衣・考

松本衣デザイン専門学校校長・太田が、衣服とその周辺、デザイン他について感ずること考えることを書きます。

「分からないもの、嫌いなもの・・・・」

2010-07-07 10:02:10 | 衣・考
若者の行動を見ていると、

分からないもの、嫌いなものを拒絶してしまう傾向に気付く。

それをどうにかしなくてはならないのが教育だと私は考える。

ところが・・・・

世の大人たちは、こぞって

「好きなことをしなさい」と言う。

そう言われて育ってきているのだ。

わたしは「嫌いぐらいから始めたほうがおもしろいよ」と言うのだけれど・・・・

と思っていたら

助っ人登場!

(以下抜粋です)7月3日付朝日新聞 be「フロントランナー」

佐藤辰美さん:現代アートコレクター の言葉

・・・前略・・・・

―略・・・若手作家、しかもコンセプチュアルアート作品を多く集めていますね。

・・・略・・尊敬する河原温さんから「分からないもの、嫌いなものを買え」と教わりました。分からない、嫌いだと感じるのは、表現されているものが自分にないものだから、接するうちに何かをつかみ、発見することこそが「行為」だと。その機会を求める中で、結果的にコンセプチュアルアートが多くなるのではないでしょうか。・・・・略

(以上、抜粋おわり)

子供のころに読んだ童話など、わからないだらけでしたが、おもしろくておもしろくて読んだことを思い出します。

読んであるから、大人になって、ある日突然、「あっ!」とわかるときを体験するのが、またおもしろいのです。

この歳になっても、明日はどうなるのか、死をどうむかえるのかなんて、まるでわかりません。

分からない中へ、突き進んでいくのが人生なのですから・・・・・・

分からないこと、嫌いなことこそが、自身を大きくする、と言ってもいいぐらいです。