衣・考

松本衣デザイン専門学校校長・太田が、衣服とその周辺、デザイン他について感ずること考えることを書きます。

初めてコメントいただきました

2006-12-14 16:46:19 | 衣・考
12月9日にコメントくださった方、ありがとうございました。
これでやっと、「ブログ体験」をした思いです。
教師を長くやっているものにとって、もっとも気をつけるべきは「おしつけ」です。あらためて心します。
で、その学生は、遅ればせながら、自分でテキスト注文をし、もう一方は、使い古しを譲り受け、本日はご機嫌で受講しておりました。めでたし。嬉しかったです。
                           M

松本衣デザイン専門学校

若者へ、我が学生へ

2006-12-12 17:07:04 | 衣・考
安曇野の我が家から見る日の出は、今朝7時7分。小さめの、真っ赤な太陽。太陽の大きさが、日によって違うのはどうしてでしょう?きょうの朝日は数分で雲隠れでした。私の食卓椅子から真正面に朝日が見えます。太陽には、本当にエネルギーがあります。朝日がきれいに見えた日は、「よし、今日もできる!」と思います。
これ以上の幸せは無いように思えます。

我が校には、学生が運営している、学生作品を売る[i-design club shop]というのがあります。販売担当は、ファッションビジネス科2年生。ほとんど毎日のように
小さな事件が起こっているようですが、そのうちの1つ。
オープンして数年がたちますが、はじめてのこと、結構ショックです。店の御客さま用紙袋を、学生数人が私用に使っていたのです。これは背任行為です、遣いこみと同じです。
「倫理観」というのは個人差がかなりあるもののようですが、どんな人でも嘘がつけない相手は、自分自身です。自分がよい悪いをきめていることが必ずあります。
その自分が後ろめたく思ってしまうことをしては「ダメ」と言いたい。金額は問題ではありません。現金であれば、いくらならよい、ということではない、とすぐにわかります。「物」も同じです。学生のうちにここをはっきり意識しておかないから、世の中、汚職だらけなのではないですか?わたしは、ここのところをはずすようなら、人間をやめよう、と思っています。
担当の教師が、使った分を支払うようにいったようですが、あなたがたが、支払うことで「すっきり」してしまうのであれば、支払わないでほしいです。心の傷として、しっかり記憶しておいてほしいです。ほんと、学生のうちでよかったです。
                         M

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若者へ、我が学生へ

2006-12-11 16:47:58 | 衣・考
昨日一日で、北アルプスの前山、安曇野の守り神である有明山が真っ白になった。やっと冬到来。あまり暖かいのも不気味だ。パリでもベルギーでもそんな声を聞いたので、よけいに気になる。それにしても、いよいよ朝の山はきれいです。

金曜日に授業を追い出した学生は、なにも言ってこない。顔を合わせても、不機嫌なわけでもなく。私としては、私ぐらいに言われて、そんなに素直に引き下がるなよ、と言いたい。あなたには、授業を受ける権利があるよ。そう、「権利」の主張を学校でも家庭でももっと教育するべきではないか。こんなことでは、社会でおしつぶされてしまうよ。学校では、私や教師と言い合うために授業料を払っているぐらいに考えるといいよ。練習なのだから。もちろん、学生同士も言い合いをするほうがいいよ。M

スタイリングの話もしたいのですが。

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若者へ、我が学生へ

2006-12-09 15:49:04 | 衣・考
昨日のできごと2つめ。
授業の教材を買わずに、なんの準備も無しに受講しようとした学生がいて、退場してもらった。2つのクラスで各1名。
高校までは、たぶんそれで通ってきたのだろう。しかし、専門学校の次は、社会なのです。「社会人」の準備をすることが、専門学校の一番の目的であると私は考えます。でも、こういう態度にでるとき、こちら側には相当の覚悟があり、でも、あと結構考え込んだりしてしまうのです。これでよかったのかどうかと。今でも思います。学生の側はどうなのだろう。お茶でも飲みながら、聞いてみようと思う。


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今どきの若者へ、わが学生へ

2006-12-08 16:50:50 | 衣・考
旅行ぼけどころではない話。
ブログの名前とも関係ない話と思いつつ我慢して呼んでいてくださる方がいらっしゃるかと思いますが、実は、すべて繋がっていると考えるのが「衣デザインはスタイリングから」の意味なのです。
昨日、校内でのこと。
「一回殺してーよな、あいつ、ったくー」と大声。声の雰囲気からすると、とくに物騒な様子でもなく、だれの声かもすぐわかった。でもすぐに近くへ行って「そういう言葉を口にだしてはだめ」と注意した。言った本人は素直に「すみません」。でも、私の気持ちを理解したのだろうか。
命は1つ、1回だけ。個人的なものでもない。命は、歴史的なものであり社会的なものであると私は考える。若いときはわからなかった。自分の命は、自分で勝手にしていいと思い込んでいた。だから今、若い人に伝えたい。しっかり勉強して、考えて、自分の命も他人の命も大切なんだとわかるようになろう、はやく。
また、自分が吐き出す言葉も大切にしよう。相手は「受け留めてしまう」のですよ。相手の心に入ってしまうのですよ。皆が無責任な言葉を吐き続けたら、社会はどうなりますか?
どうか、充分に考えてください、考えつづけてください。M

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アントワープ

2006-12-07 16:46:59 | 衣・考
アントワープの街には、人々の装いだけでなく、古い建物の壁にもときどき赤を見かける。で、街全体がまるで、あのブリューゲルの絵のようなのです。気になるので、31年間この街に住んでいるという人に聞いてみましたが、ブリューゲルを意識して街づくりをしているなどという話は聞いたことがないとのこと。ではきっと、私の思い入れがそう見えてしまうのでしょう。印象として、思いでとしては美しいので、このままのイメージを抱き続けようと思います。M

