ゆめ未来     

遊びをせんとや生れけむ....
好きなことを、心から楽しもうよ。
しなやかに、のびやかに毎日を過ごそう。

たか田八祥さんで河豚を!

2017年02月28日 | 食は文化だ
たか田八祥   岐阜市杉山町 2017.2.28

昨年、うちのKさんに大好評だった 「河豚」。
今年も河豚を目当てに 『たか田八祥』 さんにお邪魔しました。



今年の河豚も期待どおりの美味しさ、うちのKさんも大喜び。



それでは、春を想わせる料理の数々と美しい器をご堪能下さい。



お通しで出されたのは、ほっき貝・うるいものジュレがけ


      【蟹の春巻き・蟹味噌・くちこ



たか田八祥さんにしては、やけに地味な器が出されました。



器のふたを開けると 華やかに桜 が咲きました
お料理は、蛤とよせゆばの真丈・竹の子・ワカメ。


      【鮪・車海老・鯛・アオリイカ


         【巻きずし


      【鰆の菜種焼き・カラスミ添え


        【名物のハリハリ


        【甘鯛のかぶら蒸し


        【名物 のり茶漬け


 【デザートは苺・オレンジ・金柑のシャーベット

いずれも春を思わせる色彩豊かな美味しいお料理と器。
八祥さんの代表的なお料理、ハリハリは器で笹の葉の雪景色を表現し、そこに春の息吹を感じさせる「竹の子」を連想させる心憎い演出 ぼくは、その演出に感動しました。

昨年もこの時季に「河豚」をいただきに来ましたが、その時の料理とはがらりと様変わりした構成、さすが八祥さんですね。
うちのKさんも今年の河豚には、多いに、ご満悦の様子。
楽しい時間は、あっという間に過ぎてしまいました。
八祥さん またの日を楽しみにしています。
今日も、ごちそうさまでした。

      『 たか田八祥  』

    住所 岐阜市杉山町17-2
    TEL ( 058 ) 262 - 1750


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他人の墓の中に立ち/イアン・ランキン

2017年02月27日 | もう一冊読んでみた
他人の墓の中に立ち  2017.2.27

「訳者あとがき」にあった。

 「原書のタイトルは"Standing in Another Man's Grave"である。これは作中でも
説明されているが、シンガーソングライターのジャッキー・レヴィンが作曲した歌、
"Standing in Another Man's Rain"をリーバスが聞き違えたことから来ている。
その歌声は情感たっぷりで、心を揺さぶられずにはいられない。.......ジャッキー・レヴィンは実力はあるのに、世界的なメジャー歌手にならないまま、二〇一一年六一歳で生涯を閉じた。.....彼の音楽をこよなく愛しているイアン・ランキンはジャッキー・レヴィンと篤い友情で結ばれていた。」


  ”おれたちみたいに、いいやついるか?
   いない、いない-----
   そんなやつらは皆死んじまった……”


 「彼の死を悼んだイアン・ランキンは、本書をジャッキー・レヴィンに捧げた。」

このあとがきには、このミステリーの雰囲気が余すところなく表現されている気がします。
一匹狼の周囲とはなじめない難しい性格、違法とも思える強引な捜査も敢えて行い、一言多いトラブルメーカー、要するに古いタイプの典型的な元刑事、そんな主人公のジョン・リーバスが足で捜査を進めていくミステリーなのです。

若い女性の失踪事件がA9号線上で起こってはいるが、それ以外は、これと行って大きな事件もなく、物語は粛々として展開していくのですが、飽きることはありません。
フォックス(苦情課の刑事)、ニーナ(行方不明の娘を探す母親)、ハメル(クラブ経営)、ダリル(ハメルの片腕)、カファティ(裏社会の顔役)とのやり取りが面白いからだろうと思われます。
それとこのミステリー全体に漂っている雰囲気が、ぼくをつかんで離さなかったのだとも感じました。

 "はぐれ者にも常に動ける余地を与えるべきである"とは、前本部長があんたについて書いた言葉だよ。署長は"はぐれ者"に下線を引いていたな」
 「おれは結果を出した」リーバスが繰り返した。

