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法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

営業関連書籍紹介:『「いつでも転職できる」を武器にする』- 転職は自分自身の営業(2)

2022-07-31 14:40:23 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:「いつでも転職できる」を武器にする
出版社:KADOKAWA
著者:松本利明(人事・戦略コンサルタント)

就職活動や転職活動は、自分自身を営業する場である。

私の最初の転職先は、Quantumという米国ハードディスク(HDDメーカー)の日本支社(入社時私も含めて5名)。
日本の社長、人事部長と面接の後、米国本社で面接。一人50分ずつ、12人と2日間面接。
いろいろな切り口から、質問された。もちろん準備はしていたが。
3日目にOKが出たらしく、研究所・工場の見学となった。

当時、同社は、まだ会社が小さかったこともあり、関係者全員が面接するというルールがあったとのこと。
また、同社の顧客、Appleのスティーブ・ジョブズも同じ方針で、彼の影響があったと思われる。

これが、私の最初の転職時の面接。その後も海外での面接はあったが、12人と面接はなかった。

さて、この本を読んで「やはりそうだよね」と大きくうなずいた点は二つ。

① 事業のライフサイクルのフェーズにより活躍できる人材のタイプは異なる(自分にあったフェーズは?)

事業のライフサイクルは、導入期、成長期、安定期、衰退・再展開期と時間とともに進む。
著者によると、各フェーズで活躍できる人材のタイプは以下のとおり。

導入期:新しいことを考える人材タイプ。
成長期:走りながら、今のビジネスを太くする人材タイプ、または、海外で展開する人材タイプ
安定期:ルールや仕組みに沿って今のビジネスを太くする人材タイプ
衰退・再展開期:最適化する人材タイプ

前述のQuantumをはじめその後入社した会社は、すべてスタートアップか新規事業。安定期に入ると窮屈になって転職。確かに自分に合ったフェーズがある。

② キャリアアップではなくスライドで考える。逆張りの勧め。

例えば、公認会計士や税理士、さらにはCPAの資格を取り、PWCのような外資系企業に入る。
周りは海外の一流大学や東大、京大などのトップの大学を出て、同様な資格を持った人材ばかり。
日本のスター野球選手が、大リーガーに行き、トップチームで競争することと似ている。
人並み以上の能力を持っていたとしても、成功する(生き残れる)可能性は高くはない。

むしろ、そういう優秀な人材が来ないスタートアップ企業や中堅企業に入り、仕事の幅を増やしながら、貢献し、感謝されるという戦略の方が旨く行く。

別の例で、英語ができるエンジニア、例えば、海外留学経験者や英語が好きなエンジニアは、ひっぱりだこでIT関係に行く人が多い。
私が現在、携わっているビル管理業界も外資系の顧客が多く、英語のできる電気・機械・建築系のエンジニアを募集しているが、年収1500万円を提示しても応募さえない。

どこに行けば、自分は希少価値として扱ってもらえるのかを考えるべきだ。

ライバルがいないか少ない「アウェイ」にスライドし、自分の資質や経験の中から、相手に喜んでもらえそうなことを行う。それが「逆張り」。

私の場合は、サラリーマン時代は、導入期・成長期の会社で好きなだけ仕事し、独立後は「逆張り」となる市場を選んだことになる。

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営業関連書籍紹介:『「いつでも転職できる」を武器にする』- 転職は自分自身の営業(1)

2022-07-31 11:25:09 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:「いつでも転職できる」を武器にする
出版社:KADOKAWA
著者:松本利明(人事・戦略コンサルタント)

転職活動は、自分自身を営業する場である。

転職希望先が望んでいることは何か?営業としての売上実績、顧客リスト、リーダーシップ、部下の育成能力、・・・・

相手のニーズを予想する。

営業としての自分の強み・価値は?販売実績、優良顧客リスト、体得した営業手法・・・・

営業としての自分の強みを整理し、表現できるか。

転職に際して、自分の強みとして育成すべき点は何か、それをこの本は教えてくれる。

ちなみに、章立ては以下のとおり。

1 「日本の転職」の前提が全て変わってしまった
2 自分軸にあった市場を見極める
3 自分軸で売れるキャラを確立する
4 自分軸で市場価値をつくれるようになる
5 自分軸で強くなるー転職しない時にやり続けること
6 永久保存版 自分軸で活躍する判断基準を身に付ける

