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法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

Coffee Break : “Be Creative” 「もっとクリエイティブに」

2023-05-07 00:50:41 | 営業コラム
ゴールデンウィークも間もなく終了。

休み中も頭の片隅に営業案件がときどき浮かんだのではないでしょうか。

「ときどき」ではなく「ずーっと」の方もいたことでしょう。

会社により会計年度は異なりますが、6月末の四半期の締めまでに案件をクローズするには、5月中に価格交渉を終わらせたいところですね。

すでに価格交渉に入っているのならクローズできる可能性は大いにありますね。

価格低減の要求に関しては、以前書いた以下の記事を参考にしてください。

***** 価格低減要求に対する対応例 ************

「今、価格は下げられないのですが・・・・」と前置きし、

・無償保証期間を延ばす。

・顧客に有益なユーティリティソフトを追加する。

などを顧客に提案します。扱っている製品やサービスにより様々方法が考えられます。

更に、どうしても価格を下げなければならない事態になった場合は、

・1年以内にもう一台購入することのコミットを得る。

・支払条件をより良いものに変更してもらう。

・保守契約に入ってもらう。

など、何らかの条件をつけるべきでしょう。

それなしで下げたのでは「最初から下げろよ」ということになりますね。

******************************

その業界、業種によりやり方はまだまだあるはずです。

Be Creative. もっと知恵を働かせてぎりぎりまで値下げせずに、値下げするときは条件を付けて、頑張ってみましょう。

営業が1%でも頑張って値下げを押さえれば、それが会社の利益に直結するのですから。

価格交渉に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>

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Coffee Break:"Nice To Have" から "Must Have"へ

2023-04-30 12:39:01 | 営業コラム
下記は、私の友人でいすゞ自動車でトラックの販売をしていたRon さんが書いた「Ronさんの営業」のクロージングの文章の一部です。

クロージングの段階になっても、購入を渋る顧客。その原因として、・・・・・・

私が以前、営業をしていたのは半導体業界等向けの検査装置でした。

製造装置はないとモノが作れませんが、検査装置は必ずしも必要ではありません。検査をしなくても、モノは作れます。

そこがRonさんとの相違。トラックがないと物は運べない。

ある顧客は、「検査すると歩留まりが悪くなるだけだよ」と言い、なかなか購入してくれません。

また、ある顧客は、「あった方がいいけどね~(Nice To Have)」と言い、購入の決断をしてくれません。

これは話をする相手を間違えたのではなくではなく、クロージングに至るまでに「製品価値の証明」が十分にできていなかったことに起因します。

顧客の問題点・課題を見つけ、ソリューションとして製品を紹介しデモを実施。

その効果を歩留まりの改善、客先不良の低減などを具体的に数字・金額で示す、あるいはROIという形で表し、

その価値を認識させ「Nice To Have」から「Must Have」にしなければなりません。

これはクロージングの段階ではなくもっと早い段階で行う必要があります。

*******************************************************************************************************************************
クロージングは営業プロセスのクライマックスですが、大事なことは顧客を知り見極めること。実際にはもっと早い段階での見極めが大切。
If the customer still hesitates to buy the product, he may be a person who needs to think the purchase through for a while or a person who wants to gather more information for a while and decide slowly. Some people gather information in public in front of people. They make decisions when alone. Other people gather information and study alone and decide in public in front of the salesman. The salesman should consider what type the customer is.

Other than that, the salesman may have made a mistake in qualifying the customer, selecting the right product or presenting the features of the product.

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営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>
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Coffee Break:過去を捨て去る。自分を刺激する!

2023-04-23 17:39:40 | 営業コラム
ちょっと地味なビル管理業A社の社長、朝から営業に檄を飛ばす。

「お前らバカか」「安く売るのは誰でもできる」「しっかり利益を取れ」

その日の午後、大手企業からの見積依頼に対し、

「赤字覚悟で取りに行け」

との発言。

ダブルスタンダードではありませんか。

この大手企業が、将来大きなリターンが見込まれる戦略的に重要な顧客なのであれば、赤字覚悟でもよいかもしれません。

しかし、同じサービスや製品を将来に亘って提供する場合、値上げはなかなか困難です。

営業の皆様は、身に染みて分かっていることと思います。

何か妙案はあるのでしょうか。

このビル管理サービスは、一旦契約すると1~5年同じサービスを提供します。

A社は過去10年くらい同じ手法で業績を伸ばしてきました。安く受注して利益を出す!

