写真日記

春の風が吹いていて
桜の花びらを散らかし

雨上がりのグラウンドは
土の匂いがして
僕は球を蹴り疲れて
ゴールポストに寄りかかって座る
ツバメが低く飛んでいて
何度も僕のほうに向かって遊んでいた

やっぱり
東京よりも
田舎がいいのかもね
土の匂いがいて
鳥が飛んでいて
花が咲いている
あたりまえなのに
昨夜ウランバートルの友達に電話したら
やっぱりウランバートルよりも
田舎のほうがいいなと
言っていた
都会はやっぱり空気が悪くて
遊ぶことももう飽きて

海外に旅に出る人もいる

家族を作り家を守る人もいる

いったい僕はなにやってんだって
ゴールポストに聞いてみたけど
よくわかんねーなって
ボールを弾かれてしまったので
またシュート練習をしはじめました

楽して生きていくのもいいけど
未知の道を苦労して突き進んでいくのも
なぜだか楽しい

夕暮れ時に知らない場所で
知らない道を独りで歩いた
雨上がりの道を
なんだかとても風が気持ちよかった

ちょっとなんだかやってみっか
まあ軽い気持ちでいいかな

楽して毎日をてきとーに生きていくのは
僕の性分ではないので
毎日なんだかんだ言いながら
それでも突き進んで行って
いつの間にか辿り着いたらラッキーかな
いつの間にかどこか別の場所にいたりするかもしれないけど

世界の半分を僕の足の裏で踏み潰して

道の未知ですか？

大脱走ではスティーブンマックィーンが
逃げ切れなかったけど

だいたいあんまり

なにも期待せずに
ひたすらに道を歩いて帰る

なににみたせるということもなく
空想ばかりである

ねむろう

もしも
さくらをおもいだすだろうか
なにもみえなくなったとき

めぐりあい
花にも

偶然にも
雲台と露出計にも

海岸を歩いていると
大きい流木をみつけた

流木

昔よく友人たちと焚き火をした

アイナグランドでサッカーボールを蹴りまくり
日が暮れたら河原で
春の憂鬱にも負けず
夏の蚊にも負けず
秋の空腹にも冬の凍傷にも負けず
ただ集まって火を囲んでいた
最高に楽しくて最高に幸せな時間

オウジャノイス

覚えているだろうか
忘れるわけないけど

いまはむかしと
いまだかわらずに

波に

ひさしぶりに海の波を眺めたら
とても気分がよかった
仕事で撮影が終わって
古ぼけた静かな旅館に荷物を置いて
夕日が沈む前に急いで海岸に出たのだ

僕が波を眺めていると
むこうで子供たちが
波と遊んでいた
僕は靴を脱いで写真した
戻っていく波を海に

気持ちよく写真を撮って仕事をしたので
とても気持ちよく波を眺められたのだ
だから僕は覚悟を決めて
写真を仕事にしようと思うのです

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