創作日記&作品集

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🤣連載小説「Q」第二部8

2020-06-06 07:02:19 | 小説
連載小説「Q」第二部8
その日、企画室のモニターが阿波踊りに占領された。
光一は、直感的にQが分かった。
ピンクの着物を着た女だ。
一人だけ足袋を履いていない。
――阿波の阿の字は、阿呆の阿の字
いつの間にか企画室全員が踊っていた。
光一は踊らなかった
光一は地下一階の守衛室に降りて行った。
守衛室には駐車場のパネルが表示されている。
動いている赤い点は移動中の車だ。
運転手は乗っていない。
それは定められた方法で定められた場所に納められる。
元企画室長の鈴木さんは、一日この部屋でパネルを見ている。
目で赤い点を追いかけ、無事停車すると、一仕事終えたように安堵の息をする。
 ――それは定められたことなのに。
パネルに赤い点はなくなった。
光一に初めて気づいたように、体を反転させた。
連載小説「Q」第一部をまとめました。