「頻繁に急ブレーキ」 運転に不安、乗客が証言 2012年5月1日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050111270011-n1.htm
群馬県藤岡市の関越自動車道で乗客7人が死亡した高速ツアーバス事故で、河野化山運転手(43)がJR金沢駅前を出発した後、頻繁に急ブレーキをかけ、乗客が不安に感じていたことが1日、群馬県警の調べで分かった。県警は河野運転手の当時の健康状態を詳しく調べている。
県警は1日までに、乗客約20人から事情を聴いた。運転席に近い左側最前列の座席に座り、重傷を負った女性(23)は「(河野運転手は)よくカーナビの画面を見たり、急ブレーキをかけたりしていた。心配だった」と話した。
ツアー会社によると、河野運転手は、4月28日午前8時ごろ、仮眠のため石川県白山市のホテルにチェックイン。午後4時半ごろ、チェックアウトし、同10時10分、金沢駅前を出発。しかし河野運転手は県警に「居眠りをしていた」と説明しており、きちんと休憩できていたのか調べている。
「休憩中に突っ伏して寝ていた」 居眠り運転の原因は?勤務実態解明へ捜査 2012年5月1日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050100160000-n1.htm
高速ツアーバス事故で、国土交通省関東運輸局は30日、バス会社「陸援隊」(千葉県印西市)に道路運送法に基づく特別監査を実施した結果、運行に関する書類に同法違反の疑いがある項目が複数箇所見つかった。群馬県警や国交省は陸援隊の針生裕美秀社長らから事情を聴くが、今後の捜査や調査は、河野化山運転手の勤務実態解明や、安全管理上の不備がなかったかが焦点となる。
「休憩中に突っ伏して寝ていた」「車内アナウンスがあやふやだった」。運転手の居眠り運転の兆候だったのか、負傷した大学生(22)は別の乗客からこんな話を聞いた。大学生の席のシートベルトは壊れて装着できなかった。
近畿運輸局も同日、ツアーを募集した旅行会社「ハーヴェストホールディングス」(大阪府)に旅行業法に基づく立ち入り検査を実施した。県警や国交省が注目しているのは、居眠り運転を招いた要因だ。
ハーヴェスト社によると、バスは運行指示書に記載された上信越道経由ではなく、北陸道から長岡ジャンクション経由のルートを通っていた。なぜ河野運転手はこのルートを選んだのか。県警は過去の運転時間や運行距離などが確認できる「タコグラフ」や「カーナビゲーション」を押収、解析を進めている。
県警などが特に注目しているのが、運転手の勤務実態。運転手は事故前日の4月28日朝、JR金沢駅に到着。午前8時ごろ、石川県白山市のホテルにチェックインし、午後4時半にチェックアウトした。
再び金沢駅で乗客を乗せ、出発したのは午後10時10分。ホテルの滞在時間は8時間余りだった。県警幹部は「居眠り運転の要因は、仮眠を取らないなど本人が招いたものなのか、無理な勤務実態、管理の不行き届きが原因か。今の段階では分からない」と話す。
ただ、夜間の長距離運転にもかかわらず、交代要員が同乗していないなど、運転手の過労防止策が不十分とみられる点もあり、県警や国交省が捜査・調査を急ぐ。バス会社が過労を知りながら運転をさせていたとすれば、道路交通法(過労運転の下命)などに抵触する可能性もあるためだ。
県警はこれまでに重軽傷を負った39人のうち22人から話を聴いた。そのうちの一人は、「運転手はカーナビの画面を見たり、急ブレーキをかけたりして心配だった」と説明したという。
「運行指示書」とは違うルートで遠回り 2012年5月1日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050108470005-n1.htm
群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡した高速ツアーバス事故で群馬県警は30日までに、自動車運転過失致死傷容疑で河野化山(こうの・かざん)運転手(43)の逮捕状を取った。同日にバス会社などを家宅捜索。ツアー会社への取材で、バスが「運行指示書」とは違う遠回りのルートを使っていたことが判明したほか、一部の乗客のシートベルトに不具合があったことも分かった。(サンケイスポーツ)
楽しいはずの大型連休が暗転し、7人の命が奪われた事故。河野運転手自身も重傷を負って入院しているため、群馬県警は回復を待ち逮捕する。
県警は同日、千葉県印西市のバス会社「陸援隊」と、同じ敷地内にある針生裕美秀(はりう・ゆみひで)社長(55)の自宅を家宅捜索。事故車両も一部復元して実況見分し、座席を並べて衝突時の詳しい状況を調べた。
ツアー会社「ハーヴェストホールディングス」(大阪府豊中市)によると、「運行指示書」には上信越自動車道を通るルートが書かれていたことも判明。県警は押収した運行記録計を分析するとともに、勤務日報や就業規則から管理上の問題がなかったかどうかや、遠回りになる関越道ルートを使った理由を調べる。
