光れ稲妻☆応援blog

子供の入学を機にチームの応援とチームの観戦記を自分勝手に綴るブログです。

高梨沙羅が巻き起こすジャンプ革命 PART3 / そしてフライングを飛ぶ日

2013-04-14 07:16:32 | ソチオリンピック
スキー(たぶんスケートも同じ)を加速させるのも、スピードをコントロールするのも全て足裏感覚にあります。スキー用語で加圧と言いますが、いかに足裏全体でスキーを押し出せて加速させ、なおかつ、安定した姿勢で踏み切れるか、助走路は、ご承知のように溝が切られていますが、90km前後のスピードで滑り降りてくる途中、板は常にバタついたり、横に振られたりと、凍結した助走路を安定的姿勢で滑り降りるのは至難の業です。ちょとしたタイミングで助走のバランスを崩したり、腰が引けたりしてこれが踏切のタイミングに影響します。

バランス良くスキー板に乗り、誰よりも低い助走姿勢で空気抵抗を抑えスピードを出す力、風を読んでの修正力など、踏切の力を余すことなくカンテに伝えられる能力が最も高い次元で行うことができている。
152センチの小柄な身体で圧倒的な飛距離を生める沙羅ちゃんは、この足裏感覚による、加速・安定度・踏切での無駄ない飛び出し、高い精神的集中力を発揮し、この時点で勝負は既に決しています。これが男子顔負けの飛距離を生む沙羅ちゃん最大の強さの秘訣です。課題は着地のテレマークなのですが・・・。

高梨沙羅 W杯初優勝



さて、大倉山で既に141m飛んでいる沙羅ちゃんがフライングを飛ぶ日はいつでしょうか。恐怖心を乗り越えて200mを飛ぶ日が来るか?
素晴らしい男子のフライングを見ながらながら想像したいと思います。

SKI JUMPING WORLD RECORDS (1966 - 2011)

高梨沙羅が巻き起こすジャンプ革命 PART2

2013-04-07 06:10:44 | ソチオリンピック
スキージャンプはルール上長いスキー板を履ける長身選手が圧倒的有利と言われています。揚力を得るための助走のスピードは板が長い方が有利、また、沢山の面積で風を受けられるため浮力を得られるには板が長い方が有利、ということです。

かってはスキー板に規制はありませんでしたが、まず、「身長+80cm」という板のルールが導入され、その後、「スキーの前の方が長いと有利」だということから、スキーの先端からビンディングの位置が決められ、やがてルール改正の矛先はスーツにも及び、一定の通気性を持ったもの、帆のような役目を持たせるような余分な生地の部分がないよう体にフィットさせること、などが加えられました。

ルール改正は強い日本叩きのためなどと言われましたが、長野オリンピック個人金メダルの舟木選手や岡部選手はこのルール改正に翻弄された口ですね。さらに選手たちは、空中からなかなか落ちないためには低体重が有利であるとして、過度の減量をするようになり、そこへ持ってこられたのが、現在の145%の板のルールと、減量のし過ぎ防止のためのルールです。

現在のルールはこちらに詳しいです。(ジャンプ雪印メグミルク

2013世界選手権混合団体ジャンプの結果です。
高梨沙羅
1本目 90.2k 101.5m
2本目 90.3k 106.5m

サラ・ヘンドリクソン
1本目 89.9k 99m
2本目 89.9k 104.5m

竹内択(北野建設)
1本目 87.5k 100.5m
2本目 87.5k 101.5m

シュリーレンツァウアー(男子2013W杯総合優勝:W杯通算50勝最多優勝者)
1本目 87.7k 99m
2本目 87.8k 100m

当然、女子と男子ではゲートの位置が違うので助走スピードも違う訳ですが、どうですか、別格の二人のサラはそんなの関係ないと言わんばかりに男子以上の飛距離を飛んでいます。サラ・ヘンドリクソンに至っては、個人戦では106m飛んでも完璧なテレマークを入れてきます。女子と男子で約2.5kのスピード差、竹内選手は4人目の1回目、2回目とも1位です。言わずもがなシュリーレンツァウアーは、現在の第一人者です。かっての圧倒的強さを誇ったニッカネンのような力強さはないですが。

スキージャンプでは明らかに低身長は不利であると言われる中で、身長152cmの沙羅ちゃんが誰よりも飛距離を伸ばせる秘訣は、誰よりも低い安定した助走姿勢にあると考えています。私は、これを、V字革命までとは言わないまでも、高梨流助走革命と呼ぶことにしました。

続きはPART3で。