ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

日々のニュースをFPの視点からチェックしてコメントします

亀井氏が官房長官発言に対して『コメントする立場にない』と反論 どうなる? 返済猶予制度

2009-09-26 12:10:38 | Weblog
返済猶予制度、官房長官がコメントする立場にない 2009年09月25日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK033229220090925
 亀井静香郵政・金融担当相は25日の閣議後会見で、返済猶予(モラトリアム)制度に関連し、平野博文官房長官が24日に与党3党で十分な調整をした上で対応を決めると発言したことに対し「官房長官がこの問題にコメントする立場にないと思っている」と述べ、「担当大臣として、きっちり方針を出して法案を出す」との考えを示した。
 同じく慎重に対応するべきとの趣旨で発言した全国銀行協会の永易克典会長(三菱東京UFJ銀行頭取)からの申し入れを受け、来週、会談する予定を明らかにした。「趣旨は分からない」としたが、「金融行政全般について、私の基本的な考え方を話して、理解を得る努力をしたい」とした。「政権が変わったという前提に立ち、自公政権とは違う考え方」を説明するとしている。中小企業の関連団体の代表者などからも意見や要望を聞きたいとしたが、日程は未定だとした。
 今後、返済猶予制度をめぐる協議の場には、金融庁の副大臣・政務官や与党の議員のほか、経済産業省の政務官も参加すると述べ「(経産省の政務官から)中小・零細企業の振興のために責任を持って努力している立場からの意見をいただきたい」と語った。
 一方、経営問題に直面している日本航空(JAL)については「金融庁として、どういうかかわり合いを持つのか、具体的な話は国土交通省からも来ていないが、放って置ける問題ではないので助けられる場面があれば助けなければいけない」とした。ただ、「新聞程度の知識しかない」とし「現状、今後の方針について説明があるかも知れないが、今の段階では(説明は)ない」と述べた。
 JALの経営問題をめぐっては、国土交通省が25日、再建支援に向けて国土交通相直轄の特別チームを同日付で組織すると発表。旧産業再生機構のメンバーを含む5人体制でスタートする。亀井郵政・金融相は、リーダーを小泉政権下で不良債権処理に当たった高木新二郎・元産業再生委員長(野村証券顧問)が務めることへの所見を問われ「高木さんがどういう考え方を持っているのかは知らないが、市場原理・市場主義だけではやっていけない」と述べた。その上で「航空業界などを含め、日本経済がこんなに弱ってきているのは、大きな意味の経済・社会政策の誤りがこういう状況にした」との考えを示した。
 亀井郵政・金融相は、24日から金融庁の取り組みについて幹部の報告を受けていると説明。「(日本経済の弱体化は)政治家に責任があることだが、実施部隊として金融行政に携わった者としての反省の上で金融行政をしてくれと強く話した」と述べた。その上で「自公政権とは政治の目標、価値観が違う政権が生まれて始動した。金融庁もしっかりとやっていきたい」と話した。



 ん…。返済猶予制度を巡る亀井さんの言動も、最初は『どうせ国民向けに格好をつけているだけだろう…』と思っていたら、ここにきて平野博文官房長官が、『与党3党で十分な調整をした上で対応を決める』と発言したことに対して『官房長官がこの問題にコメントする立場にないと思っている』と過激なまでの反応を示してきましたね…(吃驚
 確かに中小企業の資金繰り対策は重要だとは思いますが、どうやら亀井氏は対法人だけでなく個人の住宅ローンについても返済猶予制度の適用を本気で考えているようですし、そうなると一番大きな問題になりそうなのが、返済猶予を適用する対象範囲(誰を救済し、誰を救済しないか)の決め方。
 仮に徳政令のように一律猶予するといった暴挙?に出れば、不良債権の増大を恐れる金融機関が、現在は正常債権として取り扱われている企業に対しても、運転資金や設備資金を出し渋るなど、貸し渋りがますます酷くなりかねませんし、かといって、これまで真っ当に企業運営してきたり、あるいは突然のリストラで一時的に仕事を失い住宅ローンの返済が困難に陥っている人と、放漫経営を行っていたり、今回の不況がなくても住宅ローン破綻していたであろう人とを一緒くたに救済していたのでは、それこそ財源がいくらあっても足りず、後日税金という形で間接的に負担を背負わされる国民も納得がいかないと思います。
 個人の住宅ローンの借り入れについては、例えば返済期間の延長による毎月返済額の引き下げや国による利子補助(間接的な返済金利の減免)など、他にも住宅ローン返済困難者を救済するやり方はあると思いますし、企業の貸し渋り対策も、BIS規制がある以上、自治体融資の斡旋など、他者にリスクを背負わせる形でないと銀行側も中々融資の拡大を行いにくいのが、今の金融機関の置かれている紛れもない現実。
 このまま1人の大臣が強硬意見を主張し続けているようでは、連立政権にもヒビが入りかねませんし、金融大臣たるもの もっと広い視野で金融対策を打ち出して欲しいものだと思いますね。