 「ジョン・リーバスは絶滅種なんだ、クラーク。氷河期が訪れて去ったのに、彼はまだ泳ぎ回っている。ほかの者は進化を遂げているのにな」
 「進化してあなたみたいになるぐらいなら、ダーウィンをハンマーで殴り倒したほうがましだわ」

 おそらく、リーバスは今、どこかのパブで飲んでおり、そのたまったつけは、決して請求されないのだろう。それを賄賂とも誘導とも思わず、正当な捜査方法と考えているにちがいない。昔はそんな考えの刑事が多かったのだろうが、そういう時代は過ぎ去り、そんな戦士たちはとっくに戦場を去った。老いぼれリーバスは、どこか
海外の浜辺にあるタヴェルナで、たっぷり貯めた年金を使いながら、ゆったりと酒浸りの生活を送ればいいのだ。ところがリーバスは犯罪捜査部への再就職の希望を出した。

 なんとも厚かましい野郎だ。

 「まだそんなことに関心を持っているような口ぶりだな」
 「趣味ということにしてくれ」
 「趣味は身を滅ぼすこともある」
 「引退後の生活を埋めるために、何かをしなきゃならんだろ。それで道を誤るんだ。
一日中何もすることがないから、もとの商売に戻っちまう」

 「希望の泉は涸れることがない」


リーバスは、自分の愛車に話しかけたり、物に語りかける癖がある。

 「おまえとおれの二人だけか?」リーバスはパイントグラスへ言った。
 「いつもそうだよな」


ぼくにも似たような癖があるのですが、あなたにもありませんか?

 無傷でいられる人間は誰一人いない。
 誰一人。


 『 他人の墓の中に立ち/イアン・ランキン/延原泰子訳/ハヤカワ・ミステリ 』

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お茶の味が一変した、その原因は急須にあった!

2017年02月26日 | ゆめ未来
うまちゃ  2017.2.26

お茶屋さん(株・静岡茶通信直販センター)と陶器屋さん(イツミ陶器)が造ったポット・急須です

岐阜高島屋さんの陶器売場をふらふらしていたら、お茶の飲み比べを勧められた。
ぼくでも、二つの出されたお茶の違いが分かった。
販売員さんの言うには、味の違いは、同じお茶を入れたのだが、急須の違い、とのことだった。
確かに勧められた急須で入れたお茶は、旨い
お茶は、茶葉を直接急須に入れて、茶こしでこして飲むのが一番のようだが、後始末を考えて、始末しやすいように内部構造が工夫されている、これがお茶の味に悪さをするらしい。

今まで、我が家では、美味しいお茶を求め、涙ぐましい努力を重ねて来た。
経済と相談しながら、なるべくよい品をと求めて来たが、納得のいく結果は得られていない。どうも旨くないのだ。

ためしてガッテンではないが これで納得、急須のせいか!

そこで、勧められるままに、この急須を求めてみた。







  我が家のお茶の味は、一変して、美味になった!

お茶をいろいろ変えてみたが、納得のいく味が得られなかった方、お茶ではなく急須を変えてみたら、いかがですか。
ぼくからの提案でした。

       イツミ陶器株式会社
       http://umacha.jp/


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日経平均2万円超も夢ではない!

2017年02月26日 | 捕らぬ狸の経済


 2月24日
 日経平均 1万9283.54円(-87.92円)
 TOPIX 1550.14(-6.11)
 出来高 21億1283万株
 長期金利(新発10年国債) 0.060%(-0.015)
 1ドル=112.72円(0.52円高)


 2月20日  1万9251円  14億9739万株 1兆7127億円
 2月21日  1万9381円  15億2843万株 1兆6540億円
 2月22日  1万9379円  21億7480万株 2兆1068億円
 2月23日  1万9371円  19億6106万株 2兆0043億円
 2月24日  1万9283円  21億1283万株 2兆0729億円

経済の専門家は、「上向く企業業績が日本株の下値を固めてきた一方、テクニカル的なフシ目に当たる1万9500円の水準が強力な関門になりつつある。」と書いていた。
企業業績が順調なら、その会社の株価上昇は、衆目の一致するところか、常識で考えれば
当たり前のことで、これは当面安心材料だろう。
それよりも何よりも、気になるのがトランプ発言、これにより株価が乱高下するのはたまらない。