同社によると、走行ルートは運行指示書に記載しているが、天候や道路の状況などから運転手の判断による変更を認めており、連絡も必要としていなかった。針生社長はハーヴェスト社に「なぜ関越道を行ったのか分からない」と話している。
一方、事故で後頭部を十数針縫うけがを負った乗客の大学4年生、香林聡志さん(22)=金沢市=が、座席のシートベルトが壊れていて装着できなかったと話していることが30日、家族への取材で分かった。
母親の真実さん(47)によると、香林さんは10列目の右窓側の席におり、「(事故発生直後に)気が付くとバスの床に倒れていた。シートベルトを締めていたら飛ばされなかったはず」と話したという。
香林さんは千葉県で友人と会うため、バスに乗り事故に遭遇。29日夜に金沢市に戻った。事故後、ほかの乗客と会話した際に「運転手は休憩中に突っ伏して寝ていた」という話が出ていたという。
バスは28日夜、JR金沢駅を出発し、約400キロ離れた関越道藤岡ジャンクション付近を通過していた29日午前4時40分ごろ、左側の鋼板製の防音壁に正面から衝突。男女7人が死亡し、女性3人が重体、運転手を含む36人が重軽傷を負った。
ガードレールと防音壁の隙間で被害拡大 2012年5月1日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050101010002-n1.htm
群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡、39人が重軽傷を負った高速ツアーバス事故で、バスが衝突した防音壁と直前に設置されたガードレールの間に20~30センチの隙間があったことが30日、捜査関係者への取材で分かった。この隙間にバスがはまり込むように衝突、防音壁がバスに深く刺さったとみられ、群馬県警捜査本部は隙間が被害を拡大したとみて調べている。
重傷を負っている河野化山(こうの・かざん)運転手(43)は居眠り運転を認めており、捜査本部は自動車運転過失致死傷容疑で逮捕状を取るとともに、同容疑でバスを所有する千葉県印西市の「陸援隊」と、同じ敷地内にある針生裕美秀(はりう・ゆみひで)社長(55)宅を家宅捜索。運行状況の解析を進める。
捜査本部によると、実況見分の結果、防音壁は全長約12メートルの車体の前方左から、約10・5メートルまで貫いていた。最後尾前列の10列目まで達し、左側2列の座席を押しつぶした。死亡した7人中6人は左側1~5列目に座っていた。
防音壁直前のガードレールには衝突の跡があり、道路外側に傾いていた。バスはガードレールに衝突後、隙間を押し広げながら、バスの前面から防音壁に突き刺さるように激突。速度計は時速92キロで止まっており、衝突時は時速90~100キロとみられる。
高さ約3メートルの防音壁の地上約1メートルまではコンクリート製で、その上に金属製の厚さ約10センチの壁を設置。捜査本部は、コンクリート製の土台部分がバスの車体下部をえぐったとみている。
道路管理者のNEXCO東日本は「防音壁の土台が設置された約30年前は隙間を作らない設計思想がなかった」としており、古い路線では同様の隙間があるという。
関越道事故 河野容疑者「ホテルで寝たり起きたり」 空白の8時間半、何が… 2012年5月2日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050206590004-n1.htm
「居眠りをした。疲れていた」。河野化山(こうの・かざん)容疑者(43)はこう供述しているという。あやふやなアナウンスをしたり、頻繁に急ブレーキをかけたという河野容疑者の「疲れ」の原因は何か。事故前日に仮眠を取ったホテル滞在中の「8時間半」が事故原因の解明の鍵を握りそうだ。なぜ運行指示書にはなかったルートを利用したのかも、謎として残されている。
事故前から居眠り運転の兆候はあった。「急ブレーキをかけたりしていた。心配だった」。運転席に近い最前列左側の座席で一命を取りとめた乗客の女性(23)はこう話す。
女子大生(21)は「左右に揺れていて事故が起きるのではないかと思った」と振り返る。「3回休憩した。1回15分くらいだった」(容疑者の供述)。その際、ハンドルに突っ伏して寝る容疑者の姿が乗客に目撃されている。
河野容疑者は事故2日前の4月27日から乗務。それまで3日間程度は休暇だったとされる。27日夜に客を乗せ東京ディズニーリゾートを出発、28日朝にJR金沢駅に到着した。乗客を降ろし、午前8時ごろに石川県白山市のホテルにチェックインした。
午後4時半にチェックアウトするまでの「空白の8時間半」について、河野容疑者は「寝たり起きたりしていた」と供述。睡眠が十分取れたかは不明だ。チェックアウト後から出発までについては「食事をしたりして時間をつぶした」と供述しているという。
