「13Rリーチの状態から抜け出しましたし、今回は勝負をかけるつもりでレースに臨みました。正直、これまでの状況から脱したと言ってもゲートの不安がなくなったわけではないのでリスクもかなりあったのですが、今回は勝負するために走りを良くしなければいけません。これまではゲート内での悪さを抑制するために動きを矯正する馬具をいろいろと使っていましたが、今回はほとんどのものを外してコンビ鼻革と通常のハミでレースへ向かったんです。ブシも何とか対応しつつ勝負に出てくれましたが、スタートは遅くなりましたね。また不運なことにペースは速くなく着差はほとんどないものの着順はいいものにはなりませんでした。差はあまりないのだからという気持ちもありますが、本音を言うと仕掛けてからグッと来るところがなかったのは残念な点でもありました。ここまで長い間会員の皆様にはお時間をいただきお付き合いいただいたので何とか結果で恩返しをしたいと思っていたのですが、状態が悪くないにも関わらずいい条件の中でいい走りをお見せできなかったことが非常に悔やまれますし、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」(金成師)
栗東にいるころからゲート難に悩まされ、なかなか打開できない状況が続いていました。そのなかで心機一転して環境を変えて美浦の金成厩舎で試行錯誤してまいりました。根気強く接してくださった厩舎のスタッフの方々、武士沢騎手の尽力もありゲート再審査を突破してくれました。その後は時間をかけて取り組んできて前走でゲート再審査リーチという状況から脱することができたため、コンディションを整えて今回勝負に出るレースをしてもらいました。残念ながら発馬はうまく行かずに後方からの競馬を強いられ、なおかつペースがあまり速くならなかったことから窮屈な競馬になってしまいました。着差はわずかなのですが、追い出してからグッと来るものがありませんでした。これまではゲートを最優先に考えるため走りを制限させてしまう馬装のなかで走っていたこともありましたから結果に関しては致し方ない部分もありましたが、今回そういった類のものを外して臨んだ中でいい走りを見い出せなかったことを考えますとこの先も厳しい戦いになることが考えられます。ここまでお時間をいただき結果を出せなかったことは非常に申し訳なく思っておりますが、金成貴史調教師と協議を行った結果、ここで現役を引退して競走馬登録を抹消することになりました。
今日、クラブから正式な引退通知書が届きました。一度狂ってしまった歯車は最後まで正常に噛み合うことはなかったけど、ダーズンローズ君も厩舎・牧場関係者全員よく頑張ってくれたと思います。(天栄スタッフのコメントを推察すると、何となくダメ元でやっているような雰囲気は以前からあったけど)
一口始めた時から熱望していた橋口厩舎のお馬さんに出資でき、しかもそれがバラ一族だったわけで、結果は残念だったけど、良血馬に出資できた醍醐味は味わえたと思います。さようなら、ダーズンローズ。もう狭いところに縛り付けられることはないからね……。お疲れ様、ありがとう。