一風斎の趣味的生活/もっと活字を!

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なぜ今オリンピック招致なのか

2007-10-14 05:52:20 | Opinion
1964年の東京オリンピックには、次のような目的があったように思えます。

第1は「国威発揚」。
日本が戦後復興を成し遂げ、先進国の一翼を担えるようになったことを、全世界に対して示す、という国家的目的があったのではないでしょうか。
もともと、競技で優秀な成績を上げることは二の次三の次。限られた競技だけでも入賞できれば良かったのでしょう。
そのような意味では、スポーツ大会というよりは、国家的イヴェントとして重要だと思われていたようです。

第2は「首都改造」。
これを機会にして、東京の都市計画を実行させたい、という意図があったものと思われます。
高速道路の建設、下水道の普及、などなど(しかし、これによって「東京」の景観が破壊されたことも事実)。

以上のようなオリンピックの意義付けは、地域によっては今でも有効性があるようで、ソウルでのオリンピック(1988)や、北京でのオリンピック(2008)がそれに当たるでしょう。

それでは、今回の東京へのオリンピック招致は何のためなのでしょうか。

第1の目的は、もはやありえないでしょう(もっとも石原都知事閣下の脳内にはあるのかもしれないが)。
また、第2の目的も、ないに等しい(むしろ地区開発は、民間で行なうのが主流となっている。例えば、丸の内・東京駅周辺地区の三菱グループ、有楽町地区の三井グループ)。

となると、目的もなしに、石原都知事閣下の妄想によって構想されたオリンピックとしか言いようがないでしょう。その真の目的は、ということになると、小生には分りません(これを機に治安のための監視体制を強化する、ということがないことを祈ります)。

万が一、あるいは万万が一、東京でオリンピックを開催することにでもなれば、せめてバリア・フリー都市づくりのために役立てて欲しい、と思いますが、あの知事閣下では無理でしょうね。
やはり、意味のない招致であることを、少しでも共通の認識とするよう努めた方がよろしいでしょう。

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