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夏物バーゲンセール時期について (繊研新聞記事の私感・私見)

2006年06月26日 | アパレル放談
今日26日付の繊研新聞に夏のバーゲンセールの開催時期についての記事が掲載されていました。

「早すぎる夏物バーゲンセール」「せめて7月10日以降に」「プロパー販売期を削る」「求められる有力企業の挑戦」という見出しが目に入ってきました。

記事の中で「商業施設や百貨店側の強固な姿勢に対して、アパレル側は効果的な対応策がない状況だが一部大手ブランドや企業の今後の対応」に注目しているようです。

昔の関西での夏物処理のスケジュールは「祇園祭で社内在庫0、天神祭りでセール開始、お盆明け秋物投入」が通常でした。

私の記憶が正しければ、それが崩れてきたのは西武百貨店とその系列のパルコが早期開催を強行し、そごう百貨店が其れに追随したことが拍車をかけました。(関東地方のお盆商戦が新暦盆のスケジュールと関連していたのかも知れません)

小売側も足並みは整っておらず、賛否両論があり、当初は激しい攻防がありました。
当時の阪急百貨店は早期開催に積極的ではなく、セール開催時期の調整がアパレルの営業責任者の苦労の種でした。

当時全盛だったDCブランドがその強みを生かして別スケジュールで抵抗していた程度で、その後、阪急百貨店や他店も追随せざるを得なく、現在の状況が通常になってしまいました。(今ではその阪急百貨店も早期開催派に鞍替えしたようですが・・・・?)

現在のセールの早期開始の発端は、日本の季節感やそれまでの購買スタイルを無視した一部の百貨店の担当者ベースの戦術的(姑息)な発案(思い付き)で始まったと思えてなりません。

私もアパレル在籍の時は、このスケジュールには疑問を持ちながらも、大きなうねりに抗する事が出来ず、むしろ必要悪的として対応していました。

その一部の姑息?な手法が、その後に大きな混乱になったことが残念です。

専門店もこのルツボに飲み込まれて、もがいています。

私も現業を離れて一消費者となった今、この馬鹿げたセールの開始時期を大いに利用させていただく側になりました。

阪急百貨店の「REDページ」や他店の「社員優待セール」のDMの品定めをしています。

一方アパレル側も、社員ファミリーセールが公然と行なわれ、百貨店との共催のファミリーセールと言う不思議なイベントが通常化しているようです。



全てのタイトルには「お客さま感謝・謝恩・優待」のキャッチコピーが使われています。

小売り側もアパレル側も冷静になって、双方を総括をしながら、利口になったお客様と向かい合わなければならないと思います。

実シーズン突入前に半額セールという「お客様の感謝のクリアランス」が、逆に、お客様から小売り側やアパレル側に不信感をつのらせる事になりがちです。

セール開催時期の問題を、記事のように、談合的な手法や挑戦的に解決するのではなく、お客さま、小売り・デベロッパー、アパレルの三者の共通の問題として解決する時期に来ていると思います。

マークダウンとクリアランスセールと晩夏・初秋を上手に組み合わせをし、7月~8月の新しい販売スタイルの確立を時間をかけて双方が取組むことだと思います。


追:セールの早期化もお客にとっては季節感からすれば不思議な感がしますが、中元セールカタログの早い発送も如何なものか?!
早期割引と言う、ご親切な顧客サービスかも知れませんが、少し違和感があります。
一見お客にとっては便利なサービスですが、折角の来店機会を拒否していることになっているのかも知れません。
担当(外商?)の実績確保には、欠かすことが出来ないシステム(サービス?)でしょうが、結果的に百貨店への来店の絶好のチャンスを逃している(拒んでいる)と思えてなりません。

最近我家の中元歳暮は百貨店で無く、たまたま見つけた美味しい食材や気に入ったお酒、お菓子等をお送りすることが多くなりました。

このままでいくと、百貨店の中元や歳暮は、個人は減少し、企業用が主になり、何年後かの流通の業界紙に、これに関する中元・歳暮の記事が掲載されているかも知れません。












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