テクニカル的には、今の日本株の状況は、2年前、2015年当時と同じような動きをしているようだ。



同じように推移すれば、日経平均2万円超も夢ではない。

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     朝日新聞 2017.2.25
     NYダウ 10日連続最高値
     30年ぶり 大型減税に期待

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米ニューヨーク株式市場では、ダウエ業株平均の上昇が続き、23日まで10営業日連続で最高値を更新した。
レーガン政権時代の1987年1月以来、30年ぶりの連続更新記録となった。
トランプ政権の大型減税への期待や景気拡大が株価を押し上げている。

23日のダウ平均は前日比34.72ドル高い2万0810.32ドルで取引を終えた。
9日、トランプ大統領が税制に関して「驚くべき発表をする」と発言し、減税による企業業績の改善への期待が高まった。
23日にはムニューシン財務長官が「税制改革は8月までに議会を通過させる」と語り、期待感が強まった。

トランプ政権では、混乱も起きているが、「政権内部には、エクソンモービル出身の国務長
官やゴールドマンーサックス出身の国家経済会議の議長らビジネスにフレンドリーな人材が豊富という安心感が相場を支えている」 (米エコノミスト)。
ただ、「政策への期待が先行した分、過熱感も出てきた」(米投資会社の運用責任者・ティモシー・グリスキー氏)との声も出ている。(ニューヨーク=畑中徹)


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     朝日新聞 2017.2.24
     豪華 深緑ボディー
     JR西、寝台列車「瑞風」公開

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JR西日本は23日、豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」を大阪市内で報道各社に公開した。
試運転中の傷を防ぐため車体全体に貼った黒いテープが取られ、深緑色の先頭車両
が初めて姿を見せた。

この日は記念式典があり、車両のデザインに携わったデザイナーの浦一也さんと福田
哲夫さんらが出席。
式典後は一部の車内も公開された。
最後尾の車両は天井部分まで広がる大きな窓があり、外に出て風景を眺められる展望
デッキが特徴。
瑞風は、6月17日から近畿と中国地方を周遊する。
コースは1泊2日と2泊3日の計5種類があり、1人25万~125万円。
9月分までの募集は終了しており、10~11月分は4月1日から受け付ける。(広島敦史)


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横山さんの弁当をいただきました

2017年02月24日 | お弁当/岐阜/
横山精肉店  岐阜市神田町 2017.2.24

今日は、『横山精肉店』さんのお弁当です。



焼肉 ぎっしりのお弁当でした。



      『 横山精肉店  』

    住所 岐阜市神田町6-10-7
    TEL ( 058 ) 266 - 4929

2016年にいただいたお弁当の書庫を作成しました。
参考にしていただけると幸いです。


    書庫/2016 いただいたお弁当


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旬さば酢〆 長崎からお取り寄せしました

2017年02月23日 | ゆめ未来
音丸水産   長崎市 2017.2.23

うちKさんは、「〆さば」が好物です。
長崎の音丸水産さんから、『旬さば酢〆』をお取り寄せしました。



  【商品名・規格】
  さば100gx6p

  【お召しLがり方】
  スライスして、わさびや生姜醤油等でお召し上がりください。

  【原料】
  秋~冬にかけて長崎県五島~対馬海域で獲れる日本遠洋旋網漁業協|司組合が定めた「旬さば」を使用。
  「旬さば」の中でも鮮度、脂ののりが抜群のものだけを選んで旬の時期に1年分まとめて仕入れ、1年を通して旬の脂がのったさばをご賞味いただけます。

       『 音丸水産  』

    住所 長崎県長崎市野母町1034
    TEL ( 092 ) 576 - 9831

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北京 さんでの新年会!

2017年02月22日 | 食は文化だ
北京   岐阜市 2017.2.22

毎年恒例の仲間との新年会 今年は、『北京』 さんで行いました。

北京さんのお料理は、本格中華です。
中華料理ですから、お酒は「紹興酒」で楽しみます。




紹興酒は、ほんのりと温かくあたためてあります。
レモンの輪切りと純白な砂糖の結晶が添えられます。
ぼくは、この美しいお砂糖でいただきましたが、紹興酒に砂糖が入ると味が一変します。
美味しかった。


        【前菜盛り合わせ


       【飛騨牛と長芋の炒め


      【鮑と大葉のあっさり炒め


     【鴨肉をはさんでいただきます


      【海老のマヨネーズあえ


       【フカヒレスープ


         【粽子


       【ココナツ団子


       【アンニン豆腐


        【フルーツ


仲間の皆さんは、お酒が大好きで陽気で明るい方々、ぼくは、毎年、この新年会に参加出来ることを楽しみにしています。
今年も多いに笑い、食し、飲み、北京さんの中華料理を心ゆくまで堪能しました。
来年も新年会、楽しみにしていま~す。 また、さそってね!