何故でしょう。

この社長の会社は、人件費がコストの大半を占めるサービス業です。

デフレで人件費が下がる、不景気なので低い給与でも採用できる、そういう環境にあったからです。

しかし、このところは旨くいきません。

最低賃金も上がり、都市部を中心に給与も上がってきています。

また、人手不足で地味なサービス業には応募も少なくなっています。

どうすればよいのでしょうか。

そうです。過去の成功体験から抜け出し、経営環境を受け入れ、社長の経営の仕方を変える必要があるのです。

「精神に組み込まれた足場のように、思考はパターンを構成します。実際、化学的なパターンが刻み込まれてゆくのです。ほとんどの人は、レコードの溝のようにこのパターンにとらわれてしまい、そこから出られなくなってしまいます」アップルの創業者の一人、ご存知スティーブ・ジョブスの言葉です。(講談社『スティーブ・ジョブス』)

A社の社長も一つの思考パターンから抜け出せなくなっています。成功を収めたパターンならなおさらです。

この社長への処方箋は、

・自分を客観的にみつめて、思考パターンが固定化していることに気付かせる。

・今まで蓄積したことからだけでは新たな思考パターンを創造することは困難であることを知らせる。

・自分への刺激を加えるために、違う業界人との交流、学際活動などを行なわせ、新たな発想を磨かせる。

などです。

実際、この社長は、自己主張が強く自慢話が多いため、徐々に一緒に飲みに行く友人もいなくなり、いまでは社内の人間を無理やりに引っ張り出して飲みに行っていたのでした。本人が気づかないうちに、社会的にもどんどん小さな殻に閉じこもってしまっているのです。

「僕はまだ学んでいる段階、ブートキャンプでしごかれている段階だということです。アーティストとして、創造的な人生を送りたいと思うなら、あまり過去を振り返るのはよくありません。自分がしてきたこと、自分という人間をそのまま受け入れ、それを捨て去らなければならないのです」とスティーブ・ジョブズは語っています。(講談社『スティーブ・ジョブス』)

過去を振り返らず、自分へ意図的に刺激を与えることが大切と私は思います。

営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>

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Coffee Break:「優れた芸術家はまねる、偉大な芸術家は盗む」(ピカソ)営業手法も!

2023-04-16 22:02:34 | 営業コラム
情報デザインの齋藤です。

夕方から書斎の整理をしました。約90冊、明日、Book Offに持っておくことになりました。捨てるのは、二度は読まないであろう小説、技術的に古くなった技術書、買ったが読まなかったビジネス書です。

代わりに昨年亡くなった義父が残した本が入ります。義父は、歴史や江戸文化に興味があったようで、貴重な本、高価な辞書辞書もありました。明日から、それらをじっくり読むのが楽しみです。

さて、「優れた芸術家はまねる、偉大な芸術家は盗む」は、天才画家パブロ・ピカソの言葉。

「盗んだものを消化し、昇華する」といったところでしょうか。

アップルの創業者の一人のスティーブ・ジョブズは、ゼロックスが開発したGUIやビットマップスクリーンなどを、発見し、消化し、洗練されたテクノロジーとしてアップルのコンピュータに適用しました。

「盗んだものを消化し、昇華する」です。

とはいえ、「盗むべきものを見抜く力」が必要です。

前述のGUIなどは、当時のゼロックスの役員は、重要とは考えず、逆に、スティーブたちは「これだ」と思ったわけです。

日常の仕事の中でも、盗むべきものは沢山あるのではないでしょうか。

先輩の営業の仕方、顧客対応の仕方、報告書の書き方、などなど、ぼんやりと一緒に過ごすのではなく、

どんどん盗んで自分のものにしましょう。

嫌いな先輩や上司でも、すばらしい着眼点や仕事の仕方など、盗むべきものが、沢山ある人もいます。

盗み終わるまで、その下で働いても良いじゃないですか。

『理詰めの営業』も盗んで、使って、消化し、自分の業界、会社、製品・サービスに合ったものに昇華してください。

<『理詰めの営業』体系図>



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Coffee Break:顧客を知り抜く -「一流企業のトップ営業は、ここまで徹底する」

