今度こそ、新しい時代へ!  井上ちあきblog

待ちつづける政治から 挑戦しつづける政治へ!

加西病院は生き残れるのか?

2007-06-27 | Weblog
国にお金がないので、医療費を削減しないといけない。
医療制度改革と銘打って診療報酬を削減しよう。
すると当然、病院は赤字続き!
すると、過重労働の勤務医にのしかかる診察増加指令!
夜勤があけたらそのまま朝から診療。
やめたくなっても当たり前の状態に。。。
さらに、研修医制度のためにいろんな科を体験。
つまり、どこがめちゃめちゃ大変なのかが丸分かり。
大学の医局の力も及ばなくなりつつある。
輪をかけて医療裁判が当たり前になつつある。
特に小児科と産婦人科では裁判になるケースが激増!
でも、医療の業界としては医者の数があんまり増えすぎなように調整弁を
きかせている。(新規参入とよんでいるようだ)
また厚労省の役人はどうも、医学部に入学する学生数や人口あたりの医師数
という大きな視点でものごとをみているようで、
細かな僻地の医師の具合がわかっていないようだ。

おおまかこんな状況の中で、加西病院は赤字経営と医師不足であえいでいます。
さらに輪をかけて、神戸大学の医局から北播磨に中核病院をつくってはどうか
との提案があった。つまり高度医療をなす病院を集中することで医師を確保
するということです。

一見なんだか、ちゃんとしたいい病院が北播磨にできていいじゃないか?
加西病院も赤字なんだからいいじゃなかいか。と思われる方もいらっしゃるかも
しれません。

しかし、心臓を患ったおじいちゃんが急に発作になった。救急車をよんで、
小野市と三木市の中間にある新病院まで40分かけていこう!
子供がインフルエンザで夜中に光熱をだして、痙攣がはじまった、
新病院まで40分はがまんしよう!

私はがまんできません。

加西に総合医療を残すために何をするのかをかんがえなければならないと
思います。


その選択肢として

①加西病院を今のまま(もちろん産婦人科や泌尿器科もふくめて全部openさせて)
 維持する。
②加西病院の負担を軽くしながら総合医療を市全体として確保する。
③加西病院ではなくても、加西市民が納得できる総合医療の確保の仕方をする。
どの選択肢を選ぶかだが、
①だと、とにかくお金は投入できたとしても医師の確保になんら現状では手がない。これについては例えば、医師の報酬を上げる。医師の住環境を改善する。
たとえば住宅は西神に。さらに、神戸大学と軋轢をおこさない大学とのルートを
開発することができれば。。。つまり資本提携することで研修医の確保と指導医の
確保を狙う。
②沖縄に北部医師会病院というのがありますが、救急をメインにやります。普段はみなさんはまちのお医者さん(かかりつけ医)に行ってくださいね。ということです。つまり、加西病院の医師の負担軽減をはかりつつ、こうした地域医療支援病院に認定されることで診療報酬はぐっとアップします。
ただ、研修医にとって症例数がへるのは好ましくないでしょう。
③神戸大学のいう中核病院が加西市民の納得できるエリアにあれば問題はないでしょう。それはありえるケースとしては兵庫青野原病院での統合ではないでしょうか?ただ現状西脇病院は北播磨の北の中核病院を目指しているようで、多可町も
それに賛同している状態です。それに対して、南をどうするのか?青野原であれば
小野・加西は納得できるのかもしれないが、特に三木は難しいだろう。。。
県を含めた首長同士の政治判断・政治力が問われることになると思われます。

また、医師の確保として医学部進学に奨学金を出しているところもあります。
1500万円程度のようですが、もしその故郷に医師として一定期間以上勤務
すれば返済を免除されるようです。もちろん勤務しなければ、利子をつけて
返してもうらうようです。

ざっくりした文章になってしましましたが、加西に総合医療を残すには
おおまかにはこうした選択肢の中でどうするのかということではないでしょうか?

