パート3です。
「我らが街に凱歌は響き/浦和レッズ、初戴冠/著者:豊田充穂 」
たまたま最近豊田氏の本を目にしました。
2003年に浦和レッズがJリーグ初制覇した時に浦和出身の著者が浦和の王国復活に向けて、最後の"南高“全国制覇を果たした折の名MFでもあった浦和東・野崎監督(当時2004年に開催される埼玉国体の県高校選抜監督)を取材した大変興味深い内容です。
浦和を愛し、その復活を望んでいる豊田氏自身が、元Jリーガーの代議士からボランティアで少年団を教えるサッカー仲間のレベルに至るまで多くの人々から等しく指摘されている問題点について、かって現役選手として全国制覇した立場、そして指導者としてさいたまの現場に戻ってきた同氏に2004の地元埼玉国体に向けての強化の現状、そして県の代表監督としての立場で、この地(浦和)のフットボールの現況に関して取材したものです。当時の埼玉の若年層に対するサッカー環境に対して県の代表監督として、そして一高校の指導者として苦労されている様子が窺えます。
要約すると低迷の原因は、地域が一体となって取り組むべき『サッカーの環境づくり』という大テーマに対して埼玉という自治体ベースの環境整備が遅れてしまったことがこの様な事態を招いている。
その結果、選手、指導者の育成のための環境不備。それに伴うコーチ人材の不足。他を圧するサッカー少年団の層やクラブ数を誇っているにもかかわらず、その有望な才能を継続して体系的に育成してゆく基盤づくりが立ち遅れている。
「結果として、人材の流出という問題が起きている」
一つの例として国体強化のトレセン。埼玉県代表チームが浦和東のグラウンドを拠点に大会に備えるしかない状況にあり、準備できること、できないこと、環境面、チームの士気……いろんな面での強化の難しさを挙げています。
地元の国体に合わせて、現場レベルが一時的に動いたところでどうなるという次元の話ではない。大会が終わればみんな一介の高校の指導者に戻り、やれることには限界が見えてる。一朝一夕では解決できない問題が積み重なって、今日に至っている。
これだけ全国のレベルが上がり、情報も比較できる時代に選手もよりよい環境を求めるし、指導者も教え子をそこに送り出す。『流入』よりも『流出』の傾向になっている」
若年層育成のための指導や設備などを県の協会とレッズが足並みをそろえれば、もっと改善できる面が出てくるのではないか。等々難しさを挙げています。
興味のある方は「我らが街に凱歌は響き/浦和レッズ、初戴冠」をどうぞ。
ちなみに、地元埼玉国体は西武台守屋監督の下、河原(大宮東出:新潟アルビレックス→栃木FC)選手を擁し、大宮東、西武台、浦和レッズ等の選手を主力に3位となりました。
ちょっと前の取材であり、国体制度も当時のU-18中心から現在はU-16に移ってしまい、必ずしも現在の埼玉の状況に合っているか分かりませんが、過去の栄光の上にあぐらをかいてしまった結果→協会・自治体ベースの環境整備の遅れ→指導者・施設面の不足→魅力あるチーム・指導者の不足→有望な人材の流出と、こんな負のスパイラルの図式に落ち入っているのでしょうか。
言い換えると古き体質→環境整備の遅れ(ハード面・ソフト面)→低落化、何やら今の自民党のような感じがしなくもないですが・・・。
埼玉高校サッカー情勢について、元埼玉新聞記者河野正氏の寄稿、それから豊田充穂氏の取材を通して埼玉の置かれている問題点・状況を見てきましたが、私は中学の部活で指導者不在の中学校が7割までになるまで放置していたこと。この指導者の不足が中学世代全体のレベル低下をまねいてしまった。中学世代の空洞化を引き起こしたことが低迷の大きな要因の一つになっているのではないかと思います。