河野容疑者が33人を乗せ金沢駅を出発したのは午後10時10分。11時20分にJR高岡駅で12人を乗せたバスは北陸道へ入った。
「車内アナウンスがあやふやだった」と乗客は証言する。捜査幹部によると、河野容疑者は難しい日本語は分からないという。
河野容疑者側に示された運行指示書には、北陸自動車道から上信越自動車道を経由して東京ディズニーリゾートに向かう計510キロの一般的なルートが示されていた。だが、実際には、35キロ遠回りの北陸道から長岡ジャンクション(新潟県)経由で関越道に入る計545キロのルートを走行していた。当時、渋滞などは発生していない。河野容疑者は繰り返しカーナビの画面を確認していた。なぜ遠回りになるルートを選んだのか。「金沢駅から高岡駅。高岡駅から高速道路に乗った。(乗った)インターチェンジの名前は忘れた」との供述にとどまっており、解明はこれからだ。
バス会社 半年前からツアー頻繁に 背景に震災と原発事故 2012年5月2日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050201270003-n1.htm
「震災をきっかけに仕事が百八十度変わった」-。関越自動車道のバス事故で、ツアーバスを運行していた「陸援隊」(千葉県印西市)は、昨年の東日本大震災で外国人観光客が激減し、半年前から夜行のツアーバス事業へ本格参入していたことが1日、分かった。群馬県警捜査本部は、自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された運転手、河(こう)野(の)化(か)山(ざん)容疑者(43)が事故原因に「居眠り」と「疲れ」を挙げていることから、運転業務が激変したことが体調管理の不備につながった可能性もあるとみて、勤務状況などの解明を急ぐ。
「外国人向けの仕事はほとんどなくなり、専門にしていた会社にとって死活問題になっていた」
陸援隊と同様に、来日外国人観光客向けの「インバウンド」と呼ばれる観光業務を主にしていた千葉県佐倉市のバス会社の社員は、そう話す。
成田空港に近い佐倉市や印西市のバス会社は、インバウンドの需要が多く専門会社もあった。しかし、震災で外国人客が激減。「外国人向けの仕事はうちの場合、100%なくなった」(印西市のバス会社の社員)という。
佐倉市の会社の社員は「多少安い値段でもバスを動かして収入を得ようと、各社が夜行の高速ツアーバスに参入した。同様の会社は空港の周りにごろごろいる」とも話す。
海外でも知名度
陸援隊の針生裕美秀(はりうゆみひで)社長(55)は、民間信用調査会社などによると、タイヤ販売会社などを経て昭和59年、バス運送業を創業。平成9年に陸援隊の前身となる「針生エキスプレス」を立ち上げた。インバウンドを中心に、東京都内の大手旅行会社や中国、シンガポール専門の会社数社とも取引。海外にも名前を知られていたという。
ところが、22年ごろから円高が急速に進行し、外国人客が減少。同年9月の尖閣諸島・中国漁船衝突事件で、中国人客も伸び悩むようになった。
売り上げが減少したところに昨年3月、震災と東京電力福島第1原発事故が発生。昨年の来日外国人客は約621万人と前年より27%減り、日本政府観光局によると統計を取り始めた昭和39年以降で最大の減少幅となった。
千葉県のバス業界の関係者は「陸援隊は震災前はたまに請け負う程度だったツアーバスを、半年ほど前から頻繁に出すようになった」と証言する。
22年前の車両
陸援隊のバスは、首都圏のバスに課される規制の対象外だったことも分かった。首都圏では平成14年に施行された自動車窒素酸化物(NOx)・粒子状物質(PM)法で、古い車両は保管や車検の更新ができないが、印西市はこの対象外。事故を起こしたバスは製造から22年になる2年式の三菱自動車(現三菱ふそうトラック・バス)製で、事故で負傷した大学生(22)の座席のシートベルトは壊れて装着できなかったことも分かっている。
埼玉県の貸し切りバス会社の会長は「どの会社もできるだけ経費を抑えて利益を出そうとしていた。その中で突然、外国人が減り、仕事のえり好みをする余裕がなくなった。仕事があれば何でもやる」と、業界の置かれた状況を代弁した。
ツアーバス激突 客の争奪激化 「豪華」と「格安」二極化 2012年5月1日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050107580004-n1.htm
高速ツアーバスは、鉄道や、定期の路線バスによる高速路線バスと比べ料金が格安であることから人気を集めた。高速路線バスの半値以下で販売されるものも多い。過当競争の中、近年はツアーバスの中でも設備を高級化するなど差別化を図る動きが出ている。
ツアーバスは、企画する旅行会社の多くが自前のバスを持たず、貸し切りバス会社へ業務委託することでコストを削減した。金沢-東京の場合、高速路線バスの西日本JRバスの片道7840円に対し、事故を起こした大阪府豊中市の旅行会社「ハーヴェストホールディングス」のツアーバスは3500円。他社の最安値は、2900円だった。
