さる18日に、オーストラリアのシドニー郊外にあるオーストラリア海軍基地で、麻生外務大臣、ライス米国務長官、ダウナー豪外相による初の日米豪閣僚級戦略対話が行われた。こういう対話が今まで行われなかったことの方が、驚くべきことである。この対話の持つ意義は、アジア太平洋地域の平和と安定のために日米豪を中核とする環太平洋の民主国家群による連携を密にしていく方向性が明確になった点である。参加国は、もちろん我 . . . 本文を読む
地元との調整が難航している普天間飛行場の名護市沿岸部への移設案に関して、政府側から滑走路の方向を変更することなどにより地元の理解を得るという打開策が示されているようだ。図は従来案の滑走路の方向と飛行経路の関係と、政府が提示したとされる修正案のそれを比較した琉球新報の図である。修正の結果、直近の集落の民家の真上を通る最悪のコースは回避されそうだ。私は12日に書いた『普天間移設、国と地元で安全・振興 . . . 本文を読む
12日に行われた山口県岩国市の住民投票で、米空母艦載機の岩国基地移転反対が約9割の多数を占めた。そもそも、そんな住民投票を実施したこと自体が誤りである。市町村合併に伴って間もなく失職する現市長が、新岩国市長選の選挙運動として住民投票を私物化したのではないかという批判もあながち見当はずれとも思われない。自民党内から「安全保障や防衛をどうするかを住民投票にかけるのは適当でない」と批判が出たのも当然で . . . 本文を読む
在日米軍再編の動きのうち、神奈川県の相模原市関連で大きな動きがあったのでお伝えする。7日からハワイで開かれている日米外交・防衛当局の審議官級協議で、神奈川県の米軍相模総合補給廠(しょう)(相模原市、約214ヘクタール)とキャンプ座間(座間市、相模原市。約235ヘクタール)を一部返還するということで大筋合意したようである。相模総合補給廠のうち約15ヘクタールが返還されることにより、地元が要望してい . . . 本文を読む
米海兵隊の普天間飛行場移設問題に関して。私は、なぜ日本政府が、地元の反対も相対的には小さかった、米国が主張した浅瀬埋め立て案ではなくてキャンプ・シュワブ沿岸部移設案にこだわったのか今もって理解できない。名護市沖にはジュゴンが生息しているため環境団体の反対が大きく、それを排除して建設することは困難である、などと説明していたが到底納得できるものではない。また、1996年に橋本・クリントン合意により普 . . . 本文を読む
在日米軍基地再編の行方を占うともいえる存在が名護市である。普天間飛行場を名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部に移設するという案は、96年の橋本・クリントン合意で一旦は決まった後に進展が止まってしまった辺野古沖埋め立て案に代わる具体策であり、在日米軍基地再編の目玉である以前に10年来の懸案への回答でもある。そういうわけで、今回の名護市長選挙には大いに注目していた。結果は、在日米軍再編で日米両政府が合意 . . . 本文を読む
我が国(あるいは同盟国)に向けて発射された弾道ミサイルをレーダーで捕捉して、着弾する以前にPAC3などの対空ミサイルで迎撃する究極の「専守防衛」構想が、米国と共同開発中のミサイル防衛(MD)構想である。海上自衛隊が保有するイージス艦搭載のイージスレーダーはとりわけ優れた性能を持っている。一方、米国は早期警戒衛星、移動式早期警戒レーダー、イージス艦などを有しており、圧倒的な情報力を誇る。
しかし . . . 本文を読む
1月7日に書いた【「米政権『靖国』に懸念 アジア戦略『日本に見直し要求』」という記事】というエントリーの続編である。その中で、米国の国家安全保障会議(NSC)前・アジア上級部長であるマイケル・グリーン氏が、最近の日中関係について日本に苦言を呈したかのような報道がなされているが、真意を曲解しているのではないかと指摘しておいた。その補足をしておこうというのが本エントリーの趣旨である。
グリーン氏は . . . 本文を読む
自衛隊のイラク派遣の第一の理由は日米同盟の信頼強化であり、第二の理由は復興したイラクと良好な関係を築くこと、第三の理由はそれにより国際社会における日本の存在感を増大させることである。イラクが我が国自衛隊の駐留継続を要請していることは先日述べたとおりである。これに加えて、米国も陸上自衛隊の駐留継続を求めているようだ。さて、ここで日本は対米追随でないことをアピールするために早期に撤退すべきか。私は、 . . . 本文を読む
昨日のエントリーで指摘したように、アメリカのブッシュ大統領は「自由と民主主義の拡大」をアジアでも推進していくという戦略を鮮明にした。その意義は、対中国・北朝鮮といった独裁国家を自由と民主主義という価値でもって封じ込めるということである。以下に参考記事としてあげたものは、手ごろにまとまっているけれども、毎日新聞の記事なので、「(ブッシュ大統領は)善悪論も展開した」とネオコン批判の決まり文句を言った . . . 本文を読む
15日に来日した米国のブッシュ大統領と小泉首相が京都で日米首脳会談を行なっているが、これは歴史的意義を持つものだと評価されるのではないかと思う。今回の首脳会談だけというよりも、ブッシュ大統領と小泉首相が緊密に連携して日米同盟を発展させた、両者の就任以来の一連の動き全体が歴史に残る出来事であるといってよい。
冷戦後の日米同盟の再定義は、当然必要だったにも関わらず、はかばかしくは進捗してこなかった . . . 本文を読む
在日米軍を含む米軍再編の意義については、これまでにも何度も指摘してきた。7日に海兵隊のハギー司令官が在沖縄海兵隊の約4割をグアムに移転することの狙いについて、講演で分かりやすく述べているのでご紹介する。ポイントはおよそ次の通りである。
・テロの多発する『不安定の弧』のうち特にイスラム原理主義組織がはびこる東南アジア地域への備えを確保する。
・朝鮮半島や台湾海峡を含む北東アジアの抑止力を維持する。 . . . 本文を読む
普天間移設問題が一応の決着を見たことに伴い、在日米軍再編協議全体が一気に進展した。詳細は、下記の報道記事を参照されたい。
中間報告に盛り込まれる今回の合意のポイントは、次の通りである。
・沖縄の基地統合、一部機能の本土移転
・在沖海兵隊員の大幅削減
・自衛隊との司令部「同居」による日米両軍共同行動の促進
・海外での共同訓練を増やすこと
・横田における管制権の空自への移管を検討
中でも重要な . . . 本文を読む
懸案の普天間飛行場移設問題は、意外にも米国側がキャンプシュワブの一部とその沿岸埋め立てという日本案に全面的に譲歩する形で決着した。ただし、米側の意向を受けて海を埋め立てる面積を増やしたようだ。決裂という最悪の事態を避けることが出来たのは、正直言って一安心である。
しかし、普天間返還と代替基地の辺野古沖建設はセットだということで沖縄に説明してきた経緯がある。米側の当初の提案はその案をベースに縮小 . . . 本文を読む
連日取り上げている、普天間飛行場移設問題の最新情報。審議官級協議が合意に向けて多少進展している模様である。今回はコメント抜きで記事だけ紹介しておきます。
(参照記事1)
[普天間移設「合意近づいている」 細田長官 審議官級協議に期待]
細田博之官房長官は二十五日午前の記者会見で、焦点となっている米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について「(日米間で)若干の違いはあるが、かなり(合意に . . . 本文を読む