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大阪ライフスタイルコレクション(O・MIGOTO)のキックオフ・パーティ雑感

2006年02月05日 | アパレル放談
昨夜(2月4日)大阪市内のホテルで大阪ライフスタイルコレクション(O・MIGOTO=お・みごと)のキックオフパーティーが開かれた。私はこの催しには直接関係していないが、このイベントをプロデュースしている神戸の㈱ドリームアンドモア杉本悟社長からの招待状が届いたので、興味もあり出席した。

18回続いた大阪コレクションを発展的に解消し、大阪ライフスタイルコレクションとして、新しく衣替えしたものだ。

大阪コレクションは行政・業界団体と先月に他界された太洋工業会長の能村龍太郎氏のごご尽力により、コシノヒロコ、和泉道子、細川雲雪らの大阪のクチュールの重鎮デザイナーが中心になり、若手デザイナーの育成を目指したコレクションショーを毎年開催していた。18回で初期の目的を達成し(?)発展的に幕を閉じた。

18回も長く継続できたのは、故能村龍太郎氏の「大阪のデザイナー、クリエイターの育成に対する深く、熱い思い」がコシノヒロコ、和泉道子、細川雲雪ら多くの先生達を動かしたものと推察する。継続の苦労は大変だったと推察します。

この大阪コレクションを土台にして、ライフスタイルファッションまで幅を広げて生まれ変わった。サブタイトルも「O・MIGOTO=お・みごと」と大阪の物造りの強みを生かし、若手の才能あるクリエーターに活躍の機会を開こうというもののようだ。ファッションショー・合同展示会・フォーラム・街角のパフォーマンス・飲食店のイベント等々、多岐にわたり2週間開催されるとのことです。

パーティーの参加者は会の性質上、企業のオーナー、行政関係、モデル、担当社員、デザイナー、業界人、マスコミなど多岐にわたった。業種もアパレルだけでなくライフスタイル産業全般と幅が広かった。ドレスコードが無かったので、スーツ姿からビンテージジーンズまでいろいろだった。
年齢も我々のような年配者から若手と開きがあった。

これだけの業種の広がりとジェネレーションギャップを纏め上げるには大変なパワーが必要と感じた。

今回のイベントは、杉本悟社長のプロデュース力に頼った企画のように感じたが、大阪で初めての挑戦で期待したい。

私にとって今回のパーティーは昔御世話になった先輩や後輩と久しく再会が出来て会の主旨とは別に楽しかった。(失礼)

大阪の有力アパレルの社長や業界紙、デザイナー、現業から勇退された先輩や現業の後輩などの方々にお会いすることが出来た。
皆さん方はお元気で、私も刺激になった。

パーティーの参加者は、大きく分けて我々世代のオールドと若手のニューに二分されていた。
大阪ライフスタイルコレクション(O/MIGOTO)の開催主旨は、大阪のライフスタイルビジネスをニューに産まれ変わらすことであり、我々オールドの世代がこれを上手くサポートすることが重要と思った。
彼らと上手にコラボレーションをすることも重要と感じた。

東京コレクションも新しく再展開(チャレンジ)しているようだが、官の匂いが強く感じられる。

東京コレクションと対比した見方をすれば、大阪の「O・MIGOTO」の成功のポイントは、大阪の得意とする物造りと情報(ファッション)とを組み合わせることに有ると思う。
私が20年前に業界組合の手伝いをしていた時に、「大阪は東京と対峙したIdentityを持つべきだ。東京がファッションのパリとするならば、ミラノになるべきだ。
物造りだけでは、イタリアのフレンツェになってしまう。」と提唱した記憶が有る。
(フィレンツェは昔はイタリアファッション=物造りの中心地だったがその後衰退した)
今や大阪はフィレンツェになってしまった感がする。

Made in Osakaを強く打ち出したコンセプトで、大阪のIdentityを強く意識していると思う。その意味でオールド(ベテラン)の物造りとニュー(若者)の情報、感性(ファッション)との融合がこのイベントで出来れば成功したことになる。
昨夜のキックオフパーティーが盛り上がりの場となればよかったと思うが、
その点では、まだ参加者の戸惑いがあったような気がした。

大阪ライフスタイルコレクション(O・MIGOTO=お・みごと)が「見事!」に成功することを期待します。

2週間にわたり多彩な催しが予定されているようです。集客盛り上がりを主催者としては心配なことだろう。関西のファッションライフに関わる者が少しでもこのイベントに興味を持ち、何らかのカカワリを持ち盛り上げることが第一歩と思います。