これらのことが要因となり、そのまま高校世代になっての人材不足、伸びしろを狭めているのではないか。はたまた人材を埋もれさせているのではないか。その辺を少しずつ改善して行けば全体のレベルアップに繋がり、ひいては埼玉全体の高校レベルの底上げになるのではないかと思います。
王国・埼玉復活のカギを握っているのは指導者にあるのではないか。
協会が今年から大学生派遣制度という制度をスタートさせましたが、部活で部員を50人以上抱えていたら一人の顧問では到底見きれないと思います。もっと大きな視点で少年団レベルから高校まで裾野を広げて協会がコーチの派遣制度を作ることができないものか。豊田氏が言うようにさいたま市はJリーグのチームを2チームも擁するれっきとしたJタウンです。サッカーの街を標榜しています。浦和レッズのエンブレムも旧埼玉高等師範学校をモチーフにしています。大学生派遣制度などと小さな枠に捉われず例えばJリーグ経験者によるコーチを学校・トレセンに派遣するとか。
かって高校サッカー御三家と言われた埼玉・静岡・広島の三県で広島は見事復活を果たしました。高校のトレセン制度にしても埼玉の場合、U-17以降(正確にはU-16年代の国体終了後以降ですね)活動が死滅しているのではないか。協会主催のストライカーキャンプにしても1泊2日の1回限りの開催では強化に繋がっているのか疑問です。
少年団から高校までを通してなんだかんだと言ってもやっぱり高校でも活躍してくれることが一番です。幸い埼玉には特色を生かせるチームが沢山存在しています。
公立高校ならば、稲妻ラインの大宮東・文武両道を地で行く市立浦和・野崎監督率いる浦和東・赤き地のイレブン浦和南
私立高校ならば、武南・西武台、最近力を付けてきた埼玉栄・正智深谷
確かにこれだけチームがあったら戦力が分散するでしょう。だからこそ、小学世代、中学世代の全体のレベルアップを図る必要がある。そして各高校が特色あるチーム作りをし、お互いに競い合うことができれば王国・埼玉復活に繋がるのではないか。関係者一丸となって復活を目指してほしいと思います。
「我らが街に凱歌は響き/浦和レッズ、初戴冠/著者:豊田充穂 」
たまたま最近豊田氏の本を目にしました。
2003年に浦和レッズがJリーグ初制覇した時に浦和出身の著者が浦和の王国復活に向けて、最後の"南高“全国制覇を果たした折の名MFでもあった浦和東・野崎監督(当時2004年に開催される埼玉国体の県高校選抜監督)を取材した大変興味深い内容です。
浦和を愛し、その復活を望んでいる豊田氏自身が、元Jリーガーの代議士からボランティアで少年団を教えるサッカー仲間のレベルに至るまで多くの人々から等しく指摘されている問題点について、かって現役選手として全国制覇した立場、そして指導者としてさいたまの現場に戻ってきた同氏に2004の地元埼玉国体に向けての強化の現状、そして県の代表監督としての立場で、この地(浦和)のフットボールの現況に関して取材したものです。当時の埼玉の若年層に対するサッカー環境に対して県の代表監督として、そして一高校の指導者として苦労されている様子が窺えます。
要約すると低迷の原因は、地域が一体となって取り組むべき『サッカーの環境づくり』という大テーマに対して埼玉という自治体ベースの環境整備が遅れてしまったことがこの様な事態を招いている。
その結果、選手、指導者の育成のための環境不備。それに伴うコーチ人材の不足。他を圧するサッカー少年団の層やクラブ数を誇っているにもかかわらず、その有望な才能を継続して体系的に育成してゆく基盤づくりが立ち遅れている。
「結果として、人材の流出という問題が起きている」
一つの例として国体強化のトレセン。埼玉県代表チームが浦和東のグラウンドを拠点に大会に備えるしかない状況にあり、準備できること、できないこと、環境面、チームの士気……いろんな面での強化の難しさを挙げています。