いずれにしても、医者コンビニのように簡単に使い、いなくなってしまってから
「しまった」と思ってもはじまりません。
柏原病院のために運動された小児科を守る会の活動が注目されています。

井上ちあき









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21 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (招き猫)
2007-06-27 10:50:16
議員の仕事が見えにくいため、必要ないとの意見もある中、こういういくつかの案を考えて、きちんと仕事をされていると分かると安心します。

①は医局自体の人事支配が低下しているため、医師本人にアピールしないと意味がないのはわかるけれど、
昨今の世論を鑑みるに、医師といえど過度の高待遇で迎えると反発が強いと思われます。
また医師が「来てやっている」と傲慢になるケースを聞いております。
医局の人事支配の低下の根本原因が変わらない限り、大学とのルートはあろうとなかろうと大差ない気もします。
②小児科産婦人科が問題ですが、加西病院という枠から離れての発想がいいですね。
確か地元医師会の医師が持ち回りで市民病院の外来をする病院もあったようですよ。
③三木市民は神戸か明石の病院をすでにメインにしている。重い負担を求めなければ理解を得られるのでは?
西脇は難しいだろうね。

長々駄文申し訳ない。
返信する
Unknown (井上ちあき)
2007-06-27 14:30:43
招き猫さまへ
いつもコメントありがとうございます。
さて、①についてですが、実話として1人の医師に対して年収5000円で雇用された公立病院がありました。その医師は必死に勤務し確か年に休暇が数日しかなかったようです。しかしその医者もその病院をやめられてしまったようです。細かくはいろいろな問題があったのでしょうが、聞くところによりますとなぜ5000万もださないといけないのか?という世論が大きかったようです。確かにドクターバンクのような求人を見ても1500万あたりが多いようですが、それ以上にその医師を退職させたのは、医師と患者との気持ちのつながりだということでした。収入はさておき「治してあげたい」と「治してもらってありがとう」という人と人とのバランスが崩れることが最も退職させる大きな要因と聞いています。収入と仕事そして人としての気持ち・・・このあたりのバランスが大切なようです。②についてですが、ある医師にこの件を相談すると、その仕組みでは勤務医が楽にならんやろし、症例が減るので研修医も集まりにくいのでお薦めではないとのこと・・・③はうまく政治決着をつけることができればベストだと思います。
現実にはさらに、医師、事務方、看護士を含めた医療スタッフ等、現場にも取材しながら検討を進めたいと考えています。
またご指摘下さい。ありがとうございます。
返信する
Unknown (かさいしみん)
2007-06-27 22:49:39
加西病院の生き残りは正直厳しいと思います。
既存の施設、立地条件などをみても、北部は脳外科や産婦人科の分娩数が多く、透析しつもあり、且つ、まもなく新しい病院が完成する西脇が賛成するのは理解できます。というか、西脇をこのまま規模縮小する方が、世間で言われている「はこもの事業の失敗」と言われかねないのではないでしょうか?あちらも公立病院ですので、新築したからには有効に使うべきだと思います。
加西は、公共交通機関網も今一つですし、マイカー社会であるにしては駐車場が狭く、高齢化なのに歩いては行けそうにない山の上のある建物では、入院する人、通院する人、看病や見舞に来る人にも負担でしょう?
私立の病院では、1時間に何本か駅から送迎バスを運行している所もありますし、それなりに工夫されてますが、加西病院は公立ですし、神姫バスさんとの兼ね合いもありますからなかなか病院が勝手に送迎バスを運行するのはきびしいですね。

医師の確保ですが、臨床研修医制度が始まり3年目ですが、こんなこと、始まる前からこうなるなんて予測できていたと思います。若い人だけでなく、家族を持ち家を持ち、子供が学校に行きはじめれば、すみやすく慣れた土地がいいに決まっています。そうなれが、医師は週末婚か単身赴任を余儀無くされますが、救急で酷使され、帰る官舎に家族がいないではそう長く続くとは思えません。
加西になぜ医者がすんでくれないか?そこを考えられた事がありますか?それは、神戸、三木、西神、西宮などに住んでいた医師やその家族達が加西が住みにくいと思っているので、住んでくれないのではないでしょうか?
勤務も過酷、医師不足、それは何処の田舎も一緒ですが、加西はそれにくわえて「住みにくい」のです。
もし、医師が住民票を加西においてくれたら、住民税をはらってくれます。税金で支払われる給与も市民税と言う形で少し返ってきます。市民は「医者の給料は税金だから働け」と暴言を吐く人もいます。でも、加西がよくて住んでくれたら旧世の中からかなりの割合を市民税として還元もしてくれます。
でも残念ながら、ほとんどの医師は、加西に住んでいません。
というか、極力住まないようにして少しはしんどくても通勤でなんとかしているといった方が良いかもしれません。

