私が愛読している文芸評論家・山崎行太郎の政治ブログ「毒蛇山荘日記」に 『立花隆の犯罪を告発せよ。』と題して小沢氏の政治と金問題について冒頭次のような文章ではじめている。
””世間では、田中角栄を潰したのは立花隆の『田中角栄研究』(文藝春秋,1974)だということになっているらしいが、実際は田中角栄を潰したのはアメリカであり、意識的か無意識的かは別として、結果的にそのアメリカの手先として華々しく立ち回ったのが立花隆であった、ということは事情通の間では、今や常識であろうが、したがって今回の「小沢事件」でも、早速、立花隆が、小沢批判の急先鋒として登場してきたのもその前歴からして必然的だろうと思うのだが、しかし、おそらく今回の「小沢事件」では、田中角栄の時ほど上手くは行かないだろう。むしろ、この「小沢事件」での立花隆の振る舞いによって、立花隆は、反国家的ジャーナリストとしての本質を露呈することになり、結果的に立花隆の「思想犯罪」は暴露されることになるだろう。””
そもそも、政権与党にあったわけでもない政治家を、「政治と金」問題で犯罪に仕立て上げること自体が理屈にあわない。「政治と金」は企業もしくは何らかの利害関係者が政治を司る者に「金品の類を贈って」、何らかのお願い(請託)してその見返りを受けるところに犯罪が発生する。
立花隆氏ともあろう人が、『田中角栄研究』と同様な二匹目のドジョウ的発想で、小沢氏の「政治と金」を睨んでいたとすれば、お粗末の限りというしかない。
小沢氏の秘書らの逮捕容疑にしても、「政治資金規正法の虚偽記載」というが、何をどのように虚偽の記載をしたのか、政権与党にあったわけでもないのに何故に「虚偽記載」しなければならなかったのか、まことにわかりにくい。これまで政権与党にあった自民議員の場合でさえ、虚偽記載は微罪として扱われ逮捕されたという話は聞いたことがない。
今回の「真実を求める会」の告発にしても、『秘書らの政治資金規正法違反容疑(虚偽記載)』の共犯者にあたるとして小沢氏を東京地検に告発したということらしいが、いかにも取ってつけたような告発である。
マスコミ(大手新聞およびTV局)は総じて小沢氏を非難する側に立ち、一方ブログを中心としたグループは、検察を非難する側に立っているものが多い。
立花隆氏が『田中角栄研究』を発表した頃と時代背景も異なり、一般の人たちがインターネットを通じて容易に詳しい情報を入手することが可能な時代である。立花隆氏がいくらその道の権威者?であるといえども、彼の「金権政治家」批判は、それなりの根拠と合理的な筋書きがない限り一般の人を納得させることはできない。気の毒ながら彼も、もうお終いのような気がする。
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