衣・考

松本衣デザイン専門学校校長・太田が、衣服とその周辺、デザイン他について感ずること考えることを書きます。

映画「パリ20区、僕たちのクラス」みました。おススメします。

2010-07-15 09:33:33 | 衣・考
映画評で、製作方法などは話題ですが・・・

移民の子供たちの「個性」に圧倒され、授業風景に圧倒されました。

日本の中学校と、こうも違うか!と。良くも悪くも。

とにかく、生徒も教師もしゃべる、しゃべる、しゃべりまくる・・・・主張する

これは、われわれは負ける!

国語の授業、という設定ですが、とくに文法を指導しているので、話題は何であれ、教師側は、詳細に、くどく繰り返し注意しつづける。文法も態度も・・・・

生徒の側は、文法などそっちのけで、教師へ多岐にわたる自分の疑問をぶつける。

教師は、それに応えつつも授業をすすめる・・・

圧倒的なアイデンティティー!

移民だから?(クラス中が移民の子供)

15歳ぐらいで、全員が、すでに自分史の背景、境遇を自覚している。だから、強烈な個性を発揮する。

ドキュメンタリースタイルで、唯一のドラマが「退学」なのだが、

「退学」は移民前の「国へ戻る」ことにつながる・・・・・

子供が「生きようとしている」感じが伝わってくる。

また、教師も一生懸命、結構熱血漢だったり「熱心な教師」ぞろいなのだが・・・・

生徒が多民族なのに対し、教師側はほぼ全員フランス人らしい。

その対立文化も際立つ。

生活や人生の苦労のレベルが大違いなのだ。

と、こんな風に、観る者によって、様々な見方をさせるために、「ドキュメンタリー」スタイルなのだろう。

これが演技なのだから、また凄い!

おススメします!

30年ぶりぐらいの岩波ホール、古くてもきれいで落ち着いた、やはりよいホールでした。