写真日記

蒸し暑い夜に眠らずに
古い写真を見ては
物思いに耽る

汗が滴り落ちる

それにしても
ひどい夕方の景色だった
僕の第二グラウンドが
知らぬ間に壊されていた
錆びついたサッカーゴールも
破れた緑のネットも
懐かしすぎる水道のトイレも
なくなっていた
向こう側の森の木はだいぶ前に伐採されていたけど
家が建っていた

哀しい夕暮れに
僕は小さなカメラのファインダーを覗いて
感傷的に写真を撮った

いつも誰もいないグラウンドなのだけど
自転車のおじさんが紙飛行機を飛ばしていた
向こうの空に大きな雲があって
夕日が赤く染めていた
雷がなって
このグラウンドに落ちて
雨が土を流してしまえばいいのに

かろうじてまだ
反対側の僕の桜の木は切られていないけど
どうなるんだろうか

月曜日に川越市役所に乗り込んでみようと思う

そういえば
今朝、
市ヶ谷橋の上を歩いていたら
いつもの一本の木に張り紙が貼ってあって
この木は歩行者の通行の邪魔になるので
伐って撤去します　と
書いてあったので
かなりびっくりいたのだった
このやろーって感じ！！
誰だこのやろーって感じか
これはどこに乗り込めばいいのかしら

市ヶ谷橋の上に
可愛い木が一本生きているって素敵なのにね
ぜんぜん通行の邪魔じゃないのにね
石原都知事か宮崎駿かくらいじゃないと
一本の木も守れないのかよ

目を瞑って
空を想って
忘れてしまうのね