猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

ラムズフェルド米国防長官訪中

2005-10-21 23:35:59 | 日中関係・米中関係
 米国のラムズフェルド国防長官は、中国を訪問し、中国のミサイル戦力を中心とする軍事力増強に強い懸念を表明するとともに、中国の軍事力に関する透明性の向上を重ねて求めた。これで、米国の対中戦略が一層明らかになった。冷戦下では、米ソが互いに軍事力に関する透明性を保ちながら、相互に核で抑止し合った。もちろん、中国はソ連のような世界超大国ではないが、地域大国と認め冷戦下におけるのと同様の戦略をもってこれを封じ込めるということである。米国では、最近「中国の軍拡の戦略的意図が不明である」という専門家や政府関係者のコメントが増えている。その真意は、中国の軍拡は地域の重大な不安定要因であり、もはや看過し得ないというメッセージであろう。今回の国防長官訪中は、そのスタンスを米国政府として明確化したという意義がある。以上のような安全保障環境を考えると、昨日の党首討論における「中国による日米の離間を許してはならない」という前原代表の指摘は、極めて適切かつ時宜を得たものである。ましてや、普天間飛行場移設問題をめぐって瑣末なことで日米同盟の信頼を損ねるなど、愚策以外の何物でもない。

(参考記事)
[米国防長官が北京で演説、ミサイル強化に懸念表明]
 【北京=末続哲也】新華社電などによると、ラムズフェルド米国防長官は20日、北京の中国軍研究機関「軍事科学院」で演説し、中国が米国も射程内に入れた戦略核ミサイル戦力を「拡充している」と強調、懸念を表明した。
 さらに「関係国は中国の意図に疑問を抱いている」とし、ミサイル戦力を強化する狙いを明確に説明するよう求めた。
 米国防総省は7月に発表した中国の軍事力に関する年次報告の中で、中国が米国などに届く長距離弾道ミサイルを改良し、台湾との紛争に必要な戦力以上の能力を得ようとしているとして警戒感を示していた。
 長官はこの日で3日間の初訪中日程を終えたが、終始、中国軍の透明性向上を求め続けた形だ。
 20日の同長官の演説に対し、中国外務省の孔泉報道局長は同日の定例会見で、「中国が正当な防衛力を強化するのは完全に正しく、疑問や懸念の余地はない」と反論。長官訪中については、「双方が全面的に意見交換できて、成功だった」と総括した。
 中国側は19日にも、長官が戦略核ミサイルを扱う第2砲兵部隊司令部を訪れた際、靖志遠・同部隊司令官が、中国の「核の先制不使用方針」を強調し、米側の懸念の払しょくに努めた。
(読売新聞) - 10月20日22時34分更新


もしよろしければ、Blog●Rankingに投票お願いいたします。

最新の画像もっと見る