一風斎の趣味的生活/もっと活字を!

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「無投票当選」への素朴な疑問

2007-04-21 07:31:54 | Opinion
統一地方選挙も、もう最後の段階に入りました。

そこで一つ素朴な疑問を。
「無投票当選」って、あれ何なのでしょうか。
地方自治体の首長にしろ議員にしろ、定員以下しか立候補者が出なかった場合、投票を行なわないで、自動的に当選となってしまう、というあれですね(こちらに、今回の統一地方戦での「無投票当選」に関する詳しい記事あり)。
記事を見ると、意外にも、高松市という県庁所在地でも市長選挙で「無投票当選」になったケースがありました。

人口の少ない地方自治体の場合、立候補者が限られてしまう、という現実があるのでしょうけれども、県庁所在地の市長が「無投票当選」で決定してしまうというのは、必ずしもそれだけが原因じゃないみたい。

けれども、良く考えると、これ、危ない制度じゃないかしら(法律的根拠は、公職選挙法第100条)。
特に「長崎市長(候補者)殺害事件」などと組み合わせて思うと、対立候補者をテロで脅迫して立候補を断念させ、「無投票当選」してしまう、なんてこともありうるわけでしょ?
もし、それが影響力が大きい東京都知事選挙で行なわれるとしたら、どうなるんでしょう(いくら候補者が大勢いるからといっても、可能性として排除することはできない)。

そこで、有効になってくるのが、「信任投票」を行ない、全投票者の過半数を得ねば当選できない、という考え方(現行の法律だと、「無投票当選の場合は当選翌日からでも解職請求(リコール)が可能」というだけ)。
そもそも「信任投票」もせずに、無投票のまま当選としてしまうということ自体が、有権者の意志を無視することになる(いわゆる「民意が反映されない」)。
「便宜」は「原則」に道を譲るべきです。

候補者が「信任」されなかった場合の具体的な処理が問題になるでしょうが、それは別に考えることとして(外国で「信任投票」を行なっているケースがあるんだから、方法的には可能でしょう)、ともかく、「無投票当選」という制度(?)はおかしい、ということを言っておきましょう。

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