世代を超え「墓マイラー」が増えています 2009年9月19日 毎日
http://mainichi.jp/life/housing/news/20090919ddm013100068000c.html
◇「本人」前にする醍醐味
◇たたずまいに生き方、死生観反映/関連本、写真集…出版相次ぐ
歴史上の人物や著名人の墓を訪ね歩く「墓マイラー」。歴史好きの女子「レキジョ(歴女)」やウオーキングのブームにも後押しされ、関連本や写真集、DVDなどの刊行が相次いでいる。
●マナー守って
9月初旬、東京都港区の「青山霊園」を訪ねた。1874年に初の国営墓地として開園(現在は都営)し、後藤新平や乃木希典、吉田茂ら数多くの著名人が眠る。案内してくれたのは「一度は訪ねてみたい 有名人のお墓~東京・神奈川編~」(明治書院)の著者、酒井茂之さん(62)。「あくまでも慰霊の場所で、静かに故人をしのぶのがマナー。カラスが食べ散らかす供え物は避け、花や線香程度で」とアドバイスを受けた。
霊園は一般公開されており、まず入り口の管理事務所へ。著名人58人の墓を記したガイドマップが無料でもらえる。マップの「墓所番号」を頼りに墓を探すが、園内は簡単な標識しかなく、初心者にはかなり難しい。
作家の志賀直哉は、墓所番号「第2号1種イ11側2番」。墓は見つかったが、「遺骨は80年に盗難が判明し今も見つかっていない」(酒井さん)という。近くには歌人の斎藤茂吉と維新の志士、大久保利通の墓があった。簡素な茂吉の墓と対照的に、利通は戒名などを刻む「竿石(さおいし)」部分だけで5メートルはあろうかという巨大な墓。暗殺された時に乗っていた馬車の馬の墓もあった。
酒井さんは「政治家や実業家、軍人は大きく立派な墓が多いが、文学者や芸術家は、そそとしたたたずまいの物が多い。生前の生き方や死生観を反映しています」と話す。
忠犬ハチ公の飼い主、上野英三郎・東京帝大(現東大)教授の墓もあった。隣にハチ公の碑が建ち、ハリウッド映画「HACHI」が公開中のためか、真新しい花束がいくつも供えられていた。
約1時間の墓巡りで、歴史上の人物が身近になった気がした。緑深い園内を散策し、先人の声なき声に耳を傾けるだけでも心が落ち着く。
●語り合えるように
「墓マイラーの名づけ親」を自任するのが文芸研究家、カジポン・マルコ・残月さん(41)だ。大学2回生の時、ロシア・サンクトペテルブルクに文豪ドストエフスキーの墓を訪問。「挫折や困難のたびに彼の作品に救われた」といい、墓前に立つと「土の下にドストエフスキーがいる」と強烈な感動がこみ上げ、「スパシーバ!(ありがとう)」と心の底から言えたという。
「こうなったら、シェークスピアや夏目漱石先生にもお礼を言わなくては」と、これまで51カ国、1252人の墓地を訪れ、自身のサイトで紹介。米国では夢中で墓を探すうち閉門されて閉じ込められ、黒澤明が眠る寺では簡単に入れず、住職の前で全作品名を暗唱し、思いを伝えた。
「墓石とはいえ、本人を前にできる醍醐味(だいごみ)は何ものにも代え難い。できれば墓前で30分は語り合えるよう、作品を読んだり見たりして行くのが望ましい」と話す
う~ん…(滝汗 旅行で訪れた地域で観光ついでに歴史上の偉人の墓所を訪れるというのならばまだわからなくもないのですが、墓マイラ―などという存在がいるとは吃驚ですし、そのためだけに交通費と時間をかけて出かけるという感覚には、さすがについていけないものを感じます…。
ところで、5連休の最後の日の23日は秋分の日で、彼岸の中日。
歴史上の偉人を偲ぶのも良いのですが、お時間があるのならば、ご自身のご先祖様を偲びお墓参りをして欲しいと切に願います。