著者は、PWCやアクセンチュアなど外資系コンサル会社でプリンシパルであった松本利明氏。

30年近く、外資系企業で働いてきて、今も外資系企業を顧客としている私にはうなずける点が多い内容。

日本企業に勤めている方には、ちょっとしたカルチャーショック、言葉を変えれば良い刺激になるはずだ。

<帯も含めて、写真にしました。営業手法に関わる本ではないが、興味深い内容だったので来週も掲載予定>
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営業関連書籍紹介:『90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術』- 営業に必要な70のスキル

2022-07-24 08:39:16 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術
出版社:東洋経済新報社
著者:野部剛

先週紹介した『営業は準備力』と同じ著者で、ソフトブレーン・サービス㈱代表取締役社長の野部氏。

社会人として野村証券のリテール営業からスタートし、コンサル会社を経て、ソフトブレーンに入社。

この本では、ソリューション営業に必要な70のスキルを紹介している。

実際にはスキルというより営業プロセスにおけるチェックポイントと私は理解した。

先週同様、ベテラン営業であれば「俺の頭の中にもバッチリ入っているチェックポイントだよ」とうなずける内容だ。

このような書籍を読んで、自分の商品にあった営業プロセスを個人として、チームとして、会社として確立することが必須である。

これらのスキルを完全に体得するためには、ロールプレイングや日々の指導をきめ細かく行うこと。

『理詰めの営業』の考え方も参考にしていただきたい。



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営業関連書籍紹介:『営業は準備力』- トップセールスが無意識に心掛けていること

2022-07-17 06:37:29 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:営業は準備力
出版社:東洋経済新報社
著者:野部剛

著者は、ソフトブレーン・サービス㈱代表取締役社長の野部氏。

社会人として野村証券のリテール営業からスタートし、コンサル会社を経て、ソフトブレーンに入社。

ソリューション営業の考え方と、その営業手法を、マーケティングの基礎的な知識を用いて説いている。

それはトップセールスマン2000人の調査から明らかになった「成功のための行動法則」とのこと。

ベテラン営業であれば「俺の頭の中も同じだよ」とうなずける内容だ。

問題は、それを具現化し実行できているか、営業チームとして共有できているかだ。



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営業関連書籍紹介:『ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)』(その6‐最終)セールスチームとセールスプロセス

2022-07-10 02:27:41 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)
出版社:NHK出版
著者:ピーター・ティール(関美和訳)

(その5)の続き・・・・

2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、ここでも営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いています。

(その5)ではコンプレックスセールスについて述べたが、ここではもっと価格の安い商品のセールスについて語っています。

「個人セールス。・・・・・ほとんどのビジネスは、コンプレックス・セールスに適さない。
一件当たりの平均販売額が一万ドルから十万ドル程度なら、CEOがすべてを自分で売り込む必要はない。
そうしたセールスの課題は、特定案件をどう売り込むかではなく、適正規模の営業チームを使って幅広い顧客層に商品を売り込むプロセスをどう確立するかだ。」


さて、ピーター・ティールは、この章の最後で以下のように述べています。

「誰もが売り込んでいる。・・・・
おたくたちは、販売のことなんて考えたくもないし、営業マンをほかの惑星に追放できればいいのにと願っていることだろう。
僕たちはみんな、自分は何者にも影響されずに判断し営業に、惑わされることはないと思いたがる。でも、それは間違えだ。
誰もが売り込みに影響される。」


エンジニア(おたく)は営業が嫌いです。私もそうでした。営業のように口が立つエンジニアも嫌いでした。

でも今は自分も営業です。

口が立つ、いかにも営業という営業は、最優秀な営業ではありません。

本当にすごい営業は、気が付いたら買わされてような営業です。

いいもの作っても営業がいないと売れません。

スタートアップの企業といえども、スタートアップの企業だからこそ営業力が必要です。

自社の製品やサービスに適した営業戦略を立案し、会社として営業力を装備することが成功の絶対条件です。

そう思いませんか。

Industrial Marketing Strategy by Frederick E. Webster
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営業関連書籍紹介:『ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)』(その5)- コンプレックスセールス