北京さんには、ランチメニューもあります。
今度は、うちのKさんとランチに伺います。



お店の雰囲気やランチについては、『ハリーさんのブログ』が詳しいです。
ハリーさんのお薦めランチは、Dランチ!

    北京 2016.6.9
    北京 2016.11.20

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「旬の美味しい牡蠣フライ」を岐阜会館さんで Ver.2

2017年02月21日 | 食は文化だ
岐阜会館   岐阜市司町 2017.2.21

この時季、牡蠣が旬で美味しいですね。
岐阜会館さんに今週も、『牡蠣フライ定食』を食べに行ってきました。
その訳、岐阜市役所の移転にともない、このあたりの建物の取り壊しが始まっているようなのです。
蚕糸会館の一階の窓をひょっとのぞいたら、室内に重機が入り床を削岩して、鉄筋ムキムキ、メチャクチャになっていた。

ぼくの好きな岐阜会館さんの食事も何時まで出来るだろうかと、いよいよ不安になってきた。

そこで、次の三つのランチをこれからいただいておこうと決意する。順次、機会あり次第だが。

      □ 海老フライ定食
      □ 天ぷら定食
      □ ヒレカツ定食

       岐阜会館 』

    住所 岐阜市司町39-1
    TEL ( 058 ) 264 - 2151

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紀土のラベルはシンプルで美しい = KID =

2017年02月20日 | さらに酔うもう一杯の日本酒に
紀土  和歌山県海南市 2017.2.20

サライ/2017年1月号』の特集「筋の通った日本酒」で、
「1年後には手に入りにくい、次世代の旨酒 10」(10=10本の意味)で紹介されていた
紀土 大吟醸』を取り寄せてみました。
紹介されていた10本の中から紀土を選んだ理由は、ラベルのデザインのすっきりとした美しさ。
ねえ、美しいと思いません。

サライの評は、「清冽な水を表現するような綺麗な喉越し」とあります。



     紀土 -KID- 大吟醸
 酒米の最高峰山田錦を35%まで磨いた贅沢なお酒です。
 紀州の風土を感じていただければ幸いです。


 原材料名/米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
 精米歩合/35%
 アルコール分/15度以上16度未満
 平和酒造(和歌山県海南市)



サライでは..........
紀州の山々に囲まれた地に立つ蔵元で、山裾から湧くやや軟水の透明感のある水を仕込み水としている。
繊細な水をそのまま表現するように、口当たり柔らかながら、爽やかなキレがある。
軽やかな甘み、華やかな香り、心地いい渋みも感じ、杯が進む。


飲んでみて、最初に気づいたのは、ぼく好みの系統のお酒とは、少し外れているなと感じたことです。
でも第一印象は、爽やかで旨いお酒 と好印象でした。
嫌いなお酒ではありませんから、飲み慣れるとだんだん好きになって、そのうち手放せなくなるお酒かも知れません。
サライで紹介された、別の日本酒も順次、求めてみたいと思っています。

2016年に味わった日本酒の書庫を作成しました。
ご覧いただければ幸いです。

  書庫/2016 日本酒に酔う!


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アックスマンのジャズ/レイ・セレスティン

2017年02月20日 | もう一冊読んでみた
アックスマンのジャズ   2017.2.20

 "はかりごとには魔術もかなわない"って意味だ
 ルカは笑みを返した。「覚えておくよ」と応じた。


 活気と危険に満ちた街の描写はすばらしい魅力を放ち、読むとわくわくしてくる。
   ……… 《ガーディアン》


2段組でp470大部なミステリー倦かずに読ませます。
1918年から1919年に実際に起こった未解決の"ニューオリンズのアックスマン事件"に想を得て、当時の恐怖と混迷を深めたニューオリンズの街を生き生きと描いています。
人種差別、黒人、クレオール、ケイジャン、売春産業、第一次世界大戦の帰還兵、息子の戦死、ジャズの興隆、暗躍するマフィア、警察の汚職と政治の腐敗、施設で育つ子供達、ストリートチルドレン。

