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未来への小さな光たち

2011年04月23日 | 今日の写真
陸前高田市から
帰ってきました

3日間
絶望と希望を
写真に収めました

未来への小さな希望の光たち

小学校の入学式

子らは笑っていました
はじめ笑っていない子もいました
気にして
ファインダーをのぞいていると
一瞬だけ笑ってくれたので
夢中でシャッターを押しました

心が熱くなってきて
涙が出そうだったので
堪えてまたまっすぐに
写真を撮り続けました

ある小学校では
校舎の一階の教室も
校庭の向こう側の体育館も
浸水してしまったというのだけど
そんなふうにみえないくらいに
片づけられていて
まだ電気はつかないけど
大切なその体育館で
子らは確かに笑っていました

先生たちは涙を堪えて話し
後ろにいた親たちは啜り泣きました

泥だらけになってしまったイスを
雨が洗い流してくれればいいのに


その校庭から向こう側

僕はなるべく心を殺して
でも目は大きくあけて
自分の足で海まで
歩いて坂を下っていきました

雨が降っていました

一瞬で
そこにあるべきすべてが


なんと書いていいかまだうまくできないけど

でも僕はそこをとにかく
歩いていきました

静かに雨が降っていました

苦しかったけど
僕は写真を撮り続けました

希望をみつけたかったけど
ここにはまだ絶望しかない
いやそれすらも意味もわからず
誰も理解できないうちに
時が経っていくのでしょうか

海まで歩くと一本の木が
立っていました
たくさんの人が集まっていて
なにやら作業をしていました

流されずに一本だけ残ったという
大きな松の木でした

そこから高台にある小学校まで
また戻って歩いていきました

田んぼだっただろうところに
海の水が溜まっていて
白い軽自動車が沈んでいました

二羽のウミネコが浮かんでいました

病院の横を通って
駅だったところを通って
商店街だっただろうところを通って

山の斜面に
押し流されてしまっただろう
家屋が逆さまに

なんとか
高台にある小学校に辿り着き
校庭の縁に座って
灰色の空をまた眺めました

桜の花が咲いていて

自分を浄化させるように
花に
シャッターをきったのかもしれない

露出補正
さすがに-2は
絶望的だったので
僕はやっぱり+1にし
それでもまだ足りなくて
希望を込めようと+2にし
それでもまだ足りなくて

空に向けて
スローシャッター

正午
東京に戻るための時間

気がついたら
3時間くらい雨に濡れながら
歩いていました

夜に
東京に戻ってきて
市ヶ谷
そのまま歩いて
靖国神社に行きました

門の前で
荷物をすべて下ろしてから
頭を下げて
祈り願い

家に帰っても
なかなか眠れなくて
だんだん喉が痛くてなってきて
やがて窓の外から雨音がしました
そのまま朝になって

東京は雨が降っています

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