依水園に寄贈された経緯が描かれています
”曲水の宴” 明治40年丸平大木人形製
80年間一度も出されずに仕舞込んだままになったものが、依水園に寄贈された物が公開に至っています
三方持ち官女 白木の三方を持つ官女、三方の上には金の盃が載っており
此の盃に長柄銚子から酒を注ぐという趣向です
左・ 衣冠の殿上人 水色の上着を着用した衣冠姿の男性は、六位以下の身分で、手には中啓という半開きになった扇を持っています
縹袍は本来、生地に地紋が無いのが決まりですが、この人形は文様を織り出し高級感を演出しています
右・ 白い上着の直衣は、中納言以上の公卿でなければ着用が許されません
この人形では、その生地に小葵文を織りだしており、直衣の中でも最高級の、天皇がお召しになる直衣の表現となっています
小袿の姫 小直衣の貴公子のそばに立つ美しい姫は、高貴な小葵文を色鮮やかに織りだした
小袿を着用しています、手には五色の糸を下げた檜扇を持っており
おそらく雛飾りの主役である女雛を意図したものと思はれます
小直衣の親王 小直衣は、狩衣に似ていますが、ごく高位の男性しか許されない特別な装束です
この人形は、菊紋を織り出した小直衣を召す貴公子として親王を表現し
雛飾りの主役である男雛にあてたものと思はれます「
琵琶を弾く男性は、宮廷装束としては比較的略装である”狩衣”を着用し
烏帽子を被っています、狩衣に織りだされた桜文様が春らしさを演出しています
歌詠み姫 色紙を手に歌を詠む姫は、亀甲池に向かい松竹梅の菱文を織り出した鮮やかな小袿姿です
この姫だけが頭部にサイシ釞小と呼ばれる髪飾りを着用していますので
ここに集う女性の中で最も高位で有ることを表現しているのかもしれません
楽太鼓打ち官女 雅楽で用いる実物を彷沸とされる、見事な細工の楽太鼓を打つ官女は
ふくよかでユーモラスな”お多福”に仕立てられています