2023-04-09 12:45:33 | 営業コラム
東洋経済の記事からのピックアップです。

「一流企業のトップ営業は、ここまで徹底する」

少し長いですが、第3回までお読みください。

様々な分野の若手営業リーダーの座談会ですが、営業として重要と考えている共通のポイントの一つに「顧客を知り抜く」(第3回記事に記載)がありました。

コンプレックスセールスの場合、関係する顧客は多く、長期間にわたる商談では異動も発生します。

また、顧客だけではなく、営業サイドでも担当変更や移動も生じます。


会社としてシステマチックに顧客情報を収集・整理・分析する必要があります。

それが『理詰めの営業』の「関係顧客分析」です。

<『理詰めの営業』体系図>


営業こそ、営業だから、BE CREATIVE!!
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Coffee Break:音のない会話の世界。営業と社会性

2023-04-02 20:12:40 | 営業コラム


こんな考え方もあるのですね。今から8年前、2015年の朝日新聞夕刊から。

「すべてがネットにつながる未来 人づきあい、いらなくなる?」 脳科学者・中野信子さん(談)

「私はウェアラブルがあれば、人間は社会性を持たなくても生きていけるようになるかもしれないと思っています。
個体として人間は、生き延びるために群れを作って社会性を持たざるを得ませんでした。
人間がジャングルの中で一人になると、すぐにトラやライオンの餌食になってしまうでしょう。
生存のために集団で狩りをするしかなかったわけです。
でもその社会性も、大都市では必要ありません。
引っ越しは業者に頼めるし、セキュリティーのしっかりしたマンションに住めば防犯面も安心です。
一人でやっていけるインフラが整っているので、ご近所づきあいのような社会性の必要はないわけです。
大都市は無縁社会って言われるけど、当然のことなんです。
そしてウェアラブルやロボット、人工知能が普及すれば、そんな都市生活のインフラの一部も代替してくれるでしょう。
そうなれば、都市である必要すらない。私のように社会性がなくて努力してがんばっているみたいな人にとっては良い話です。
人としゃべらなくてもいいし、言語化しなくてもコミュニケーションが取れます。
もちろん、すべての人間の社会性が必要でなくなるというわけではないとは思いますが。」


今では、中野さんもテレビ番組のコメンテーターをやり、社会性を身に付けたようです。
テレビで見せる笑顔からは、社会性が乏しい方には見えませんが、根本的には人と関わりたくない方なのかもしれませんね。

そもそも社会性とは?ウィキペディアによると、

社会性(しゃかいせい、英:socialityまたは英:sociability、仏:sociabilité)とは集団をつくって生活しようとする人間の持つ基本的な傾向。本能的なものと考える説がある。

もっと詳しく見たい方はここ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%80%A7

D大学の講師の時、理系の学生に社会性を身に着けてもらうためのグループワーク等の教育をしていました。
より仕事をしやすくするために(私みたいにならないために)、仕事の幅を広げるために社会性は必要と考えています。

私自身も社会性の乏しいエンジニアでしたが、社会性が身に付くに伴い、生きやすくなりました。
それでも、積極的に多くの人と関わりたい訳ではなく、幾人かの友人たちとたまに話ができればよいと思っています。

読者のほとんどの方は営業の方なので社会性が乏しい方は少ないのではと思いますが、いかがですか。

一方、外資系金融機関H社の総務部での経験。

言葉を交わすのは、「おはようございます」「お先です」の朝夕の挨拶のみ。それ以外の会話は、基本的にチャットとメール。隣の席の人とも。
自然に耳に入ってくる情報というものはない。静かな職場。電話はほとんどならない。
この職場へのリクエストは、システムで入力することになっている。そして納期(回答期限)はシステムで管理されている。
仕事はできているし、挨拶もできている職場。でも、「音のない会話」のみ。中野さんの言ってた世界があった!!