長く大阪コレクションに尽力された能村龍太郎氏が、これを見届けられずに、他界されたことは残念なことだ。
ご冥福をお祈りします。

㈱ドリームアンドモアの杉本悟社長へ!
大変だと思いますが、成功に向けて、頑張ってください。
少し奇想天外な発想ですが、これを機会に大阪と神戸とのコラボレーションのジョイントをプロヂュースしたらどうですか?
杉本社長は神戸商工会議所のイベントプロデューサーも行っておられ、仲人に適任ですね。
行政や業界団体では面子やイニシァティブの問題で総論賛成、各論反対が繰り返してきました。
東京に比べて、ファッション産業の地盤沈下は大阪も神戸も同じ悩みですね。
戦略的提携で関西(阪神)のコラボも効果あるかもしれません?
互いの強みを上手く絡みあわせばと思います。
(どちらにしても、面子や各論反対、エゴはついてまわりますが・・・)

貴社がやっている「ドラフト」や高田恵太郎氏の「神戸コレクション」と「大阪ライフスタイルコレクション」の連動など、。バラバラではいつまでたっても、地盤沈下は止まらないのでは?

行政や金のことは良く解らないけど、民間主導の連動は可能かも?

オリックスバッファローズ(大阪・神戸)も清原・中村を迎えて話題になりそう。
(中村監督が心配だが?)

貴方の粘着力を発揮して、何かいい方法考えたら?



ヨーカ堂新ブランドと藤巻幸夫氏のこと

2006年02月03日 | アパレル放談
ファーストリテーリングとダイエーの新ブランドや
ランズエンドのことをブログしていたら、
2月1日の朝日新聞にイトーヨーカ堂のPBの記事が出ていた。

関連する話題なので、消費者としての意見と業界人としてのコメントを書きます。

「大手百貨店・伊勢丹出身の藤巻幸夫氏が進めてきた改革の第1弾」と写真つきの記事が掲載されていた。

氏を伊勢丹出身と称するのが適切か、キタムラ、福助、「藤巻兄弟の大人塾」の共同作家としての文化人なのか?
取り合えずアグレッシブだ。

私が藤巻氏にお会いしたのは18年位前に、氏がバーニーズジャパンに出向され、新宿店の開店準備の時期だった。

数度商談をした程度の関係で、氏を余り深く存じないが、お会いした時は、解放区がブレークする前の時で、謙虚で、礼儀正しく好感を持った。

私が丁度アメリカから帰った頃で、ニューヨークのバーニーズのこと、
アメリカMDのこと、提携先=バーニーズスタッフとの仕事の進め方など商売の話しはそこそこに、話しが弾んだのを、懐かしく思い出される。

その後、伊勢丹新宿店に移動後、解放区で話題になり、「敏腕」・カリスマバイヤーと話題になり、キタムラを経て、福助でお兄さんの藤巻健史氏のもとで、カリスマから神様になり、敏腕バイヤーから「豪腕」社長となられた。
マスコミの寵児となられた。

今度はイトーヨーカ堂での鈴木社長のカリスマ社長の下で改革者として、プロデューサーとして、「辣腕」を発揮されるのか興味を持っていたら、先日の朝日新聞の、新ブランド紹介が目を引いた。
ご成功をお祈りします。

新ブランドはファミリー向けの「PBI」と
50歳代向けの「EPOM]の2部ランド展開と記されていた。

価格ラインは維持し、デザイン、流行色を素早く取り入れると、新聞に書かれていた。

朝日新聞朝刊に、藤巻氏自らが、商品を手にし商品説明をしている、カラー写真つきの報道だった。

その写真の記事しか情報をもっていないので詳しくわからないが、
この報道を元に勝手な想像だが、昔から氏が着ておられるスタイルは、プレッピー(この言葉今でも使うのかな?)だったように記憶している。

「好きこそ物の上手なり」の諺があるように、ただ入れ込みすぎるのも良し悪しだが、自分の好みのラインは気持ちも入るし、良いのかも知れない。


ユニクロ・ダイエーとヨーカ堂の新ブランドと平場の改革が始まった。
どちらも平場の改革でカジュアル(単品)・ノーエイジ・最適品質・最適感度・最適価格
最適空間・最適ビジュアル・最適サービスを意識したものになると思う。
それに最適プロモーションが加われば完璧だ。
何れもスペースと資金、生産、システム等のオペレーション力が無いといけない。
何れもGMSに潜在的に備わっている筈のものだ。
柳井社長と藤巻氏がそのポテンシャルを引き出すことは可能だ。

消費者として歓迎するし、考えようによっては、平場の納入業者側にとっても、平場の劣悪な条件での取引から開放される意味で良い事かも知れない。

2社のGMSが平場の改革に一つの方向性を見出した。
手法は違うが方向性は類似している。

どちらも、今までGMSに足が向いていなかったお客を引っ張ることが出来るだろう。

残るイオンがどのように着手するのか興味が深まった。

かって各GMSが「無印良品」のコピーブランドのような売場が
乱立したことがあるが、その二の舞にならないように、イオンの主張あるブランド開発を期待する。

追:老婆心(オセッカイ)と言われそうだが、
  朝日の記事で、気になることに気が付いたので書き加えます。  

1)対象顧客を50歳代としているが、カジュアル(単品)商品に
  対象年代を限定する必要があるのか疑問だ。
  本来ノーエイジ(ノンセックス)に近いと思うのだが?