心臓が悪いから40分先の病院へと書かれていましたが、加西病院の医師のほとんどが加西にいませんので、コールで呼ばれて到着するまでに自宅から1時間なんてざらですよ。

そんな次元の低い事で悩むのなら、各市町村が協力しあい、合理的に医療ができる事が安全な医療への近道だと思います。

医療にはスピードも要求されます。今話し合うべき事は、上辺だけの「医師確保!」「産婦人科再開!」「小児科医増員!」ではなく(そんなこと何処でも言ってます)、北播地区に医療センターを作り、地域の開業医や個人の入院施設を持った病因との連携で合理的に医療を行うべきだと思います。

それが、根付けば、市民も「こういうときはクリニック、こういう時は中期規模病院、こういう時は医療センター、こういう時は夜間救急」と認識してくれるのではないでしょうか?
医療が赤字になるのは、無駄が多いからと言うのも原因があるのではないでしょうか?

関東の田舎に有名な病院があります。田舎ですが患者さんも医師も希望して受診したい、働きたいと思っています。
一度見学に行かれらどうでしょう?

医師が1つの施設で長く働く事が一概にいいとは言えませんが、減員する事無くきれる事無く後任が来る為には、退職する医師からの口コミがかなり影響するでしょうから「あそこはいいよ!」といって退職してもらえるような病院になるような努力がいるのです。

大きな勘違いをされてる方がたくさんおられますが、決して、高い給料が欲しい訳ではありません。5000万円でも辞めた医師が他県にはおられましたよね。それは、休みがないからです。気を休める暇がないからです。

医師も人間です。休みたい、眠りたい、御飯が食べたい、家族とゆっくり過ごしたい、と普通の事がしたいのです。でもできていない。

住みやすく、働きやすい病院には医師が集まります。たくさんの医師が集まれば、医療の質は上がります。医療の質が上がれば、関東の田舎の病院のように、他県からですら患者さんは命を救って欲しくてやってきます。

赤字も深刻です。でも、お金だけにこだわった医療をしていたら働く人も受診する人も逃げて行きます。

何故加西に医者が来ないか?何故加西病院に患者さんが来ないか?何故医師は加西病院を短期間で辞めるか?

本質をじっくり考えると、きっと解決できるとおもいますよ。
返信する
Unknown (井上ちあき)
2007-06-28 01:32:25
かさいしみんさま
コメントありがとうございます。
貴重なご意見ありがとうございます。
まず、医者の家族が住みたがらないということは重要ですよね。住環境やまちとしての魅力、子供の学習に不十分。。。
医療センターを中心とした連携についてのご提案ありがとうございます。どの方法がよいのか、さらにいろんな方と協議していきたいと思います。
私は知りませんでしたが、関東の田舎の病院とはどこのことでしょう?何が評価されて医者が行きたいといわせているのでしょう。またコメントもらえれば幸いです。
返信する
Unknown (かさいしみん)
2007-06-28 08:25:38
所々タイプミス、変換ミス失礼しました。(旧世→給与です)

病院の名前ですか?かなり有名ですよ。
聞く所によると、医師の数は200人は越えているようです。
病床数も800床を越えていますのでが。名前はここでは控えておきます。

やはり、働く側も受診する側もかなりの期待をしていくようで、実際行ってみると、「若い医師が多かった」とか「医師の在職年数が短かった」などと評価される患者さんもおられるようです。

働く側としてはどう思われているかはよくわかりませんが、
若い医師の在職年数が短いのは一般的にどこでもあります。
むしろ、若いうちから1つの施設に長くいて、よその病院の事を知らない、他の医師のやり方を知らないでは視野が狭くなるので、ある程度の年数は1年や2年で異動してしまうのは仕方ないと思います。むしろ、今では医師確保に必死ですので、
若いうちから引き止めをする病院のほうが、医師数が足りていないという印象をうけます。