このような職場を心地よいと思っている人が営業に向いているかいないかではなく、こういう人に対して営業をするには・・・という課題が生まれる。

AIに任せてメールやSNSを駆使して営業してもらうことになるかもしれません。恐らくそれが一番効率的。営業の仕事がなくなるね。

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営業に疲れたら武蔵野散歩。ダ・ヴィンチに記事が出た(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>
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新年に相応しくないネタだが・・・・・「値上げ何てできねーよ」と怒る営業に値上げさせるには(その3)

2023-01-08 10:41:43 | ・・「だからどうなの」
明けましておめでとうございます。情報デザインの齋藤です。

年末、海外営業の達人と忘年会。

場所は中小企業のメッカ、蒲田。六本木や渋谷よりも落ち着きしっくりきます。御徒町(おかちまち)もいいけど。

大好きな黒ホッピーで乾杯。ちなみにホッピーは我が町、調布で製造されています。社長は有名な女性社長。



さて、本題に!

正月に相応しい「新年度営業方針」や「営業心得」など関わる内容ではありませんが、昨年からの続きということで・・・・・・

営業がもっとも嫌う値上げの話「だから」なのか、意外やアクセスが伸びています。

前回までに説明した値上げの方法は、顧客ごとの価格ギャップを調べ、ギャップの大きさと顧客セグメントに応じた戦略を取ること、
PBA(パワーバランス分析)を行って、顧客における自社の立場が自社有利にあるかどうかを慎重に分析し、自社に有利であれば値上げ交渉を実行するものでした。

留意点は、今後も継続して取引をする顧客であれば、顧客との関係が損なわれない程度に、逆に恩を売れるぐらいの値上げ(恩を売る様なかたちでの値上げ)を行うことでした。

では、その他の考慮すべき点、会社としてどう組織的に対応すべきか、検討します。

1.価格に対する敏感度の違いに着目。
  これはすでに(その1)で述べた方法です。

2.スイッチングコストの検討。
  スイッチングコストは、サプライヤーを変えることにより生じる顧客側のコストです。
  例えば、技術部門で生じる購入のための評価試験、製造工程の変更などや、購買部門で生じる契約・会社登録などの事務手続きなどです。
  このスイッチングコストが高いほど、顧客はベンダーを変えたいと思わず、値上げを受ける可能性が高くなります。

3.顧客同士のつながりの調査。
  地域的に同業者が集積している場合など、顧客同士のつながりがあると情報交換が行われ、値上げをきっかけに不満が噴出する場合があります。
  こういう地域を避けるか、それぞれの顧客に説明できるロジックをあらかじめ作る必要があります。

4.現場の営業のモラールとスキルの醸成。
  値上げは営業がもっとも嫌うことです。
  よって、会社のトップマネージメントや所長が、一部顧客を失うことを覚悟していることのコミットメントを示すことが重要です。
  また、顧客への説明方法のマニュアル化、トレーニングを行うことが必要です。

5.段階的な実行。
  全国一斉に値上げを行うのではなく、トライアル顧客を選び実行し、項目4のマニュアルの改訂などを行いながら慎重にすすめるべきです。

6.営業の業績評価方法の変更。
  営業の業績評価として、売上目標達成度だけでなく、値上げ実施率、利益率改善度などを加え、営業の活動を値上げに誘導することも大切です。

この他にも日々の営業の価格付けをチェックする機能、例えば、マーケティング組織、なども必要かと思います。

「わが社ではこうやって値上げした」などの話がありましたらお知らせ願います。

値上げの話は、ひとまず終了。

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営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>
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「値上げ何てできねーよ」と怒る営業に値上げさせるには(その2)

2022-12-29 17:56:11 | ・・「だからどうなの」
情報デザインの齋藤です。

さて(その1)の続きです。営業がもっとも嫌う値上げの話でした。

前回、説明した方法は、顧客ごとの価格ギャップを調べ、ギャップの大きさと顧客セグメントに応じた戦略を取ることでした。

具体的には、

① ギャップが小さい場合は、顧客への「戦術的な」アプローチ

② ギャップが大きい場合は、「顧客セグメント」に応じたアプローチ。価格よりも製品の性能やサービスなどに重きを置き、価格についてはさほど問題にしない顧客に重点を置いて、値上げ交渉を実行

でした。

この他の方法としては、PBA(パワーバランス分析:Power Balance Analysis)を行って、顧客における自社の立場が自社有利にあるかどうかを慎重に分析し、自社に有利であれば値上げ交渉を実行するものです。