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アントワープ

2006-12-06 18:44:22 | 衣・考
Mayer Van den Berg Museum
上野のベルギー美術展でブリューゲルに心ひかれた直後だったので、個人的な最大の関心は、この美術館だった。閉館40分前のあやうい入館で、急いで「狂女フリート」の前へ。対面。薄暗い小部屋に、大きな薄暗いわけのわからない絵。ひとつひとつのディテールは、とてもリアルでわかりやすいのに、全体になるとまるでわからない世界。横の壁に、気になる小さな絵がある。これこそ実は好きなブリューゲルの絵。画面いっぱいに、村人たちがおもいおもいのかっこうで、大勢描かれている。画面全体として、ほぼ等間隔に配置されている赤の色にとてもひかれる。
到着以来気になっている、街の人々のアクセントカラーと同じ赤。M

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アントワープ2日目

2006-12-05 16:50:27 | 衣・考
<MOMU訪問>
 美術館;現在活躍中の、特にアントワープ6人衆を中心に、今シーズンの新作が数点ずつコーナーになって展示されている。それが90センチぐらいの高さのステージ。そのステージ周辺が、デザインソースになった歴史的な布や装飾品の展示ケース。レースや刺繍やピンタックであったり、ペーズリー柄であったり、紋章や家具の一部や・・・・・
 10坪程度の小部屋には、1960年代(?だったと思う)のシャネルスーツ が1点だけ。ベルギー王妃が実際に愛用されていたものとのことで、写真も添えられている。ここは、学校も「王立」なのだが、王妃の日常着が1点だけ展示されていることに、妙に感動をおぼえた。形だけの支援ではないものを感ずる。
 1階入り口には書店;世界中のファッション、デザイン関連の主に写真集がそろっている
 その裏側は、カフェレスト;ここの学生や教師の利用が多い。結果、オシャレな人のたまり場
 階を、もう忘れてしまいましたが、学生作品の展示室には、現物とデザイン画その画は、決して小器用なものはなく、完成度も未熟ではあるが、外へ伝えたい気持ちが充分に届いてくる。技術より先に、意欲や気持ちがそこにある。なぜ日本のデザイン画はこうではないのだろう。我が学生は、これをどう見たのだろう。
 帰国後最初の授業できいてみよう。われわれ指導側の大きな課題ともいえる。
 あと、学校部分。教務の階と教室の階。建物は、地味で小さいけれどとても快適で美しい空間になっている。吹き抜けの階段部分がや踊り場が、建物の小ささに不釣合いなぐらいゆったりしている。コンクリートと木材でできている。人や物が美しく見える空間だ。M

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アントワープの街へ

2006-12-04 16:55:13 | 衣・考
アントワープ中央駅近くのホテル。
荷物だけ置いてすぐに街へ。狙っていたカフェレストランDe Foyerへ。コンサートホールの2階、概観はぱっとしないけれど中は予想以上に素晴らしい建物(他のヨーロッパの街とくらべてアントワープは概ね外観より中がすばらしいように思う)雰囲気もよく、なおかつカジュアルで明るい、当たり!!2種類のランチメニューは、①マッシュポテトとソーセージ②ミートボールと小ジャガイモの煮込み、16€と18€、日本のランチの倍の値段だけれど、量も倍。さっそくベルギービールのおすすめのものを。きれいな紅茶のような赤いビール、苦味がなくさわやかでおいしい。食事によくあう。料理もパンもとてもおいしい。おなかがすいていたので、せいいっぱい食べるけれど、残ってしまう。残りはつつんでもらった。
ファッションで有名なMOMU近くは、新興地のおもしろさはあるものの、アントワープの魅力ある店は、このDe Foyer近くに集まっているように思う。
正面の花屋さん、ベルギー産の布しか使わないF.デザイナーの直営店(中世から現代までのすべての時代を総まとめにしたような、不思議な、魅力ある服。こんな服は見たことが無い。一緒に行った学生の一人が、熱烈に気に入って、10歳のこども服を試着したい、と言ったら、子供用だからダメ、ときっちりことわられた。
                          M

昨日のつづき(アントワープ)

2006-12-02 16:24:49 | 衣・考
一組だけが、とても楽しそうにひっきりなしにオランダ語で話している。おじさんふたり。この距離で生のオランダ語は初めて聞く。ドイツ語のような突っかかる感じがもうすこし「ゆるい」。ドイツ人が米語を話しているような感じ。あとおそらくドイツ人女子大生、もくもくと読書をつつけている。そして、新聞をよむアメリカ人、私の前はベルギー人、そしてわれわれ日本人。つくずく、こんな風に混ざっている状態が世界の常識なのだと思う。でも、まだやはり、彼らが我々を見る目には、ものめづらしく思っている様子が伺える。
窓の外は、地平線。白い牛や羊のいる牧草地だったり、野菜畑、麦畑、ほとんど緑で黄、紅葉がすこし。山がまったく無い。草原にぽつりぽつりある農家が美しい。広告看板ゼロ。高圧電線塔までレースのように美しい。意味のわからない会話は心地よいBGM、目に見えるのは「のどか」そのもの。
ときどき古い塔のようなものもある。ローマ帝国のものか、ロマネスクか?
1時間ちょっとで、ブリュッセル到着。雨。さっきのフランス人が「やっぱりこんな天気」とうんざり顔で言う。
ここでバスに乗り換え、1時間ほどでアントワープ。
第一印象、建物が煤けて汚れているので暗い。