加西は、年長者は在職年数の長い医師がなんにかおられますが、あとは、大学人事に従っての医師なので、若手なら1年、2年、中堅なら3ねん、4年、と一般的な在職年数だと思います。

ただ、少し規模のわりに、研修医の数が多いように思います。
研修医が来る事のメリットを院長は述べていますが、キャパシティーに応じた数を確保した上での話で、果たして、医師不足が深刻化されてる今の状況に、近隣と比べてダントツの研修医の確保と言うのはどうかとおもいます。

研修医に来るからには、学んでかえるのですが、患者数も減ってきているのに、経験をつめるか?忙しい医師達が研修医をじっくりと指導する余裕があるか?結局、研修医以外の医師への負担が増えているようにも思えますし、なにより、実際に治療に関れない研修医ばかりの病院に患者さんは来たいだろうか?と考えてしまいます。すくなくとも私なら嫌です。

研修医が多いなら、それ以上に指導する医師が多くなければ意味をなさないと思います。一度、研修医の数と、それ以外の石の数の割合を計算してみてください。少し不安になるとおもいますよ。

マスコミが取り上げるいい病院などは、きっと、いい病院もあるだろうとおもいます。いい病院だから、患者さんもスタッフも集まっていると思いますが、メディアに影響されて集まった人は、期待外れ感もあるようですので、そういう意見にはあまり振り回されない方がいいかもしれませんね。

働く側も、どうしてここで働きたいか、ここで何を習得したいか、ここでどういう医療をしたいか、患者さんになにをしてあげたいか、受診する側は、どうしてここの病院をえらんだか、ここでどういう医療を受けたいかなどの、選択した時の自分の強い決意が大事だと思います。働く側も受診する側も意志をしっかり持つ時代だと思います。

加西病院がどうこうとは思いませんが、第3者としてみて、
この小さなエリアの過疎地にパッと見て1市1総合病院は多すぎると思います。意地を張り合わず、各市町村が歩みより、
合理的且つ迅速で安全な医療が提供できる病院作りができるように考えていくべきだと思います。
過疎地である事は否定できないので、どこにでもいわれている「医師不足」「産婦人科撤退」「小児科縮小」は当たり前に起こってくると思います。
市民、世間から注目されるなら、医師不足で注目されるのではなく、わずか人口4万人でも、医師数を十分確保できている!
その為に市は、病院はこういう取り組みをしているという面で評価されれば全国的に注目されるであろうし、医師不足で困っている病院から戦略を教えて欲しいと問い合わせもあり、いろんな情報交換ができるのではないでしょうか?
医師がいないと悲鳴をあげるのはもう時代遅れです。


それと、大学からの医師派遣中止に落胆するのではなく、これからは医者は独自に雇用するものだと思います。
看護師さんが自分達で病院を選ぶように、医師も自分達で病院を選ぶ時代が着実に来ています。

先端医療ができる病院、働きやすい病院、報酬が安定している病院(世間一般の人は医者はたくさん貰ってると思ってるようですが、そうでないところもたくさんあります)、休暇がある病院、住みやすい場所にある病院など、医師の個人で思いは違うでしょうから、医療従事者が働きに来たいと思う病院作りや、都会から家族を連れてきてもいいと思える町作りをしてください。

加西出身者にはなかなか理解できないでしょうが、外部からきた人にとっては本当住みにくい街だと思います。

議員の方のお気持ちは分かりますが、病院がこうなるということは十分予測できたのに、ここ最近になって誰もが加西病院の医師確保と声をあげておられますが、世間から見ても若干手遅れ感を感じますし、加西市や加西市民は「医者は勝手に神戸から来るもの」と長年思っていたのではないでしょうか?