具体的には、

① 緊急発注してくる顧客:
  需要の急増などで緊急に製品を発注してくる場合で、顧客の方に選択肢は少ない

② 特注品の顧客:
  その顧客専用に作っている製品なので、基本的に顧客に選択肢はない

③ 自社の製品が顧客のユーザーから指定されている場合:
  顧客の製品を買うユーザーの仕様書に「・・・のテスターで試験すること」と書いてある場合などで、これも顧客の選択肢はない

④ 業績が良好でサラリーマン社長が経営している顧客:
  業績が良好な会社は、財布のひもが緩みがちで、価格に対する厳しさも弱まります。
  実際、オーナー企業の社長でもないかぎり、死んでも値上げはさせないという会社(社員)はいない。。。。というのが私の見解です

⑤ 業界として需給が逼迫しているときの顧客:交渉力が強くなるのは明らかです

です。①~⑤どれも供給側に有利であることが分かります。

大事なことは、今後も継続して取引をする顧客であれば、顧客との関係が損なわれない程度に、逆に恩を売れるぐらいの値上げ(恩を売る様なかたちでの値上げ)を行うことです。

それを成し遂げるのが営業。

では、次回は会社としてどう組織的に対応すべきかをお話しします。いや、それは来年にしよう。皆様、よいお年を!

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<調布市仙川で見かけました。ひと昔前の営業いやマーケティングと思っていましたが・・・・>


<新しい仕事が始まり、ストレスたっぷり状態!気分転換に漫画『武蔵野』を読んだ。阿部公房の小説『砂の女』『燃え尽きた地図』の読後感のような不思議な気分。大人の漫画だ>

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円安、ウクライナ紛争等の影響で値上げが必要に・・・(再掲)「値上げ何てできねーよ」と怒る営業に値上げさせるには(その1)

2022-12-18 10:20:24 | ・・「だからどうなの」
円安の進行やウクライナ紛争の影響等による物価上昇の中、顧客も値上げを受けなければならないと腹の中では思ってはいますが、
顧客自身の業績に直結する話であり、すぐにOKとは言うはずがありません。説得しなければならない営業には大きなストレスになります。

以下、私もしばしば経験した値上げの際の考え方です。再掲になりますが、ご参考まで。

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情報デザインの齋藤です。

外資系の営業をしているとトップダウンで値上げの要請がきます。

「値上げ何てできねーよ」「客が逃げちゃうよ」「現場が分かってねーんだよ」などなどのブーイング。

一方、『理詰めの営業』で、「安易に値下げをしない営業の頑張りが、会社に多大な利益をもたらす」と繰り返し言っている私は、説得役にならざるを得ません。

実際、価格の1%の上げ下げは、営業利益を7%上下させるというデータがあります。

しかし、「値下げをしない」というのと「値上げ」では、難しさに数倍の相違があります。

さて、どう対応するか。

一つは、どう営業を説得して値上げの活動をしてもらうか、もう一つは、顧客をどう説得して値上げに応じてもらうかです。

まず、顧客を層別して、トップダウンで言われた価格と現在の価格を比べ、そのギャップを明確にします。

すべての顧客が、新規の価格よりも低いわけではないでしょう。対象は、現在の価格が低い場合のみです。

ギャップが小さければ、顧客への戦術的なアプローチで、値上げは比較的容易と言えます。

一方、ギャップが大きい場合は、アプローチを慎重に検討する必要があります。

アプローチの一つは、顧客セグメントに応じた戦略です。

顧客には、価格に敏感な顧客と、価格よりも製品の性能やサービスなどに重きを置き、価格についてはさほど問題にしない顧客もあります。

後者のような顧客では、前者よりも高い価格で販売可能です。

同じ製品を同じ顧客に売る場合でも、短納期で対応、一部カスタマイズ、保証期間を延長、アプリケーションサポートの延長など顧客の欲するものを提供することにより値上げも可能になります。

もちろん、顧客とのその時点での関係(トラブル発生時などにはもちろん言えない)、競合の出方、顧客の戦略的重要度などを考慮すべきであることは言うまでもありません。

さて、この他にどのような値上げの方法があるでしょうか。引き続き検討していきましょう。

<ストレスの多い日々、気分転換に漫画『武蔵野』。阿部公房の小説『砂の女』や『燃え尽きた地図』の読後感の漫画。この奇妙な感覚を作者は狙っていたのか>


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Coffee Break:『Steve Jobs』を偲んで- シンプルにする