最近では45人乗り座席を30席に減らして幅を広く取り、電動リクライニングとテレビやゲームができる画面のついた座席にしたり、新聞を無料配布するなどサービスに力を入れるバスも。
一方で、45人乗りに目いっぱい客を乗せ、東京-大阪を2千円台で販売するなど二極化している。ツアーバス同士でも料金が4倍近く異なる路線もある。
観光コンサルタントの大坪敬史氏は「インターネットで簡単に料金が比較できるため、旅行会社もぎりぎりまで値下げしたりサービスを増やしたりしている。競争はますます激しくなっている」と指摘する。
高速ツアーバス:「1日670キロ」指針に疑問も 2012年05月01日 毎日
http://mainichi.jp/select/news/20120501k0000m040087000c.html
乗客7人が死亡した高速ツアーバス事故で、千葉県印西市のバス会社「陸援隊」の河野化山(こうの・かざん)運転手(43)が走行予定だったルートは約545キロとみられる。国土交通省が08年に示した1人で1日に運転できる距離の指針「670キロ」を下回っていたとして、同社の針生裕美秀(はりう・ゆみひで)社長らは「問題ない」との考えを示しているが、バス運行業者からは指針の有効性に疑問を投げ掛ける声も多い。
警察庁の統計では、高速ツアーバスなどの貸し切りバス事故は年400件前後起きており、10年までの10年間で計4420件に上る。07年の大阪府吹田市で27人が死傷したスキーバス事故を受けて、国交省が08年に指針を示した。旧労働省が89年に定めたバス運転手の1日の運転時間の限度(9時間)を基に算出したもので、高速道路を使えば、東京から岡山までの距離に相当する。国交省安全政策課は「業者への拘束力はなく、違反しても行政処分の対象にはならない」としている。
走行上限670キロ、基準見直し検討 国交省 2012年5月2日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050121400026-n1.htm
関越自動車道の高速ツアーバス事故を受け、国土交通省は1日、670キロとされている運転手1日あたりの走行距離の上限などを定めた指針や、「運転は1日9時間まで」などと定めた国の基準を見直す検討を始めた。今月中にも、バス業界や医療関係者らによる有識者会議を設置する。
国交省によると、現在の上限は大阪府吹田市で平成19年に27人が死傷したスキーバス事故の翌年に施行した指針で示されている。
指針をめぐっては、総務省が21年に貸し切りバス運転手136人を対象に調査を実施。9割近くが運転中に睡魔に襲われた経験があると回答したため、22年9月に「運転者の健康面や生理学的な面を検討して算出されていない」と国交省に改善を勧告した。
しかし、同省はバス業界などとの勉強会で「変更の必要がない」との意見が出たため、見直しを先送りしていた。同省は「上限距離の変更より、事後チェックで指針が守られているかを重視した」と説明している。
事故を起こしたバスは、最短運行距離が約540キロだった。このため、国交省は上限見直しに方針を転換した。
また、同省が運転手の勤務時間や乗務時間に関して告示した「最大拘束時間は1日16時間まで」「連続運転は4時間まで」などの基準の変更も検討する。
同省は「事故原因の調査状況も踏まえた上で、なるべく早く方向性を出したい」と話している。
高速バスの運転ミスによる大事故の続報ですが、各種報道を見ているとどうもこの運転手。JR金沢駅前を出発した後、頻繁に急ブレーキをかけるなど、乗客が心配になるような体調不良状態だったようですね。
往路の運転に入る前に3日間休暇だったことから、まだ若い20代ならば大方遊び過ぎた疲れが抜けていなかったパターンか…とも思うのですが、この運転手は43歳。
今後は運転手の体調が悪い時に(例えば往路先にある相互提携会社と緊急時には有償で運転手を融通しあうなど)代替要員をどう準備していくのか…といった人員補充対策といったことも真剣に考えていく必要もあるのかもしれません。
まあ、隣県の県庁所在地を結ぶ位の一般道しか走らない距離ならば運転手は1人でも問題ないと思いますが、これだけの長距離を走るのだから運転手の体調管理には十分な配慮が必要となってくるでしょうし、そもそもなんでこれだけの長距離路線をツアーバスに黙認しているのか…という問題もあると思うのですが、経費をギリギリまで節約している会社の場合、別の運転手を単独で急遽用意することも難しいでしょうし、走行上限距離や長距離移動の場合の運転手の複数確保といった規制強化も致し方ないのではないでしょうか…。
「運行指示書」とは違うルートを通った問題は、変更そのものはその時の交通事情などもあり一定の裁量権が与えられるのはよいとしても、本部に連絡を入れないというのは解せないですね…(怒!