捜査は、現役刑事・元刑事・探偵の三つルートで行われるので、話は複雑です。
登場人物も多く、エピソードも多彩でぼくのごとく老人の頭には、少々重い。
このミステリーを読んでいて、「俺は、いつまで本を読むことが出来るのだろうか?と真剣に不安になった。」
本が読めなくなったら、人生の楽しみの大事な一本が欠けてしまう。
一度しか出てこない場面などは、読み進むうちに完全に忘れていた、これには悲鳴とため息漏れたですよ、ほんと。

【黒人のおかれた過酷な社会】
 ルイジアナ州は黒人が自分たちの文化をおおっぴらに表現することがめったに許されない土地柄なので、葬儀はそれを公然と披露し、踏みにじられている黒人がものものしく扱われる貴重な機会だ。そして、男女を問わず黒人が威厳ある扱いを許されるとき、当の本人が生きてそれを享受することができないという現実が、アイダにしかめ面をさせている。

【貧しい白人のおかれた過酷な社会】
 ふたりはもうしばらく店に残り、蓄音機が繰り返し奏でるマリオン・ハリスの歌を聞きながらビールを飲み終えた。この安酒場は客が自分を忘れるために来るような悲しい場所なので、アイダはようやく出ていけることにほっとしながら、教会用の一張羅を着て眠り込み、酔夢に溺れている三人の横を通った。

【南部の美しい自然】
 「"おお、ルイジアナ。南部のうるわしき楽園よ。荒廃してなおさほど美しいなれば、栄光の日にはいかにあらん"」老人が言うのを、ルカは横目で見た。老人は笑みを浮かべ、横のテーブルに積まれた本を軽くたたいた。
 「ラフカディオ・ハーンだ」説明として言った。


【当時のニューオーリンズの街の雰囲気】
 いまのストーリーヴィルは、みだらであると同時に無邪気で陽気で如才なくもあったかつての屈託のない活気と喜びに見放されてしまったようだ。ストーリーヴィルは決して楽園などではない----暴力、死、病気が存在する。そこでの営みには、搾取と、絶対に観光客の目に触れることのない非人道的な側面とが存在している。それでも、マイクルの脳裏に真っ先によみがえるストーリーヴィルは、夜の闇に灯るランタンのような場所----明るく陽気で暖かい場所だ。
 "ザ・ディストリクト"は一九一七年に正式に閉鎖され、"売春産業"と呼ばれる商売は存続しているものの、以前と比べるとはるかに地味になった。


【そこで育った食文化】
 「このサンドイッチはニューオーリンズでしか食べられないんだ」食通でもないくせに、マイクルは自分の住む街の食文化を誇りに思っている。フランス料理やアフリカ料理、スペイン料理、イタリア料理の影響が何世代にもわたるニューオリンズの料理人たちによって融合された結果、この街にはほかでは観られない料理が豊富にある。
(縦半分に切った長いバゲットから、薄切りにした牛の肩肉と豚肉のベーコン、マヨネーズとディルピクルスとクレオールマスタードのドレッシングをかけたサラダがあふれそうだ。)


【刑事の友情】
 ルカは風の強い通りをのんびりと歩み去り、ヘイトナーは寒気にそなえてコートのボタンを留めながら遠ざかる旧友の姿を見送るうち、あのルカ・ダンドレアがああも孤独に見えるのは残念だと思わずにいられなかった。

 「施設で育ったんです」
 「持ったことがないものを、なくて寂しいと思うことはありませんから」とケリーは答えた。


【捜査を支えた言葉】
 「だれしも探している答えをかならず見つける。だからこそ、ボーデの息子もあんなことを
している」

 どんな謎でももっとも単純な答えがもっともいい答えだということと、単純さこそが自然物の美しさの源であり、謎は光を当てられていない自然物にほかないということを。


最後に

 詫びを言うことに意味はない。

 『 アックスマンのジャズ/レイ・セレスティン/北野寿美枝訳/ハヤカワ・ミステリ 』


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