3月の下旬の事だったと思うが高校を卒業し、ボツボツとみんな進学や就職で地元を離れていき、kとpとヒロコちゃんしか居なくなっていた。
そんなある晩、また店の名の入ったバンで3人がドライブに誘いに来た。
助手席に座っていると、kが肘で突きながら小声で「後ろ、後ろ」と言う。
「ハァ~、何?」「ミラー、ミラー、」と、言うがバックミラーを覗いても、外は闇夜で何も見えず真っ暗である。
kはルームミラーで見ていたらしいが、私の位置ではルームミラーは見えない。
少し走って砂浜のある海岸へ出た。車を降りて砂浜を歩いたが、真っ暗である。
kが近づいてきて「あいつら、後ろでいちゃついてたぞ、教えたのにお前はバカか!」
「そんなんどうでもええわ、私に関係ないわ。勝手にどうぞしてちょうだい。」と言い返した。もう互いに夏休みまで出会うことは無いのに 後何かを話したと思うが覚えていない。
砂浜には10分も居ただろうか?
この数日間3人はよく会っていたらしい。翌日、ヒロコちゃんがやって来てその話をした。
二人に映画を誘われたが、kでなくpと一緒に見に行ったが、明るくなり後ろを振り返るとkが真後ろに座っていてすごい顔をして睨まれたと彼女は言った。
あの晩、kが私を誘いに来たのが分かった。
pは嫌いだし、kは友人だが、あの二人なら嫉妬心も起こらない。そんな話には興味は無い。
「よ~やるわ。」としか言えん。
この期に及んでそんな事をしなくてもと思うが、彼女は三角関係のヒロインになりきり、pとkの話を延々としたが、こちらはどうでもよく、ふんふんと生返事をしながら聞いた。
案の定、夏休みには二人は分かれていた。また、その話に喫茶店で付き合わされた。
二人しか居ないのに無理して付き合うことも無いだろうに。
チエさんにそんな事があったのよと、最近言うと 「ネコちゃん、ヒロコちゃんとは人種が違うわよ、いつも誰かいたじゃない。」と言った。
そんな夏休み、ユキちゃんが歩いていると 後ろから「○○さ~ん」とかわいらしくユキちゃんを呼ぶ声がした。
立ち止まって振り返ると、pが居た。
だらしそうに「なんや、pか!」と、言うとpの顔がゆがんだ。pの横に見知らぬ男の子が居るのに気づいたが、もう言ってしまった事はしょうがない。
「たぶん、あれは同じ大学の子に同級生の知り合いの女の子だと誇示する為に声掛けたみたいだった。」とユキちゃんは笑いながら言った。
「pの友達だったら、気にする事ないわよ。どうせ似たりよたりよ。」と私も言って笑った。
その頃の仲間とは互いに男の子も女の子も呼び捨てで今でも仲良くしているが、その癖が抜けず部活の同級生の男の子達を呼び捨てにしていたので上級生に叱られてしまった。
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