運ぶ対象が荷物なトラックの運転手とは異なり、家族の危篤など乗客に緊急に連絡を取る必要が出てくる可能性もあるでしょうし、形式上は請負扱いなのかはしりませんが、労務管理にもかなり問題のある会社と言えそうです。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050111270011-n1.htm
群馬県藤岡市の関越自動車道で乗客7人が死亡した高速ツアーバス事故で、河野化山運転手(43)がJR金沢駅前を出発した後、頻繁に急ブレーキをかけ、乗客が不安に感じていたことが1日、群馬県警の調べで分かった。県警は河野運転手の当時の健康状態を詳しく調べている。
県警は1日までに、乗客約20人から事情を聴いた。運転席に近い左側最前列の座席に座り、重傷を負った女性(23)は「(河野運転手は)よくカーナビの画面を見たり、急ブレーキをかけたりしていた。心配だった」と話した。
ツアー会社によると、河野運転手は、4月28日午前8時ごろ、仮眠のため石川県白山市のホテルにチェックイン。午後4時半ごろ、チェックアウトし、同10時10分、金沢駅前を出発。しかし河野運転手は県警に「居眠りをしていた」と説明しており、きちんと休憩できていたのか調べている。
「休憩中に突っ伏して寝ていた」 居眠り運転の原因は?勤務実態解明へ捜査 2012年5月1日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050100160000-n1.htm
高速ツアーバス事故で、国土交通省関東運輸局は30日、バス会社「陸援隊」(千葉県印西市)に道路運送法に基づく特別監査を実施した結果、運行に関する書類に同法違反の疑いがある項目が複数箇所見つかった。群馬県警や国交省は陸援隊の針生裕美秀社長らから事情を聴くが、今後の捜査や調査は、河野化山運転手の勤務実態解明や、安全管理上の不備がなかったかが焦点となる。
「休憩中に突っ伏して寝ていた」「車内アナウンスがあやふやだった」。運転手の居眠り運転の兆候だったのか、負傷した大学生(22)は別の乗客からこんな話を聞いた。大学生の席のシートベルトは壊れて装着できなかった。
近畿運輸局も同日、ツアーを募集した旅行会社「ハーヴェストホールディングス」(大阪府)に旅行業法に基づく立ち入り検査を実施した。県警や国交省が注目しているのは、居眠り運転を招いた要因だ。
ハーヴェスト社によると、バスは運行指示書に記載された上信越道経由ではなく、北陸道から長岡ジャンクション経由のルートを通っていた。なぜ河野運転手はこのルートを選んだのか。県警は過去の運転時間や運行距離などが確認できる「タコグラフ」や「カーナビゲーション」を押収、解析を進めている。
県警などが特に注目しているのが、運転手の勤務実態。運転手は事故前日の4月28日朝、JR金沢駅に到着。午前8時ごろ、石川県白山市のホテルにチェックインし、午後4時半にチェックアウトした。
再び金沢駅で乗客を乗せ、出発したのは午後10時10分。ホテルの滞在時間は8時間余りだった。県警幹部は「居眠り運転の要因は、仮眠を取らないなど本人が招いたものなのか、無理な勤務実態、管理の不行き届きが原因か。今の段階では分からない」と話す。
ただ、夜間の長距離運転にもかかわらず、交代要員が同乗していないなど、運転手の過労防止策が不十分とみられる点もあり、県警や国交省が捜査・調査を急ぐ。バス会社が過労を知りながら運転をさせていたとすれば、道路交通法(過労運転の下命)などに抵触する可能性もあるためだ。
県警はこれまでに重軽傷を負った39人のうち22人から話を聴いた。そのうちの一人は、「運転手はカーナビの画面を見たり、急ブレーキをかけたりして心配だった」と説明したという。
「運行指示書」とは違うルートで遠回り 2012年5月1日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050108470005-n1.htm
群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡した高速ツアーバス事故で群馬県警は30日までに、自動車運転過失致死傷容疑で河野化山(こうの・かざん)運転手(43)の逮捕状を取った。同日にバス会社などを家宅捜索。ツアー会社への取材で、バスが「運行指示書」とは違う遠回りのルートを使っていたことが判明したほか、一部の乗客のシートベルトに不具合があったことも分かった。(サンケイスポーツ)
楽しいはずの大型連休が暗転し、7人の命が奪われた事故。河野運転手自身も重傷を負って入院しているため、群馬県警は回復を待ち逮捕する。
県警は同日、千葉県印西市のバス会社「陸援隊」と、同じ敷地内にある針生裕美秀(はりう・ゆみひで)社長(55)の自宅を家宅捜索。事故車両も一部復元して実況見分し、座席を並べて衝突時の詳しい状況を調べた。
ツアー会社「ハーヴェストホールディングス」(大阪府豊中市)によると、「運行指示書」には上信越自動車道を通るルートが書かれていたことも判明。県警は押収した運行記録計を分析するとともに、勤務日報や就業規則から管理上の問題がなかったかどうかや、遠回りになる関越道ルートを使った理由を調べる。