地元の国体に合わせて、現場レベルが一時的に動いたところでどうなるという次元の話ではない。大会が終わればみんな一介の高校の指導者に戻り、やれることには限界が見えてる。一朝一夕では解決できない問題が積み重なって、今日に至っている。
これだけ全国のレベルが上がり、情報も比較できる時代に選手もよりよい環境を求めるし、指導者も教え子をそこに送り出す。『流入』よりも『流出』の傾向になっている」
若年層育成のための指導や設備などを県の協会とレッズが足並みをそろえれば、もっと改善できる面が出てくるのではないか。等々難しさを挙げています。
興味のある方は「我らが街に凱歌は響き/浦和レッズ、初戴冠」をどうぞ。
ちなみに、地元埼玉国体は西武台守屋監督の下、河原(大宮東出:新潟アルビレックス→栃木FC)選手を擁し、大宮東、西武台、浦和レッズ等の選手を主力に3位となりました。
ちょっと前の取材であり、国体制度も当時のU-18中心から現在はU-16に移ってしまい、必ずしも現在の埼玉の状況に合っているか分かりませんが、過去の栄光の上にあぐらをかいてしまった結果→協会・自治体ベースの環境整備の遅れ→指導者・施設面の不足→魅力あるチーム・指導者の不足→有望な人材の流出と、こんな負のスパイラルの図式に落ち入っているのでしょうか。
言い換えると古き体質→環境整備の遅れ(ハード面・ソフト面)→低落化、何やら今の自民党のような感じがしなくもないですが・・・。
埼玉高校サッカー情勢について、元埼玉新聞記者河野正氏の寄稿、それから豊田充穂氏の取材を通して埼玉の置かれている問題点・状況を見てきましたが、私は中学の部活で指導者不在の中学校が7割までになるまで放置していたこと。この指導者の不足が中学世代全体のレベル低下をまねいてしまった。中学世代の空洞化を引き起こしたことが低迷の大きな要因の一つになっているのではないかと思います。
これらのことが要因となり、そのまま高校世代になっての人材不足、伸びしろを狭めているのではないか。はたまた人材を埋もれさせているのではないか。その辺を少しずつ改善して行けば全体のレベルアップに繋がり、ひいては埼玉全体の高校レベルの底上げになるのではないかと思います。
王国・埼玉復活のカギを握っているのは指導者にあるのではないか。
協会が今年から大学生派遣制度という制度をスタートさせましたが、部活で部員を50人以上抱えていたら一人の顧問では到底見きれないと思います。もっと大きな視点で少年団レベルから高校まで裾野を広げて協会がコーチの派遣制度を作ることができないものか。豊田氏が言うようにさいたま市はJリーグのチームを2チームも擁するれっきとしたJタウンです。サッカーの街を標榜しています。浦和レッズのエンブレムも旧埼玉高等師範学校をモチーフにしています。大学生派遣制度などと小さな枠に捉われず例えばJリーグ経験者によるコーチを学校・トレセンに派遣するとか。
かって高校サッカー御三家と言われた埼玉・静岡・広島の三県で広島は見事復活を果たしました。高校のトレセン制度にしても埼玉の場合、U-17以降(正確にはU-16年代の国体終了後以降ですね)活動が死滅しているのではないか。協会主催のストライカーキャンプにしても1泊2日の1回限りの開催では強化に繋がっているのか疑問です。
少年団から高校までを通してなんだかんだと言ってもやっぱり高校でも活躍してくれることが一番です。幸い埼玉には特色を生かせるチームが沢山存在しています。
公立高校ならば、稲妻ラインの大宮東・文武両道を地で行く市立浦和・野崎監督率いる浦和東・赤き地のイレブン浦和南
私立高校ならば、武南・西武台、最近力を付けてきた埼玉栄・正智深谷
確かにこれだけチームがあったら戦力が分散するでしょう。だからこそ、小学世代、中学世代の全体のレベルアップを図る必要がある。そして各高校が特色あるチーム作りをし、お互いに競い合うことができれば王国・埼玉復活に繋がるのではないか。関係者一丸となって復活を目指してほしいと思います。