2022-12-10 17:25:39 | ・・スチーブ・ジョブズの営業
情報デザインの齋藤です。

伝記「スティーブ・ジョブズ」(ウォルター・アイザックソン著)の続きです。

「シンプルにする、つまり、背景にある問題を本当に理解し、エレガントなソリューションを考え出すというのは、とても大変な作業なんだ」(スティーブ・ジョブズ)

これは、スティーブが、製品のデザインについて述べたものです。

私は、ビジネスイッシューのソリューションもシンプルでなければならないと思います。

複雑すぎては実施が困難、コストもかかります。

策士、策に溺れるということにもなりかねません。

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< 我が町、調布を描いた(?)『死都調布』の作者の最新作が今日、出版されました。阿部公房の『箱男』や『砂の女』のような奇妙な読後感です>
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Coffee Break:『Steve Jobs』を偲んで- 共食いを恐れるな

2022-12-02 23:17:45 | ・・スチーブ・ジョブズの営業
伝記『Steve Jobs』(ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳、講談社)の続きです。

iPod & iTunes、何故、ウォークマンで世界を席巻したソニーは、この仕組みを作れなかったのか。

ハードディスク業界にいた私は、ソニーが似たような構想を持っていたことを知っています。

しかし、何回打合せしても前に進まない意思決定ができない会社との印象を持ったことも覚えています。

ソニーには、ハードウェア、ソフトウェア、コンテンツ販売を統合するというジョブズの戦略に対抗するために必要なものはすべて揃っていました。

何よりもウォークマンとうい強力なブランドを持っていました。

構想が実現できなかった理由の一つは、部門ごとの独立採算性にあったと言われています。

そのような組織だと各部門の利害がからまり、部門間が連携して相乗効果を生むのは大変困難です。

一方、アップルはカリスマのジョブズがすべてをコントロール、会社全体で損益を考えます。

もう一つの失敗の原因は、ソニーが共食いを心配したこと。

デジタル化した楽曲を簡単に共有できる音楽プレーヤーとサービスを提供すると、自社のレコード部門の売り上げが減ってしまうと心配したのです。

一方、ジョブズは、「共食いを恐れるな」を基本原則にしています。

「自分で自分を食わなければ、誰かに食われるだけ」

だから、アップルはiPhoneを出せばiPodの売り上げが落ちるかもしれない、iPadを出せばノートブックの売り上げが落ちるかもしれないと思っても、ためらわずに突き進みます。

ソニーは、遅ればせながらソニーコネクトという類似のサービスを開始しましたが、3年強で撤退。部門間の抗争が原因と言われています。

「食われる前に食う」。コンピュータの歴史をみても分かることですが、なかなか「自分で自分を食う」決断はできない、まさに、『イノベーションのジレンマ』(クレイトン・クリステンセン著)」です。





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Coffee Break: 『Steve Jobs』を偲んで- 歴史のページにまだ書かれていないことを読み取るのが僕らの仕事なんだ

2022-11-25 22:35:32 | ・・スチーブ・ジョブズの営業
伝記『Steve Jobs』(ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳、講談社)の続きです。

スティーブの「文系と理系の交差点」「人文科学と自然科学の交差点」という言葉が好きで、毎年、この時期にこの記事をアップしています。

私自身、最初の転職でエンジニアからマーケティングに転じ、新しいこと、文系の楽しさも味わいました。

マーケティングの基本の一つは、顧客のニーズの把握です。市場調査を行い、顧客が何を望んで探ります。

しかし、最近は、市場調査ではニーズが把握できなくなり、顧客本人でさえも何を望んでいるのか分からないと言われています。

では、伝記「スティーブ・ジョブズ」から一節。

「『顧客が望むものモノを提供しろ』という人もいる。僕の考えは違う。

顧客が今後、何を望むようになるのか、それを顧客本人よりも早くつかむのが僕らの仕事なんだ。

ヘンリー・フォードも似たようなことを言ったらしい。『なにが欲しいかと顧客に尋ねたら、足の速い馬といわれたはずだ』って。

欲しいモノを見せてあげなければ、みんな、それが欲しいなんてわからないんだ。

だから僕は市場調査に頼らない。

歴史のページにまだ書かれていないことを読み取るのが僕らの仕事なんだ

「文系と理系の交差点」「人文科学と自然科学の」の交差点が好きというスティーブならではの境地ではないでしょうか。



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Coffee Break:『Steve Jobs』を偲んで - 営業が会社を動かすようになると・・・・・