同社によると、走行ルートは運行指示書に記載しているが、天候や道路の状況などから運転手の判断による変更を認めており、連絡も必要としていなかった。針生社長はハーヴェスト社に「なぜ関越道を行ったのか分からない」と話している。
一方、事故で後頭部を十数針縫うけがを負った乗客の大学4年生、香林聡志さん(22)=金沢市=が、座席のシートベルトが壊れていて装着できなかったと話していることが30日、家族への取材で分かった。
母親の真実さん(47)によると、香林さんは10列目の右窓側の席におり、「(事故発生直後に)気が付くとバスの床に倒れていた。シートベルトを締めていたら飛ばされなかったはず」と話したという。
香林さんは千葉県で友人と会うため、バスに乗り事故に遭遇。29日夜に金沢市に戻った。事故後、ほかの乗客と会話した際に「運転手は休憩中に突っ伏して寝ていた」という話が出ていたという。
バスは28日夜、JR金沢駅を出発し、約400キロ離れた関越道藤岡ジャンクション付近を通過していた29日午前4時40分ごろ、左側の鋼板製の防音壁に正面から衝突。男女7人が死亡し、女性3人が重体、運転手を含む36人が重軽傷を負った。
ガードレールと防音壁の隙間で被害拡大 2012年5月1日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050101010002-n1.htm
群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡、39人が重軽傷を負った高速ツアーバス事故で、バスが衝突した防音壁と直前に設置されたガードレールの間に20~30センチの隙間があったことが30日、捜査関係者への取材で分かった。この隙間にバスがはまり込むように衝突、防音壁がバスに深く刺さったとみられ、群馬県警捜査本部は隙間が被害を拡大したとみて調べている。
重傷を負っている河野化山(こうの・かざん)運転手(43)は居眠り運転を認めており、捜査本部は自動車運転過失致死傷容疑で逮捕状を取るとともに、同容疑でバスを所有する千葉県印西市の「陸援隊」と、同じ敷地内にある針生裕美秀(はりう・ゆみひで)社長(55)宅を家宅捜索。運行状況の解析を進める。
捜査本部によると、実況見分の結果、防音壁は全長約12メートルの車体の前方左から、約10・5メートルまで貫いていた。最後尾前列の10列目まで達し、左側2列の座席を押しつぶした。死亡した7人中6人は左側1~5列目に座っていた。
防音壁直前のガードレールには衝突の跡があり、道路外側に傾いていた。バスはガードレールに衝突後、隙間を押し広げながら、バスの前面から防音壁に突き刺さるように激突。速度計は時速92キロで止まっており、衝突時は時速90~100キロとみられる。
高さ約3メートルの防音壁の地上約1メートルまではコンクリート製で、その上に金属製の厚さ約10センチの壁を設置。捜査本部は、コンクリート製の土台部分がバスの車体下部をえぐったとみている。
道路管理者のNEXCO東日本は「防音壁の土台が設置された約30年前は隙間を作らない設計思想がなかった」としており、古い路線では同様の隙間があるという。
関越道事故 河野容疑者「ホテルで寝たり起きたり」 空白の8時間半、何が… 2012年5月2日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050206590004-n1.htm
「居眠りをした。疲れていた」。河野化山(こうの・かざん)容疑者(43)はこう供述しているという。あやふやなアナウンスをしたり、頻繁に急ブレーキをかけたという河野容疑者の「疲れ」の原因は何か。事故前日に仮眠を取ったホテル滞在中の「8時間半」が事故原因の解明の鍵を握りそうだ。なぜ運行指示書にはなかったルートを利用したのかも、謎として残されている。
事故前から居眠り運転の兆候はあった。「急ブレーキをかけたりしていた。心配だった」。運転席に近い最前列左側の座席で一命を取りとめた乗客の女性(23)はこう話す。
女子大生(21)は「左右に揺れていて事故が起きるのではないかと思った」と振り返る。「3回休憩した。1回15分くらいだった」(容疑者の供述)。その際、ハンドルに突っ伏して寝る容疑者の姿が乗客に目撃されている。
河野容疑者は事故2日前の4月27日から乗務。それまで3日間程度は休暇だったとされる。27日夜に客を乗せ東京ディズニーリゾートを出発、28日朝にJR金沢駅に到着した。乗客を降ろし、午前8時ごろに石川県白山市のホテルにチェックインした。
午後4時半にチェックアウトするまでの「空白の8時間半」について、河野容疑者は「寝たり起きたりしていた」と供述。睡眠が十分取れたかは不明だ。チェックアウト後から出発までについては「食事をしたりして時間をつぶした」と供述しているという。