一度赴任した医師が、「加西はいい所だったから、経験を積んだら加西で開業しよう」とか「落ち着いたら加西に家族で越してきたい」と思った医師はいるでしょうか?
(播州出身者ならあるでしょうがそれ以外で)

医師確保、医師も人間だと言う事をきちんと理解して、住みやすく働きやすい街を作ってください。

近隣と比べて、加西病院は中核病院に生き残るための要素が乏しいと思います。
返信する
加西市民病院 (774氏)
2007-06-30 23:41:51
はじめまして、774氏と申します。厳しい意見が多いようですが、私は難しい事はあまり分かりませんので、少しだけ書かせていただきます。

 珍しく加西市に住んで加西市に市民税を払っている、加西市民病院医師の親戚の家に来ている、他病院勤務医師ですが、どうも加西市民病院に異変がおきつつあるようですね。

 6月で呼吸器科がなくなったそうですが、年内に「ある科」も無くなるとか。複数の市会議員から、影でいろいろ要求を受け嫌気が差しているようですね。それと産科が再開されると新聞にありましたが、産科医1人での再開なんて狂気の沙汰です。地域基幹病院なら、産科医3人、小児科医3人で産科をぎりぎり維持できるとお考え下さい。日本産科学界の方針でもあります。なぜなら出産というのは無事に終わったからこそ結果的に安産と言うのであって、分娩進行中は1分先は闇で、いつ異常事態が起こるかわかりません。それに1人で対応できるでしょうか。今までなら近隣病院が受けてくれましたが、もはや西脇にも市加古にも受けるいれる能力がありません。何か異常事態が起こると、またマスコミから産科医がバッシングを受けると、今朝から全国で非難されていたようですね。

 そして、看板の循環器科も来年はかなり縮小のようですし、私の親戚の医師も、「ある科」の事は大変ショッキングだったらしく、辞職を固めつつあるようです。おまけに例えば本日のブログの一番上のような市民の方のような書き込みは、特に勤務医にはグサっときます。

「昨今の世論を鑑みるに、医師といえど過度の高待遇で迎えると反発が強いと思われます。また医師が「来てやっている」と傲慢になるケースを聞いております。医局の人事支配の低下の根本原因が変わらない限り、大学とのルートはあろうとなかろうと大差ない気もします。」

 選挙前からいろんな書き込みがあって、関係ない私ですら見せてもらって読んでいて、かなりやる気をなくしてしまいそうでした。医師というのは技量も大事ですが、士気の高さが大事で、感謝されているという自負心が、あれだけの無茶な労働を支えているわけですが、一旦崩れるともう無理でしょう。これは警察官や消防隊員、自衛官と同じく、体を張って仕事をしている職業の特徴でしょう。医師もいつどんな病気がうつって死ぬか分かりませんので。

 大学とのルートは現市長自らが不要と切ってしまったわけですから、今後、加西病院に中堅医師が補充される見込みも薄そうです。閉鎖された科はそのまま再開されないわけです。

 そういえば、いのうえ議員と私の親戚医師の奥とはブログ友達だそうですね。ですので、たまたまこうして書いているわけですが・・・一度、加西市民病院を存続させるか廃止するか、市民投票をされてはいかがですか。無論、維持するためには増税が必要と明記したうえでです。市債500億円、特別会計累積負債200億円に対し市税60億円では、財政再建団体入りもありえますから。柏原のような市民運動レベルでは、到底今の危機状態は脱却できません。国が低医療費政策を行っているわけですので。

 なお、北播地区の病院統合は不可能と思われて間違いないです。神戸大学の提案も机上の空論と、誰も医師は本気にはしていません。医師を供給するいろいろな大学が入り乱れていますから。青野ヶ原は、京都府立医大系ですので、加西市民病院とは別系統で統合不可能です。同じ大学系列の国立病院どうしが合併するのも、国の命令ですら数十年かかったぐらいです。
返信する
Unknown (井上ちあき)
2007-07-01 09:41:08
774氏さま
コメントありがとうございます。

本当に・・・厳しい、つらい、現実のコメントですね。緊張感と焦りを感じてしまいます。

産科の再開については、現場がどうお考えになっているのかまだお聞きできていません。一見、「産科再開」というのは耳障りがよいですが、現実はコメントをいただいた通り、一旦何かあれば対応できなければ意味がありませんね。お産は安全なものと思わないほうがいいとある医師にも言われたことがあります。
この産科を再開するにあたって、改装費など多額の起債が行われようとしています。
このあたりは確認をしていきたいと思います。

デフレスパイラルのような状態にありますが、取り急ぎ、カンフル剤を打つとするならば何か良い手立てはないものでしょうか?医師としてアドバイスをいただければありがたいと思います。