2022-11-19 17:03:08 | ・・スチーブ・ジョブズの営業
「新人営業の教科書」はチョット休憩。簡単に、分かりやすく書こうとして始めたのに沢山書きすぎました。

一旦、休憩して読者の皆様の復習の時間とします。年末も近いですし、営業的にも追い上げの時間ですものね・・・・

さて、10月5日はスティーブ・ジョブズの命日でした。

私がIBMから転職した先のQuantumは、Apple向けのHDDを製造していたこともあり、メーカーでありながらアートデザイン事務所のような雰囲気の会社でした。

なによりも私のような日本のマーケティング部長の採用でさえも、関係者全員と2日かけて面接というのは、「当時」のAppleの影響としか思えません。

では、スティーブ・ジョブズを偲んで。

以下は2020年9月6日の記事の再掲です。

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最後にシリコンバレーに足を運んだのは、昨年の春でした。まさか、新型コロナで行かれなくなるなんて。

前回まではシリコンバレーの投資家ピーター・ティールの著書『ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)』から「営業のあり方」を学びました。

続けて伝記『Steve Jobs』(ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳、講談社)から、あのスティーブ・ジョブズが営業をどう考えていたのか探ります。

改めて、スティーブ・ジョブズの実績ついて説明する必要はないでしょう。

この伝記を読むとシリコンバレーの光景が自然と目に浮かびます。

また、スティーブの「文系と理系の交差点」「人文科学と自然科学の交差点」が好きという点にも大いに共感を持ちました。

営業については最後の章で触れています。

「IBMやマイクロソフトのような会社が下り坂に入ったのはなぜか、僕なりに思う理由がある。

いい仕事をした会社がイノベーションを生み出し、ある分野では独占かそれに近い状態になると、製品の質の重要性が下がってしまう。その代わりに重く用いられるのが"すごい営業"だ。

売り上げメーターの針を動かせるのが製品エンジニアやデザイナーではなく、営業になるからだ。その結果、営業畑の人が会社を動かすようになる。

IBMのジョン・エーカーズは頭が良くて口がうまい一流の営業マンだけど、製品についてはなにも知らない。同じことがゼロックスにも起きた。

営業畑の人間が会社を動かすようになると製品畑の人間は重視されなくなり、その多くは嫌になってしまう。・・・・・」


スティーブ・ジョブズは、「文系と理系の交差点」に立つ人なので、製品開発と営業の両方で卓越した結果を残せたのかと思います。
特に彼のトップセールスは、見事。(部下には絶対になりたくはありませんが)

スティーブ・ジョブスほどでないにしても、生産財の営業は、製品やサービスを十分に理解し、技術的な課題について顧客と会話ができるようになりたいものです。

さて、どのような人が会社の社長になるべきなのでしょうか。

社内の権力争いの結果として頭角を現す社長ではなく、会社の経営課題解決に適した社長であるべきです。
それは、技術畑でも営業畑でも課題を解決できるのならどちらでもよいはずです。

私がQuantum社にいたころ(当時、一番の顧客はアップルでした)、
米国の社長(この人もスティーブ)は六本木の居酒屋で「会社を更に大きくするためには5千人の社員のいる会社を経営できる人が必要。俺はその人を見つけたら退職する」と言い、
翌年、後任の社長を自ら採用し、社を去りました。(このスティーブはスタートアップから2千人くらいの会社を作るのが好きなのであって、大会社を経営するのが夢ではないのだそうです。)

ダウンサイジングでIBMの業績が悪くなったとき、ナビスコにいたルイス・ガースナーがCEOになり、構造改革を行いました。
技術に強くないガースナーは、技術スタッフを「各事業部からではなく」、外部から集め、事業部からの影響を排除して改革を進めたそうです。
さすがです。事業部とひも付きのスタッフでは、改革はできなかったでしょう。

最適な社長(リーダー)が選ばれる会社としての仕組みが必要ですね。さて、誰がその仕組みを作るのか?



