今回は、先月発売された集英社新書『台湾 したたかな隣人』(酒井亨著)の書評をお届けしたいと思う。書評というものはなかなかの難物で、著者の意図を歪曲せず、なおかつ対象に興味を持ってもらえるようにせねば用をなさないのだが、少しでもそうなることを願いつつチャレンジしてみる。
本書は、台湾在住のフリージャーナリストの手による、台湾社会の変化と発展を社会運動・民衆運動という縦糸を軸に描いた克明な観察記で . . . 本文を読む
NHKは業務内容を大幅に縮小し、海外に向けて「日本の声」を発信する機能に特化すべきだろうというのが、私のかねてよりの持論である。海外向けだけやれとまで極論するわけではないが、国が関わるとすればそういう国策としての放送の役割に着目すべきである。もちろん、政府の声を流す「プロパガンダ機関」に成り下がってもらっては困るが、対外情報戦略拠点としての価値は軽視すべきではない。日本の価値観や世界観を積極的に . . . 本文を読む
このたびの偽堀江メール騒動では、うんざりさせられることばかりだったが、今日は少し気分が違う。今日のTVニュースで、国会の議場で、騒動の元凶である永田議員が武部幹事長のもとへ行って直接謝罪している様子が放映されていた。なんでも、武部幹事長への正式の謝罪を行いたいということと二男への謝罪を仲介してくれるように頼んだそうだ。その時の、武部氏の様子が非常に丁寧で、何度も頭を下げており、どちらが謝罪してい . . . 本文を読む
台湾の陳水扁総統は二十七日、国家統一綱領と国家統一委員会の運用を停止すると発表した。「停止」との言葉を用いているものの実態は廃止である。さて、国家統一綱領は、一般には中台統一を長期目標とする台湾側の基本指針と位置づけられるものであり、1991年、李登輝・国民党政権が策定したものである。中台を対等な政治実体として、「交流」や「敵対状態終結」など、統一に向けた段階的道筋を明記している。しかし、200 . . . 本文を読む