http://mainichi.jp/life/housing/news/20090919ddm013100068000c.html
◇「本人」前にする醍醐味
◇たたずまいに生き方、死生観反映/関連本、写真集…出版相次ぐ
歴史上の人物や著名人の墓を訪ね歩く「墓マイラー」。歴史好きの女子「レキジョ(歴女)」やウオーキングのブームにも後押しされ、関連本や写真集、DVDなどの刊行が相次いでいる。
●マナー守って
9月初旬、東京都港区の「青山霊園」を訪ねた。1874年に初の国営墓地として開園(現在は都営)し、後藤新平や乃木希典、吉田茂ら数多くの著名人が眠る。案内してくれたのは「一度は訪ねてみたい 有名人のお墓~東京・神奈川編~」(明治書院)の著者、酒井茂之さん(62)。「あくまでも慰霊の場所で、静かに故人をしのぶのがマナー。カラスが食べ散らかす供え物は避け、花や線香程度で」とアドバイスを受けた。
霊園は一般公開されており、まず入り口の管理事務所へ。著名人58人の墓を記したガイドマップが無料でもらえる。マップの「墓所番号」を頼りに墓を探すが、園内は簡単な標識しかなく、初心者にはかなり難しい。
作家の志賀直哉は、墓所番号「第2号1種イ11側2番」。墓は見つかったが、「遺骨は80年に盗難が判明し今も見つかっていない」(酒井さん)という。近くには歌人の斎藤茂吉と維新の志士、大久保利通の墓があった。簡素な茂吉の墓と対照的に、利通は戒名などを刻む「竿石(さおいし)」部分だけで5メートルはあろうかという巨大な墓。暗殺された時に乗っていた馬車の馬の墓もあった。
酒井さんは「政治家や実業家、軍人は大きく立派な墓が多いが、文学者や芸術家は、そそとしたたたずまいの物が多い。生前の生き方や死生観を反映しています」と話す。
忠犬ハチ公の飼い主、上野英三郎・東京帝大(現東大)教授の墓もあった。隣にハチ公の碑が建ち、ハリウッド映画「HACHI」が公開中のためか、真新しい花束がいくつも供えられていた。
約1時間の墓巡りで、歴史上の人物が身近になった気がした。緑深い園内を散策し、先人の声なき声に耳を傾けるだけでも心が落ち着く。
●語り合えるように
「墓マイラーの名づけ親」を自任するのが文芸研究家、カジポン・マルコ・残月さん(41)だ。大学2回生の時、ロシア・サンクトペテルブルクに文豪ドストエフスキーの墓を訪問。「挫折や困難のたびに彼の作品に救われた」といい、墓前に立つと「土の下にドストエフスキーがいる」と強烈な感動がこみ上げ、「スパシーバ!(ありがとう)」と心の底から言えたという。
「こうなったら、シェークスピアや夏目漱石先生にもお礼を言わなくては」と、これまで51カ国、1252人の墓地を訪れ、自身のサイトで紹介。米国では夢中で墓を探すうち閉門されて閉じ込められ、黒澤明が眠る寺では簡単に入れず、住職の前で全作品名を暗唱し、思いを伝えた。
「墓石とはいえ、本人を前にできる醍醐味(だいごみ)は何ものにも代え難い。できれば墓前で30分は語り合えるよう、作品を読んだり見たりして行くのが望ましい」と話す
う~ん…(滝汗 旅行で訪れた地域で観光ついでに歴史上の偉人の墓所を訪れるというのならばまだわからなくもないのですが、墓マイラ―などという存在がいるとは吃驚ですし、そのためだけに交通費と時間をかけて出かけるという感覚には、さすがについていけないものを感じます…。
ところで、5連休の最後の日の23日は秋分の日で、彼岸の中日。
歴史上の偉人を偲ぶのも良いのですが、お時間があるのならば、ご自身のご先祖様を偲びお墓参りをして欲しいと切に願います。