2022-07-03 10:40:50 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)
出版社:NHK出版
著者:ピーター・ティール(関美和訳)

(その4)の続き・・・・

2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、ここでも営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いている。

また、コンプレックス・セールスは『理詰めの営業』の主要な適用領域ですが、この本では、どのように取り上げられているでしょうか。

コンプレックス・セールスとは、

・高額の商談や技術的に複雑な商談で、
・顧客の課題の把握、解決策の紹介から受注に至るまで長期間複数の商談を行う必要があり、
・複数の担当者、関連部門による意思決定が必要とされ、
・意思決定は商談の場以外のところで行われる営業。
・また、受注から納品・引き渡しまでに時間がかかり、
・その後もフォローが必要な案件。
 
例えば、プラント建設、IT関連の大型投資、生産設備、ビル管理など

という特徴のある営業です。


「コンプレックス・セールス。・・・・・すべての案件について隅々まで念入りに一対一の注意を払わねばならない。

顧客と良い関係を築くのに何か月もかかることもある。

売込みに成功するのは一年か二年に一度だろう。

販売が終わっても設置やサービスなど、長期間にわたってアフターケアを行なわねばならない。

骨の折れる仕事だけれど、高額商品を売るには、こうしたコンプレックス・セールスを行なうしかない。

・・・・・

コンプレックス・セールスは、営業マンがいない方がうまくいく。

・・・高額案件になると、買い手は営業部門の副社長ではなくCEOと話したがるものだ。」


「営業マンがいない方がうまくいく」は言い過ぎかと思いますが、

コンプレックス・セールスの場合は、営業マンの個人的な顧客との関係だけではなく、

会社のあらゆる階層での良好な関係なくしては、成功の確率は少ないと言えます。

そう思いませんか。




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営業関連書籍紹介:『ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)』(その4)営業力があれば・・・・

2022-06-26 22:37:54 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)
出版社:NHK出版
著者:ピーター・ティール(関美和訳)

(その3)の続き・・・・

2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。
スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、ここでも営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いている。

「どう売るか。・・・・・

差別化されていないプロダクトでも、営業と販売が優れていれば独占を築くことはできる。

製品がどれほど優れていても、たとえそれが従来の習慣に合うもので、利用すれば一度で気に入るような製品だとしても、強力な販売戦略の支えが必要になる。

二つの指標が有効な販売チャネルの条件となる。

つまり、一人の顧客から生涯に得る純利益の平均総額(顧客生涯価値)が、ひとり当たりの新規顧客獲得費用の平均(顧客獲得コスト)を上回らなければならない。」


4年前からヨーロッパ系の自動車メーカーの仕事をしています。

ヨーロッパ系の車は、個性があり、遠くからみてもどの会社の車か分かります。
デザイン上、ここは譲れないポイントがあるようです。

一方、日本メーカーの車はどうでしょうか。

ロゴを外したら、どこの会社の車か分からないのではないでしょうか。

「デザインも横並び」は日本の企業の特徴といえます。

差別化のポイントの少ない製品などや目に見えない差別化(例えば品質)の製品・サービスを売るのは、マーケティングと営業の力によるところが大きいと思います。

そう思いませんか。




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営業関連書籍紹介:『ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)』(その3)- 一流の営業は・・・・・

2022-06-19 13:55:15 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)
出版社:NHK出版
著者:ピーター・ティール(関美和訳)

(その2)の続き・・・・

2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、ここでも営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いている。

「一流の営業はそれとわからない。・・・・・

営業マンはみな役者だ。彼らの仕事は売込みであって、誠実であることではない。セールスマンという呼び名が中傷にもなるのはそのせいである。でも僕たちがネガティブな反応を示すのは、ぎこちないあからさまな売込み、つまり優秀じゃないセールスに対してだ。

一口に営業と言っても能力はピンからキリだ。・・・・・セールスの超達人もいる。超のつく達人を知らないとすれば、それはまだ出会っていないからではなく、目の前にいながら気付いていないからだ。・・・演技と同じで、売込みだとわからないのが一流のセールスだ。・・・・・

