法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

Coffee Break:過去を捨て去る。自分を刺激する!

2023-04-23 17:39:40 | 営業コラム
ちょっと地味なビル管理業A社の社長、朝から営業に檄を飛ばす。

「お前らバカか」「安く売るのは誰でもできる」「しっかり利益を取れ」

その日の午後、大手企業からの見積依頼に対し、

「赤字覚悟で取りに行け」

との発言。

ダブルスタンダードではありませんか。

この大手企業が、将来大きなリターンが見込まれる戦略的に重要な顧客なのであれば、赤字覚悟でもよいかもしれません。

しかし、同じサービスや製品を将来に亘って提供する場合、値上げはなかなか困難です。

営業の皆様は、身に染みて分かっていることと思います。

何か妙案はあるのでしょうか。

このビル管理サービスは、一旦契約すると1~5年同じサービスを提供します。

A社は過去10年くらい同じ手法で業績を伸ばしてきました。安く受注して利益を出す!

何故でしょう。

この社長の会社は、人件費がコストの大半を占めるサービス業です。

デフレで人件費が下がる、不景気なので低い給与でも採用できる、そういう環境にあったからです。

しかし、このところは旨くいきません。

最低賃金も上がり、都市部を中心に給与も上がってきています。

また、人手不足で地味なサービス業には応募も少なくなっています。

どうすればよいのでしょうか。

そうです。過去の成功体験から抜け出し、経営環境を受け入れ、社長の経営の仕方を変える必要があるのです。

「精神に組み込まれた足場のように、思考はパターンを構成します。実際、化学的なパターンが刻み込まれてゆくのです。ほとんどの人は、レコードの溝のようにこのパターンにとらわれてしまい、そこから出られなくなってしまいます」アップルの創業者の一人、ご存知スティーブ・ジョブスの言葉です。(講談社『スティーブ・ジョブス』)

A社の社長も一つの思考パターンから抜け出せなくなっています。成功を収めたパターンならなおさらです。

この社長への処方箋は、

・自分を客観的にみつめて、思考パターンが固定化していることに気付かせる。

・今まで蓄積したことからだけでは新たな思考パターンを創造することは困難であることを知らせる。

・自分への刺激を加えるために、違う業界人との交流、学際活動などを行なわせ、新たな発想を磨かせる。

などです。

実際、この社長は、自己主張が強く自慢話が多いため、徐々に一緒に飲みに行く友人もいなくなり、いまでは社内の人間を無理やりに引っ張り出して飲みに行っていたのでした。本人が気づかないうちに、社会的にもどんどん小さな殻に閉じこもってしまっているのです。

「僕はまだ学んでいる段階、ブートキャンプでしごかれている段階だということです。アーティストとして、創造的な人生を送りたいと思うなら、あまり過去を振り返るのはよくありません。自分がしてきたこと、自分という人間をそのまま受け入れ、それを捨て去らなければならないのです」とスティーブ・ジョブズは語っています。(講談社『スティーブ・ジョブス』)

過去を振り返らず、自分へ意図的に刺激を与えることが大切と私は思います。

営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>


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