『幸福維新を起こさん!』(木村智重・著)まえがきより
政界で「懲りない連中だ」とウワサされている政党があります。
一方で、「まだ議員は1人もいないのに不思議な影響力を持ち始めた」とも言われている政党です。
私が党首を務める幸福実現党です。
今のところ議席はありません。昨年夏の衆院選では比例・選挙区合わせて337人が立候補したのですが、これは政権を取った民主党や政権を担っていた自民党よりも多い数字です。候補者数だけ見れば立派な第一党でした。あ
それは、「いつでも政権与党として取り組む用意があるぞ」という気概の表れであったわけですが、選挙結果は、皆様がご存じのように当選者ゼロでした。
その後も、参議院補選などにも出馬しましたが、いずれも敗北し、今のところ、通算0勝339敗と、連敗しています。
選挙期間中は「第一党を目指す」と言い続けてきたために、党の内部からも、支援者からも、一般の有権者からも、そしてマスコミからも厳しい批判の声をいただきました。
タブーとも言える宗教を前面に出した政治活動、素人ばかりの慣れない選挙活動、大衆に迎合しない過激な政策、実績から乖離した大言壮語――。世間の笑い者になるのも承知で、私たちは立党から3カ月間、全力で戦い、そして見事な敗北を喫しました。
(略)
幸福実現党は、この夏の参院選でも、懲りずに全国すべての選挙区に候補者を擁立し、全員当選を目指して戦う予定です。
そんな一見無謀にも思える挑戦に、皆さんはあきれるかもしれません。まるでドン・キホーテだと笑うかもしれません。
「現実を見ろ」「もっと妥協しろ」「常識的に戦え」「何度負ければ分かるんだ」といった声も山のように頂戴しています。
しかし、幸福実現党が現実に妥協して、常識的なことを言い、聞こえのいい人気取りの政策を言い始めたら、自民党や民主党と同じになってしまいます。票集めのために迎合してしまうあなら、何も物議をかもしながら宗教政党をつくる必要はないのです。
いたずらに現実に妥協せず、理想を追いかけて突っ張り通すことができるのは、権力闘争的な発想から抜け出し、純粋に人々の幸福だけを考えているからです。理想と現実が違うなら、現実を変えるのみ。そのような気概を持った宗教者の出番だと考えているのです。
使命感が薄れてしまった政界に、何度負けてもあきらめず、損得を考えずに理想を追求する一群の人々がいるということを、多くの人に知っていただきたいと思います。
もちろん「そうはいっても、宗教の宣伝のためにやっているんでしょ」という声が少なからずあることも知っています。
しかし、正直に申し上げて、「宗教の宣伝のため」ということでは、幸福実現党の活動は「割に合わない」というのが実感です。連勝連敗ではPRにもなりません。いかに割に合わないかも、本書で明らかにしていきたいと思いますが、本書をきっかけに一人でも多くの方に、幸福維新にかける私たちの「やむにやまれぬ思い」、その「志と気概」をお伝えできればと思います。
2010年3月7日
幸福実現党 党首 木村智重