どんな仕事でも、営業能力がスーパースターと落ちこぼれをはっきり分ける。ウォール街では新卒は数字をはじくアナリストからスタートするけれど、最終目標はディールメーカー(M&Aにおける仕掛人や主要プレーヤーで営業能力は必須)になることだ。・・・・・法律事務所のリーダーは大手クライアントを獲得できるレインメーカー(*)だ。・・・・・・

(*)ジョン・グリシャム原作の小説のタイトル(The Rainmaker)でもあるが、金を雨に例え、雨が降るように大金を稼ぐ弁護士を意味している。映画は、フランシス・コッポラが監督、マイケル・ダグラス主演。

エンジニアの究極の目標は、何もしなくても売れるようなすごいプロダクトを作ることだ。でも現実のプロダクトについてそうだという人がいたら、うそになる。・・・・・何か新しいものを発明しても、それを効果的に販売する方法を創り出せなければ、いいビジネスにはならない。それがどんなにいいプロダクトとだとしても。」


「いいものを作れば、営業がいなくても売れる」と言った3千億円を超える売上規模の会社(日本企業で大手電機メーカーの系列企業)の社長がいましたが、幸運は永く続かず、その会社はなくなりました。

マーケティングと営業なくして永続的な成功はないでしょう。

そう思いませんか。

私はカリフォルニア大学の中村教授(元日亜化学)のようなスーパーエンジニアではありませんが、エンジニアとしての自分の力量と将来性を考えて、マーケティングに転向し、営業も行うようになりました。

今、振り返ると未熟な営業でしたが、転向して良かったと思っています。

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営業関連書籍紹介:『ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)』(その2)- それを作れば、みんなやってくる?

2022-06-11 23:41:09 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)
出版社:NHK出版
著者:ピーター・ティール(関美和訳)

(その1)の続き・・・・

2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。
スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、ここでも営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いている。

「シリコンバレーのおたくたちは、広告やマーケティングやセールスに懐疑的だ。

というのも、それが薄っぺらで不合理に見えるからだ。・・・・・・

エンジニアの領域では、ソリューションは成功するか、失敗するかのどちらかしかない。

仕事の評価も同じように簡単で、見栄えはたいして重要じゃない。

セールスはその反対で、本質を変えずに見栄えを変えるための組織的なキャンペーンだ。

エンジニアにとってそれはくだらないことだし、基本的に不正直だとさえ思っている。・・・・・

科学やエンジニアリングは見るからに難しそうなので、人はそれを実際以上に過大評価してします。

だけど、セールスを簡単に見せるのがどれほど大変かを、おたくたちは理解していない。」


生産財の営業には、技術的な知識やエンジニアとの協業が必須。

もしあなたの会社のエンジニアが上記のような考えだったら、営業活動は旨くいきませんね。

でも、私はエンジニアの考え方も分かります。元IBMのハードディスク開発エンジニアだったからです。

では、何故、私は営業になったのでしょうか。理由の一つは、営業もエンジニアの仕事と同様にクリエイティブだからです。




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営業関連書籍紹介:『ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)』(その1)- それを作れば、みんなやってくる?

2022-06-05 22:32:24 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)
出版社:NHK出版
著者:ピーター・ティール(関美和訳)

2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。
スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、ここでも営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いている。

「営業は誰もが行っていることなのに、ほとんどの人はその大切さが充分にわかっていない。・・・・

商品のセールスに必要なことを十把一絡げに販売と呼んでいるけれど、その重要性を僕たちは軽んじている。・・・・

営業マンやそのほかの「仲介者」は邪魔な存在で、いい製品を作れば魔法のように販路が開かれると勘違いしている。

特にシリコンバレーでは『フィールド・オブ・ドリームス』的な発想(「それを作れば、みんなやってくる」)が一般的で、エンジニアは売ることよりもクールなものを作ることしか考えていない。

でも、ただ作るだけでは買い手はやってこない。

売ろうとしなければ売れないし、それは見かけよりも難しい。」


スタートアップこそ営業が大事。

そう思いませんか。


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営業関連書籍紹介:『ルートセールスと顧客管理のしごと』- 新人営業と営業職を目指す就活中の学生必読の書!