2)新聞の写真に写っている藤巻氏の眼光は相変わらず鋭かった。
  新ブランドに掛ける意気込みが伺えるが、
  それに引き換え、聞いているスタッフの目が沈んでいた。
  写真なのでそう感じたのかも知れぬが
  (私の思い過ごしかもしれないが)、
  私が会った頃の藤巻氏の目は、爽やかに輝いていた。
  スタッフのさめた目が少し気になる。



ランズエンドのこと

2006年02月02日 | アパレル放談
冒頭に、今日のブログは悪意の中傷では無く、10年来の顧客の善意の苦言とご理解願いたい。
私がランズエンドのファンになったのは、前回のブログに書いたように、最初に見たカタログの巻頭の古びた本社ビルの写真とそのコピーだった。

顧客満足を第一と考えて、外面的な部分に経費を掛けない企業理念が記されていた。

ファンになったのは理念だけでなく、商品そのものだったのは言うまでも無い。

特にポリエステル混のテーラードツイルパンツは優れものだった。
シワにならずONにも、長期出張にも、CITY CASUAL?にも重宝して、毎シーズン色を楽しんで購入していた。

ところがこのお気に入りパンツが、私のランズエンド離れを引き起こす結果となった。

最近機能素材ブームでナノテク素材が多く販売されている。

ランズエンドもテーラードパンツがナノテクのイージーケアーテーラードパンツに企画が集中した。

本当はポリ混のテーラードパンツを望んでいたが、廃番とのことで、ナノテクのパンツをしぶしぶ購入した。

暫くして裾の折り返し部分に擦り切れが出た。
代替商品を購入しても同じ現象が起きた。
その後、PU混のパンツも購入したが同じこと。

手紙やホームページを通して状況説明と原因調査と依頼したが、通り一遍の回答。
(調査します。善処します。アメリカ本社が企画してるので難しい=国会答弁のよう)
挙句の果てに、「楽替え制度を利用して交換してください」との回答。
当方は返品を希望しているのではなく、再発防止の調査を提案しているのに、腹立たしく感じた。

業界紙は、外資系企業の敏腕女性の林恵子社長が就任によって、日本ランズエンドの業績が大きく回復したと特集していました。
永年の顧客の私は少し違った見方をしています。

「日本サイズ企画」、「楽替え」、「翌着」、「返品自由」などのキャンペーンは一見こきゃく満足と勘違いしがちだが、詳しく実証したわけではないが、広告宣伝費と比較するとそのようなサービス?のほうがコスト的安いという計算も成り立つ。

昔に花王のクレーム対応の社内取り組みを見学したが、完璧な全社の取組みのシステムは驚くものが有った。
「花王」の積極的な顧客満足に対する企業姿勢が今日の好業績に現れているように感じます。
消費者の品質クレームだけでなく、不満足をクレームと位置付け、商品企画や改善に生かしていく花王の企業姿勢に感銘した。
それに引き換え、永年の顧客の提案を楽替えの返品サービスを利用して返品してくださいとの回答には恐れ入った(幻滅した)

若し時間が有れば花王とランズエンドのホームページを比較されたらいいと思う。
ホームページでお客様相談の入り口に入り易さでその企業の顧客満足の姿勢がわかる。

ランズエンドが真摯に原因追求をしているのか心配だ。ちなみに最近送られてきた最新カタログにも、人気パンツとのコピーでナノテクが掲載されている。
我々は牛肉や牛乳でなく、人命に関わる商品で無いだけに、神経質になる必要が無いかもしれない。私の悪女の深情けといったところか?

(ランズエンドのホームページのお客様の声の欄には喜びのメッセージで溢れていた。
3枚のパンツが同じ事故が起こったのは、私一人だけに稀有のことが起こったに過ぎないと諦めたほうがいいのかも知れない)

ナノテク加工と劣化を勝手に因果つけてこのブログを書いています。
このブログをお読みの方で、テキスタイル加工に詳しい方がおられましたら、後加工と劣化の関係に付いて御指摘ご指導いただければ幸いです。
コメントください。