からの夢。
それが誇りだと言えるのは、
氷の上で回ってから飛ぶずるいプレロテなどが一切ない、
理想のアクセルに近づけたから、だろう…


羽生選手には足をしっかり治し、
誇りをもってこれからも過ごして欲しい。








前に、羽生選手のファンへのかわいいメッセージがあったよね…

TEAM JAPAN
https://twitter.com/Japan_Olympic/status/1496062215870427142




こういう風に、ファンに向けては
何があってもいつも明るいから、羽生選手が好きだな~…


画像
getty images
https://www.gettyimages.co.jp/

秀さかえさんツイ
https://twitter.com/yuzu1207_ss



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