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再掲(続き)「どこでもやれるような事業を優れた事業にすることが大切」 - 営業力を武器に!

2022-09-26 15:59:50 | ・・稲盛和夫のアミーバ経営
JALを立て直した稲盛和夫さんが先月、お亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。

「どこでもやれるような事業を優れた事業にすることが大切」、胆に銘じています。

私の20年来の知人のK氏、マニュアル制作で大成功しています。

K氏と会ったのは、山梨の半導体製造装置の工場。現場に入り自分で装置のオペレーションをやりながら操作マニュアルのネタになる写真などを取っていました。通常、マニュアル製作会社は、ネタを顧客に要求してくるのですが、K氏は自分で収集。その姿勢に感銘し、パーツカタログも注文しました。

その後、K氏は名古屋から東京に移転。私も別の会社に移っていました。K氏の仕事のやり方も、自分ですべて行うスタイルから、イラストレーターや翻訳者などをコーディネートしてマニュアルを作成するスタイルに代わっていきました。これにより、より多くの仕事ができるようになりました。それでもK氏の会社は彼一人です。

いい腕をもったイラストレーターや翻訳者でも「営業」のできる人はあまりいません。そこをK氏が補っているわけです。K氏は人当たりも良く、「営業力」があり、大手企業にも臆さずにチャレンジします。なにより、マニュアル制作の隅々まで熟知しているので、マニュアルの厳しい監修ができ、品質の高いものを制作できます。

成功の基準には会社の規模、売上、利益など様々ありますが、たった一人の会社で売上5千万円以上(高収益)なら大成功といっていいのではないでしょうか。そして周囲には喜んで仕事をするイラストレーターや翻訳者、編集者がいます。

まさしく、

「誰もがやれるような仕事をしていても、「あの会社はひと味違う」というような経営をすることが、その会社の真の実力なのである」

を実践するK氏です。

営業力はりっぱな武器です。

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再掲:「どこでもやれるような事業を優れた事業にすることが大切」(稲盛和夫著「アメーバ経営」より)

2022-09-20 23:44:35 | ・・稲盛和夫のアミーバ経営
稲盛和夫さんが先月、お亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。

「どこでもやれるような事業を優れた事業にすることが大切」、胆に銘じています。


稲盛和夫の著書「アメーバ経営」の中に、以下のような件があります。

技術的な優位性というのは、永遠不変ではない。だから、企業経営を安定させようと思うなら、たとえ技術的にさほど優れていなくとも、どこでもやれるような事業を優れた事業にすることが大切である。つまり、誰もがやれるような仕事をしていても、「あの会社はひと味違う」というような経営をすることが、その会社の真の実力なのである。

技術革新には限界があります。半導体業界、パソコン業界、ハードディスク業界など1980年代以降に急速に発展した業界の技術革新のスピードもスローダウンしてきました。
それでも高い収益を上げている企業はあります。半導体のTSMC、ハードディスクのWDなどです。

2年ほど前から技術革新とはほど遠いビル総合管理会社S社の顧問をしています。ビルの空調管理・電気設備等の点検・管理、警備や受付業務、清掃などが主な事業です。
一つ一つの案件の契約金額は、高いものであれば1億円以上。また、一度、仕事が取れれば、よほどのことがないかぎり複数年仕事は続きます。

「理詰めの営業」の「競合分析」「自社分析」をしてみると、S社の強みが見えてきます。

・シニアのスキルと経験(当該業界の経験ではなく社会人としての経験)を活用したローコスト経営
・品質管理体制の確立(製造業では当たり前ですが、この業界では珍しい)
・社員教育の充実(毎日夕方、役員や部長クラスが講師になって業界知識等を教育しスキルアップを図っています)
・有効な社内会議(毎朝、役員、本部、部の単位で30分以内の会議を行い情報伝達)
・外資系企業やホテル、大使館をターゲットにした国際部の創設と実績。それによる日本企業からの信頼の獲得
・強力な社長のリーダーシップ

技術革新のような圧倒的な強みにはなりませんが、競合他社にはない仕組みを作ることにより差別化が可能になる事例です。

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