2022-05-29 18:04:58 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:ルートセールスと顧客管理のしごと
出版社:日本実業出版社
著者:柴垣謙介(中小企業診断士)

生産者と消費者の間に代理店や販売店が介在する間接販売方式を採用している生産者等で訪問販売に従事する営業マンをルートセールスマンと呼ぶ。

この営業マンが販売促進と配送を兼ねて一定のルートに従い、巡回訪問することをルートセールスと言うわけである。

この本は、初めてルートセールスに従事する人を対象に、非常に判りやすく親切に書かれている。

就職活動中の学生も実務経験がないとぴんとこない部分もあるかもしれないが、営業職を希望するなら一読すべき内容である。

日本の流通では、まだまだ、直販よりも代理店や販売店経由の販売が圧倒的に多い。

逆に代理店や販売店の人もこの本を読むことにより貴社を担当するメーカー等の営業を理解し、うまく活用することができるのではないかと考える。

章立ては以下のとおり。

パート1 ルートセールスのしくみとしごと
パート2 有力な得意先づくりにどう取り組むか
パート3 顧客との接点活動を充実させよう
パート4 セールススキルを高めよう
パート5 営業成果を高める行動管理と自己管理
パート6 顧客管理とその着眼点

ここで取り上げる本は良書ではあるが、古い書籍もあるので、古書店や図書館(国会図書館には必ずある)あるいはAmazonでお探しください。

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営業関連書籍紹介:『最強の営業組織 7つの戦略』- 大手企業の営業戦略の概要を勉強するにはよいかもしれないが。

2022-05-22 10:01:46 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:最強の営業組織 7つの戦略
出版社:ダイヤモンド社
著者:Mark MarroneおよびSeleste Lunsford(ArchieveGlobal社-教育コンサルティング会社)
訳者:㈱富士ゼロックス総合教育研究所

営業部門が直面している課題の中に、顧客の購買行動の変化として逆オークションのような近々の課題が取り上げられていることが新しい。

また、顧客とのインタビューの中から、以下の7つの戦略を見出し、その概要、必要なアプローチ、教訓等を説明している。

・ 販売チャネルのマルチ化
・ 営業人材の適正配置
・ ITの活用
・ コンサルティング営業の実践
・ 営業担当者の育成
・ 営業マネジャーの育成
・ 営業の組織文化の醸成

戦略内容に特別なものはなく、腹に落ちる内容ではなかった。

恐らく原書の「Strategies That Win Sales」を要約してまとめたのではないか。

大手企業の営業戦略の概要を勉強するには多少役立つかもしれない。

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営業関連書籍紹介:『ハイブリッドセールス戦略 』- 属人的で生産性の低い営業の現場を刷新

2022-05-14 22:19:38 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:ハイブリッドセールス戦略 - 法人営業部隊の刷新
出版社:幻冬舎
著者:吉田融正(よしだ・みちまさ)ブリッジインターナショナル㈱代表取締役社長

経営環境が変化していく中、いまだに属人的で精神論がまかり通り、生産性も低い営業現場の改革としてハイブリッドセールス戦略を提案。

この戦略は、営業を従来からの対面営業(フィールドセールス)と、電話、Web、メールなどを活用する非対面営業(インサイドセールス)とでプロセス分業し、効率的な体制で、「顧客層」に応じて営業のリソースを適正配置するもの。

インサイドセールスも、従来のテレマーケティング等のようなシンプルなアプローチではなく、問題や課題を見つけ、それを顧客にとってより重要なものに育てていく、一段深いアプローチを提案する。

このため、「訪問営業がだめならテレセールスをやらせろ」といったテレセールスを成績不振の営業の受け皿としてではなく、フィールドセールスと同等の力を持つ専門家の集団として扱う。

そのための新たな人材育成の方法も紹介している。

事例も載っているが、残念ながら内容は薄い。

この本で戦略の大枠を捕らえ、インサイドセールスについて更に研究し、自社の商品やサービスの内容を鑑みて検討すべきであろう。

なお、著者は私と同じ日本アイ・ビー・エム出身であるが、ITの導入を紐解いた本ではない。むしろCRM等の導入の困難さを認識した上での提案である。

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営業関連書籍紹介:『どんな人にも大切な「売る力」ノート』 - 社会人の常識として!しかし、私は絶対にやらない話も。