河野容疑者が33人を乗せ金沢駅を出発したのは午後10時10分。11時20分にJR高岡駅で12人を乗せたバスは北陸道へ入った。
「車内アナウンスがあやふやだった」と乗客は証言する。捜査幹部によると、河野容疑者は難しい日本語は分からないという。
河野容疑者側に示された運行指示書には、北陸自動車道から上信越自動車道を経由して東京ディズニーリゾートに向かう計510キロの一般的なルートが示されていた。だが、実際には、35キロ遠回りの北陸道から長岡ジャンクション(新潟県)経由で関越道に入る計545キロのルートを走行していた。当時、渋滞などは発生していない。河野容疑者は繰り返しカーナビの画面を確認していた。なぜ遠回りになるルートを選んだのか。「金沢駅から高岡駅。高岡駅から高速道路に乗った。(乗った)インターチェンジの名前は忘れた」との供述にとどまっており、解明はこれからだ。
バス会社 半年前からツアー頻繁に 背景に震災と原発事故 2012年5月2日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050201270003-n1.htm
「震災をきっかけに仕事が百八十度変わった」-。関越自動車道のバス事故で、ツアーバスを運行していた「陸援隊」(千葉県印西市)は、昨年の東日本大震災で外国人観光客が激減し、半年前から夜行のツアーバス事業へ本格参入していたことが1日、分かった。群馬県警捜査本部は、自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された運転手、河(こう)野(の)化(か)山(ざん)容疑者(43)が事故原因に「居眠り」と「疲れ」を挙げていることから、運転業務が激変したことが体調管理の不備につながった可能性もあるとみて、勤務状況などの解明を急ぐ。
「外国人向けの仕事はほとんどなくなり、専門にしていた会社にとって死活問題になっていた」
陸援隊と同様に、来日外国人観光客向けの「インバウンド」と呼ばれる観光業務を主にしていた千葉県佐倉市のバス会社の社員は、そう話す。
成田空港に近い佐倉市や印西市のバス会社は、インバウンドの需要が多く専門会社もあった。しかし、震災で外国人客が激減。「外国人向けの仕事はうちの場合、100%なくなった」(印西市のバス会社の社員)という。
佐倉市の会社の社員は「多少安い値段でもバスを動かして収入を得ようと、各社が夜行の高速ツアーバスに参入した。同様の会社は空港の周りにごろごろいる」とも話す。
海外でも知名度
陸援隊の針生裕美秀(はりうゆみひで)社長(55)は、民間信用調査会社などによると、タイヤ販売会社などを経て昭和59年、バス運送業を創業。平成9年に陸援隊の前身となる「針生エキスプレス」を立ち上げた。インバウンドを中心に、東京都内の大手旅行会社や中国、シンガポール専門の会社数社とも取引。海外にも名前を知られていたという。
ところが、22年ごろから円高が急速に進行し、外国人客が減少。同年9月の尖閣諸島・中国漁船衝突事件で、中国人客も伸び悩むようになった。
売り上げが減少したところに昨年3月、震災と東京電力福島第1原発事故が発生。昨年の来日外国人客は約621万人と前年より27%減り、日本政府観光局によると統計を取り始めた昭和39年以降で最大の減少幅となった。
千葉県のバス業界の関係者は「陸援隊は震災前はたまに請け負う程度だったツアーバスを、半年ほど前から頻繁に出すようになった」と証言する。
22年前の車両
陸援隊のバスは、首都圏のバスに課される規制の対象外だったことも分かった。首都圏では平成14年に施行された自動車窒素酸化物(NOx)・粒子状物質(PM)法で、古い車両は保管や車検の更新ができないが、印西市はこの対象外。事故を起こしたバスは製造から22年になる2年式の三菱自動車(現三菱ふそうトラック・バス)製で、事故で負傷した大学生(22)の座席のシートベルトは壊れて装着できなかったことも分かっている。
埼玉県の貸し切りバス会社の会長は「どの会社もできるだけ経費を抑えて利益を出そうとしていた。その中で突然、外国人が減り、仕事のえり好みをする余裕がなくなった。仕事があれば何でもやる」と、業界の置かれた状況を代弁した。
ツアーバス激突 客の争奪激化 「豪華」と「格安」二極化 2012年5月1日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050107580004-n1.htm
高速ツアーバスは、鉄道や、定期の路線バスによる高速路線バスと比べ料金が格安であることから人気を集めた。高速路線バスの半値以下で販売されるものも多い。過当競争の中、近年はツアーバスの中でも設備を高級化するなど差別化を図る動きが出ている。
ツアーバスは、企画する旅行会社の多くが自前のバスを持たず、貸し切りバス会社へ業務委託することでコストを削減した。金沢-東京の場合、高速路線バスの西日本JRバスの片道7840円に対し、事故を起こした大阪府豊中市の旅行会社「ハーヴェストホールディングス」のツアーバスは3500円。他社の最安値は、2900円だった。