また、「アップなしで」としていただければ公開しませんので。。。

またよろしくお願いします。

返信する
加西病院について (張本人)
2007-07-01 12:24:28
昨日は寝込んでいた張本人です。774氏先生は心配で来てくれていました。あの先生は医学の勉強と並行して経済学や地政学も勉強しておられ、日本医療の崩壊と旧ソ連崩壊の類似性、医療崩壊後の金融機関・外資などの動向、WE(ホワイトカラーエグゼンプション)導入の真の目的、将来の日本像いった、全国区の論客ですので、特別です。別のところに住まれていますので迷惑はかけられず、能力ははるかに劣りますが、私がある程度回答できればと思います。

ところで、議員(複数)の医師個人(複数)への圧力は本当にあるのでしょうか。それで昨日は寝込んでいたのですが。


日本医療は、産科と小児科はもう崩壊済みで、再建には最低30年(医学部入学~専門医で15年、ただし教える人材がいなくなったのでもっとかかります)以上かかりそうです。次はどの科が崩壊するか、医師はほとんど知っていますが、2年以内に内科、外科、麻酔科、救急救命科です。実際、播磨全部でこれらの科の医師は昨年の7割しかいませんし、今年の特徴として、途中で止めていく医師が多いのです。これはいのうえ議員も新聞等で感じておられるかもしれません。

774氏先生がいつも主張しているのは、医療は二乗均等の法則が働くから(ランチェスターの法則というと日本語で言えと怒られるんです)、医師が3割減れば病院の能力は0.7*0.7で半減するそうです。逆に患者数が同じなら負担が倍になるわけで、負担増でまた医師が辞めていく、放物線を描いて病院は崩壊していくというように聞きました。

また、774氏先生は日本医療の現状はゴルバチョフ時代のソ連経済と同じ状況で、緊急に診療報酬を5-10倍に上げないと崩壊を防ぐのは不可能との事です(つまり、同じ処置や手術をしても諸外国の数分の1の技術料しか、評価されていないです。薬代なんかは据え置きでいいと思います)。今や利益を出しているごく僅かの病院でも利益率は1%-2%と聞いていますし、加西病院など満床でも大赤字です。市からの補填で何とかやっていけているだけです。やればやるほど赤字が増えていくため、医師の間では自治体病院不要説と、社会的入院を自治体病院に放り込んでおけという意見があります。しかもその値上げもカンフル剤で、根本解決は自由診療化か値上げした状態を続けるかだそうです。医師も他の職員も倒れるぐらい働いて、外来も入院も満杯でも赤字になる、厚労省の方針事態がおかしいとは思います。

日本と同じ低医療費政策が続いて悲惨な状態のイギリスは医療費を大幅に上げましたが、5年たってもまだ立ち直っていないそうです。心筋梗塞で運ばれて受診まで2日待ちとか、癌の手術まで1年待ちとか聞きます。お金持ちは民間病院で自費でさっさと治療を受けられるようです。そういえばどこかでニュージーランドも初診まで半年待ち、再診まで半年待ちとか聞きました。アメリカ医療はもっと悲惨ですね。

医師の給与が高すぎるという意見につきましては、ここが参考になるかと思います。当院院長にも紹介しました。なお、給与が高いほうがいいと思うのは当たり前ですが、労働環境によっても変わってきますし、医師に限らず技術系は自分の行った行為が評価されないことに不満を抱くものです。例えば当直も、労基法上は宿直扱いで、朝まで寝ている事になっていますが、実際には夜勤です。宿直扱いですので翌日は休みにならず、夜勤代は支払われません。しかも医師だけで、看護師や事務は夜勤扱いです。そして三六協定も結ばれていません。だって残業も宿直中の「急患対応」も休日出勤も、医師が勝手に好きでやっていることになっているわけですから。
http://ssd.dyndns.info/Diary/archives/2007/06/post_290.html

当院での産科の再開は全国からクレームがつきました。それは十分な体制がないためという理由です。いつ、何が起こるかわかりませんから、それで事故になったとき、また全国の産科医・小児科医がバッシングを受ける、周産期医療の更なる崩壊の責任を取れるのかと言われています。日本産科学界の方針通りに再開するなら何の問題もないようです。

