法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

Coffee Break:インターネット時代の営業、競争相手は顧客

2023-06-11 09:49:34 | 営業コラム
顧客がソリューションを探すとき、その道の専門家であるはずのサプライヤーにアドバイスを求めます。求められたサプライヤーの営業は、早い段階から顧客の課題解決に貢献することで優位に商談を進めることができます。すなわち、知識・経験の乏しい顧客に最初に情報を与える存在になることが重要なのです。

はたして今もそうでしょうか。

先日、私自身、顧問先からUPS(無停電電源装置)の選定・購入を頼まれました。UPSの基礎知識はありましたが、自分で購入するのは初めてでした。どうすれば適切な仕様の機種が選べるか、それは、あるメーカーのWebページに出ていました。そこには機種選定に必要な情報は何か、しっかり書かれていました。それらの情報を調査し、入力することにより、購入すべきUPSの容量(kVA)、UPSのタイプ、当該メーカーでの具体的なモデルが決まりました。

当該サプライヤーの機種の仕様をもとに、他のサプライヤーのWebページを調べて、類似の機種を選び、複数のサプライヤーのWebページから一斉に見積り依頼をかけ、見積りを入手し、仕様と価格の比較表を作成しました。

これらの情報の他にサービスサポート体制、ネット上での評判などを調査・評価し、3社に絞り込んで、営業に電話しました。結果、購入に当たって的確なアドバイスをくれたサプライヤーに発注することにしました。

これは私が経験したコンプレックスセールスではない簡単な案件事例ですが、今日、かなり複雑な課題や問題でも顧客は豊富な情報を持っています。

顧客がサプライヤーに問い合わせる時点ですでに、解決すべき問題が整理され、利用可能なソリューションや妥当な価格範囲を顧客自身が認識しています。

インターネット時代の営業は、豊富な情報を持つ顧客の課題・問題に関して、卓越した洞察力で、顧客に挑戦し、画期的なソリューションを提案するような、独創的で適応力のある営業にならなければありません。今や、営業の敵は、競合会社の営業ではなく、顧客の情報収集能力や学習能力です。これらの顧客の能力と競争するためには、教える能力、すなわち顧客以上の見識を持ち、顧客が見落としていた新たな重要情報を提示できる能力が求められます。

先ほどのUPSの事例では、3社中1社の営業が、私が検討していなかったUPSを組み込む先のラックの仕様について貴重なアドバイスをくれました。あやうく大失敗するところでした。もちろんそちらに発注しました。見積金額はもっとも高額でしたが。

他の2社はどうであったか?Webページに出ている本社の営業に電話すると「代理店に電話して」との冷たい対応、営業窓口とは思えない対応でした。Webページには10社以上の代理店があり、どこも私の顧問先とは取引関係なし。都内の代理店に電話してみましたが、「見積書を作るだけ」で技術的な質問には答えられないとのこと。

どちらも日本を代表する電気メーカーだっただけに残念。

Web Siteを作っておけば大丈夫と思っているのでは。これでは大企業といえどもいずれ衰退しますね。



営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>

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