2022-05-08 21:19:52 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:どんな人にも大切な「売る力」ノート 最年少役員が書き続けた仕事の「気づきメモ」
出版社:かんき出版
著者:津田晃(つだあきら)

著者が野村證券の営業として書き続けてきた「備忘ノート」をベースにしたものであるが、営業だけでなく、社会人としての心構えも説いた本。
著者は、個人顧客を対象に営業したと思われるが、法人営業であっても次のような言葉は通じる。ただ、そうでないと言える言葉もある。

・「売る力ということは、信頼を得ることと同じことなのだ」
・「仕事ができるかできないかの差は、生まれ持った性格よりも取り組み方の差によるもの」
・「営業マン自身の魅力や人柄、プレゼンの力などの人間力が発揮されれば、売れないものでも売れていく」、
 「だから重要になるのはサービスと心配り」(小さな商談であれば成り立つ話であるが、SPINで取り上げているような大型商談ではこれだけでは不十分。より戦略的なアプローチが要求
  される)
・「能力よりも、意欲が勝負を分ける」(意欲は成功の前提条件)

また、営業のノウハウとしての、
・「営業に行ったら帰る間際に何らかの宿題をもらってくるのが理想」
・「交わした会話から相手を知り、次の準備につなげていく」
・「目的を持って顧客のところに行く」
は、ニール・ラッカム(Neil Rackham )SPINの考え方の一部であるが、もっと強烈に強調したいポイントである。

また、人生観に関わる話として、
・「努力=結果でないのが仕事の世界、しかし、一定以上の努力が幸運を呼び込んでくれるという経験」
・「自分の目標を見つけてコツコツ積み上げていくこと」
・「人と比べて迷うくらいなら、自分なりの目標を立てて確実に進んでいくほうがお得」
・「チャレンジし続ける心を持つ」
は、自分でも社会人一年生のときにライフデザインを作成し、こつこつ実行してきたので肯ける。
多少、会社や上司に不満があっても、しっかりとしたプランがあれば、悩まずにすむ。

しかし、
・「遅くまで飲んだ翌日こそ朝一番で出社」
これは、お金を積まれても私はやらない。

・「営業という仕事は、マナーや話し方の基本を教えることはできても、その後の発展部分は各々が経験を積みながら自分なりのやり方を見つけていくもの」
そうではなく「その後の発展部分」を個人に任せず、より科学的なアプローチを考えるのがこのブログや『理詰めの営業』の目的でもある。

 本の内容はかなりソフトで穏やかな内容であるが、野村證券で最年少で役員に抜擢されたことを考えると、かなりしんの強い、場合によっては過激な、バイタリティー溢れる方ではないかと推測する。しかりつけるような本であればもっと面白いであろうに。

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営業関連書籍紹介:『大前研一と考える営業学・・・』- 大前研一が「営業」をどう料理するか?

2022-05-01 13:37:24 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:大前研一と考える営業学 営業こそプロフェッショナルを目指せ
出版社:ダイヤモンド社
著者:大前研一(㈱ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長)、ほか

大前研一が営業をどう料理するのか、かなり期待して読んだが、期待外れであった。

大前研一をしても営業を科学するのは難しいということであろう。

確かに、本のタイトルも「大前研一の・・・・」ではなく、「大前研一と考える・・・・」と、いつもより一歩引いたタイトルである。

章立ては以下の通り。

第一章 営業のプロフェッショナル化
第二章 問題解決型営業のすすめ
第三章 営業のマーケティングマインド
第四章 営業のセルフ・マネジメント力
第五章 営業チーム力の向上

どの章も重要な内容であるが、今までの大前研一の本には必ずあった、斬新さ、「目からうろこ」といったところが、残念ながらなかった。

具体的なソリューションとしては、アビームコンサルティングの『ロジカル・セリング』や弊社の『理詰めの営業』の方が、一歩あるいはそれ以上進んでいる。

ちなみに「営業学」という学問領域はなく、営業はマーケティングの販売チャネルの一部として研究されているのみである。

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