最近では45人乗り座席を30席に減らして幅を広く取り、電動リクライニングとテレビやゲームができる画面のついた座席にしたり、新聞を無料配布するなどサービスに力を入れるバスも。
一方で、45人乗りに目いっぱい客を乗せ、東京-大阪を2千円台で販売するなど二極化している。ツアーバス同士でも料金が4倍近く異なる路線もある。
観光コンサルタントの大坪敬史氏は「インターネットで簡単に料金が比較できるため、旅行会社もぎりぎりまで値下げしたりサービスを増やしたりしている。競争はますます激しくなっている」と指摘する。
高速ツアーバス:「1日670キロ」指針に疑問も 2012年05月01日 毎日
http://mainichi.jp/select/news/20120501k0000m040087000c.html
乗客7人が死亡した高速ツアーバス事故で、千葉県印西市のバス会社「陸援隊」の河野化山(こうの・かざん)運転手(43)が走行予定だったルートは約545キロとみられる。国土交通省が08年に示した1人で1日に運転できる距離の指針「670キロ」を下回っていたとして、同社の針生裕美秀(はりう・ゆみひで)社長らは「問題ない」との考えを示しているが、バス運行業者からは指針の有効性に疑問を投げ掛ける声も多い。
警察庁の統計では、高速ツアーバスなどの貸し切りバス事故は年400件前後起きており、10年までの10年間で計4420件に上る。07年の大阪府吹田市で27人が死傷したスキーバス事故を受けて、国交省が08年に指針を示した。旧労働省が89年に定めたバス運転手の1日の運転時間の限度(9時間)を基に算出したもので、高速道路を使えば、東京から岡山までの距離に相当する。国交省安全政策課は「業者への拘束力はなく、違反しても行政処分の対象にはならない」としている。
走行上限670キロ、基準見直し検討 国交省 2012年5月2日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120501/dst12050121400026-n1.htm
関越自動車道の高速ツアーバス事故を受け、国土交通省は1日、670キロとされている運転手1日あたりの走行距離の上限などを定めた指針や、「運転は1日9時間まで」などと定めた国の基準を見直す検討を始めた。今月中にも、バス業界や医療関係者らによる有識者会議を設置する。
国交省によると、現在の上限は大阪府吹田市で平成19年に27人が死傷したスキーバス事故の翌年に施行した指針で示されている。
指針をめぐっては、総務省が21年に貸し切りバス運転手136人を対象に調査を実施。9割近くが運転中に睡魔に襲われた経験があると回答したため、22年9月に「運転者の健康面や生理学的な面を検討して算出されていない」と国交省に改善を勧告した。
しかし、同省はバス業界などとの勉強会で「変更の必要がない」との意見が出たため、見直しを先送りしていた。同省は「上限距離の変更より、事後チェックで指針が守られているかを重視した」と説明している。
事故を起こしたバスは、最短運行距離が約540キロだった。このため、国交省は上限見直しに方針を転換した。
また、同省が運転手の勤務時間や乗務時間に関して告示した「最大拘束時間は1日16時間まで」「連続運転は4時間まで」などの基準の変更も検討する。
同省は「事故原因の調査状況も踏まえた上で、なるべく早く方向性を出したい」と話している。
高速バスの運転ミスによる大事故の続報ですが、各種報道を見ているとどうもこの運転手。JR金沢駅前を出発した後、頻繁に急ブレーキをかけるなど、乗客が心配になるような体調不良状態だったようですね。
往路の運転に入る前に3日間休暇だったことから、まだ若い20代ならば大方遊び過ぎた疲れが抜けていなかったパターンか…とも思うのですが、この運転手は43歳。
今後は運転手の体調が悪い時に(例えば往路先にある相互提携会社と緊急時には有償で運転手を融通しあうなど)代替要員をどう準備していくのか…といった人員補充対策といったことも真剣に考えていく必要もあるのかもしれません。
まあ、隣県の県庁所在地を結ぶ位の一般道しか走らない距離ならば運転手は1人でも問題ないと思いますが、これだけの長距離を走るのだから運転手の体調管理には十分な配慮が必要となってくるでしょうし、そもそもなんでこれだけの長距離路線をツアーバスに黙認しているのか…という問題もあると思うのですが、経費をギリギリまで節約している会社の場合、別の運転手を単独で急遽用意することも難しいでしょうし、走行上限距離や長距離移動の場合の運転手の複数確保といった規制強化も致し方ないのではないでしょうか…。
「運行指示書」とは違うルートを通った問題は、変更そのものはその時の交通事情などもあり一定の裁量権が与えられるのはよいとしても、本部に連絡を入れないというのは解せないですね…(怒!
運ぶ対象が荷物なトラックの運転手とは異なり、家族の危篤など乗客に緊急に連絡を取る必要が出てくる可能性もあるでしょうし、形式上は請負扱いなのかはしりませんが、労務管理にもかなり問題のある会社と言えそうです。