また、分娩には産科医師だけでなく、麻酔科、内科、外科、そのほかの科と殆どすべての科がかかわりますが、他の科もぎりぎりの為、なんと分娩も新生児も産科医のみが診るという条件での再開と聞きました。しかしそんな事は不可能で、絶対に他の科が業務を中断して呼ばれます。トラブルの原因となりますし、事故の原因ともなります。そして産科の裁判は大変です。これでは、巻き込まれたくないと他の科の医師も次々と逃げ出します。しかも、産科医以外もきちんと関われという圧力が議員(複数)から院長ではなく医師個人にかかっていると噂を聞きました。そして、こんな重大事案が新聞に先に発表されて院内の医師には何の連絡もありませんでした。先週末の会議ですらです。ですので、加西市と関わると私自身が駄目になるかもしれないと、辞める方向に傾きつつあるわけです。

誤解しないでいただきたいのは、いろんな病院を回りましたが加西病院ほど働きやすい公立病院は滅多になく、条件さえそろえば、産科の再開は病院を挙げて、医師も含めてみな賛成・心待ちしているという事です。暗いニュースが多い加西市ですが、赤ちゃんがいると院内どころか町が明るくなります。ただ、前回産科撤退時に産婦人科教授が加西市長に捨てゼリフをはかれたと、大学経由で伝わってきていて、もはや大学からの産科医の派遣は無理でしょう。

妻とはブログ仲間という事で、実はご当選の時には祝電を打とうかと言っていましたが、医師は誰に対しても平等にと思い、あえて自粛いたしました。そして、全然ご質問に応えられていないです。能力不足で申し訳ありません。
返信する
産科再開について (張本人)
2007-07-01 13:02:38
若い医師が多い事に対する批判もあるようですが、私個人は、今の目ざとい若者(研修医)がたくさん来る病院だから魅力的に見えるんだろうと、評価しています。給与もありますが、まだまだ中堅・ベテランが充実している方ですので、スキルアップ(これが若手には一番魅力です)を見込めると若手医師は思っているようです。実際、当院での研修終了時の実力は高いです。院長は同じ病院にばかりいると伸びないから、数年旅をして、将来機会があれば加西病院で働いて下さいと言っています。私も同意見です。そのため、中堅がポロポロと抜けていく事は、病院にとって致命的です。若手も来ない魅力のない病院は終わりです。研修医のマッチング結果を見ると一目瞭然です。

それと、産科再開は院長は以前からたびたび希望されていました。それは他の医師も同様ですが、昨今の異常な裁判の事を考え、絶対に日本産婦人科学界の指針通りにして下さいと、私だけでなく、何人もの医師が申し上げ、院長も当然リスクを理解されています。新聞を見てびっくりして院長宅に電話したところ、仕方がないというような口調でした。国公立病院長の権限は低いとは聞きますが、こんなにハイリスクの事についても権限が無いものなのでしょうか。

山辺院長は何か院内活動を計画される時も裏の裏まで計画されるような人物です。一見こういう目的の活動に見えて、でも真の目的は別で、さらに核心をつく別の目的がある場合もあります。もっと、自由なお金と権限を委譲できないものでしょうか。以前、市長からアンケートが来たときに、そのように回答したのですが、実現していないようです。

ふと思いましたが、ひょっとしたら、いのうえ議員の御質問に対する回答は、山辺院長に早急に自由に使えるお金とある程度大きな権限を委譲する事かもしれません(もちろん、機密費ではありません、予算ですが事後承諾という事で)。丸投げという批判も受けそうですね。でも、医療も含めた技術職って、口を出さずに金を出して任せてほしいという面があります(ですので、議員の圧力の噂は私にはショックだったのです)。ただし現場が暴走しないよう、事務職が見張っていないといけません。
返信する
Unknown (井上ちあき)
2007-07-01 13:25:55
張本人さまへ
コメント本当にありがとうございます。
大変勉強になります。
今の加西市において、教育と医療の問題は、本当に緊急の課題であると考えています。
・・・が、加西市という大きな「枠組み」で取り組まれているとは思えません。非常に歯がゆい思いがしています。

ところで、じつは書き込みいただいたコメントを
アップさせていただいてよいのかどうか、迷っています。大変申し訳ないのですが、OKか否かをまた
コメントくださればありがたいのですが。。

これからもどうぞご指摘よろしくお願いします!
返信する