学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

鉢形城へ行く

2008-01-13 20:36:32 | その他
埼玉県寄居町にある鉢形城へ行きました。

ここは戦国時代、相模国(今の神奈川県)を本拠として勢力を拡大していた後北条氏の支城でした。城主は北条氏邦といいまして、名字を見れば一目瞭然ですが、北条一族が治めていた重要な拠点だったわけです。

今日は寒いうえに、風が強く、こんな日に城歩きをしているのは、私くらいのものだろうな、と思っていたら、なかなかどうして沢山の人とすれ違いました。実は城跡はハイキングコースになっていて、それで歩いている人が多かったのですね。

二の曲輪(くるわ)、三の曲輪と歩きます。国指定というだけあって、堀がはっきり残っていて、かつて城だったときのイメージがなんとなくわいてきます。(整備されていることを除いても)

伝御殿曲輪(城主が居たところ)へ歩くと、ところどころに「マムシに注意すべし」の表示。冬だからマムシは出ないのでしょうが、なんだかちょっと不安。シャリ、シャリと枯葉を踏んで、御殿跡を進みます。さて、御殿跡から北を望むと、下には広い川が流れています。そうして崖。ここから攻め込むのは到底無理なこと。1つ1つ曲輪を落としていかないと、御殿まではたどり着けないようです(当たり前のことですけれども)御殿跡は木々が生い茂り、かつてここで生活していた人たちが居たなんていわれても、とても信じられないような感じです。

ついつい思い出してしまったこの一句。
「夏草や兵どもが夢のあと」

今は夏ではないけれど、冬だけにいっそう物悲しさがありました。

戦国武将の食生活

2008-01-12 22:21:03 | その他
昨日は第一回の新年会。創作料理のお店で、おいしい食事をいただきながら、麦酒を飲んできました。翌日は仕事なので、ほどほどに…と思いましたが、やはりそうも行かず、ついつい深酒。帰ってきたときは日付が変わっていました。正月明けて早々、相変わらず意志の弱い自分に閉口します。

さて、正月休みで体重が数キロアップしてしまった私。ダイエットというわけではありませんが、ひょんなことから戦国武将の食生活に興味を持ち始めまして、一体彼らは何を食していたのかを調べてみました。

戦国武将は一日二食、玄米が基本であったとのことです。お味噌汁は、大豆ではなく、ぬか味噌汁。おかずは野菜の煮物や納豆、かまぼこ、漬物、梅干など。魚や山鳥などはご馳走であったそうです。普段はこれだけ質素なのですが、なかには合戦前となると結構贅沢な食事を取っていた武将もいたようですね。

私、最近の暴食暴飲を反省し、少し戦国武将の食生活を見習うことにしたほうが良いかな?と思ったのでした。

水戸、弘道館と梅

2008-01-10 19:20:27 | その他
仕事が休みでしたので、茨城県の水戸市へ行ってきました。

弘道館へ。弘道館は水戸藩の藩校です。1841年に完成したとのことです。一歩入ると、思わず背中がピシッと伸びます。建物の威厳が、平成の今にも伝わります。建物の中を歩いて、当時の人々の姿を想像してみる。庭には梅がある。ときどき小鳥のさえずりも聞こえる。とても心が落ち着く気がします。残念ながら、梅はまだ咲いていませんが、そのかわりに寒椿が咲いていました。もう少しで梅も見事に咲くのでしょうね。

とても良い時間をすごすことが出来ました。

デザインの仕事

2008-01-09 22:29:59 | 仕事
今日は、次回展覧会のためのポスター、パンフレット、チケットのデザインをしました。私は職場だと気が散るので、こうしたデザインの仕事は家でやるようにしているのですが、家でやっても終わらないので、今日は職場にての仕事です。

ポスター、パンフレットなど、何気なく見られるものだけれど(実際自分も何気なく見ていたわけですが)自分でデザインするとなると、これほど難しいことはありません。特に美術館は「美」とつくだけあって、センスのないデザインは他の美術館から笑われるような気がして(むろんそれだけではないけれど)特に気を使って手がけます。県立の施設だとデザイナーと協力して仕上げる場合が多いと聞いたことがありますが、当館にはそんな予算はなく、もちろん!学芸員が一から十まで作ります。

そうはいっても、いきなり何もないところから作ることはできませんので、私の場合は、やはり他館のパンフレットなりを参考にして原版を作り、そこから自分のオリジナルに仕上げていく場合が多いです。

こうして今までかかってようやく印刷物のデザインが完成!!出来たのを見ると、泣けてきます(笑)実際に印刷されてくるとどうなるのかとても楽しみです。

スタンプラリー

2008-01-07 18:38:53 | その他
昨日は、家へ帰って横になっていたら、いつの間にか寝入ってしまいました。

昨日、「日本100名城」のスタンプラリーが開催中!とのことを知り、お城が好きな私は早速パンフレットを携えて、城巡りをしたというわけです。

1.栃木県足利市の足利氏館。

2.群馬県太田市の金山城。

写真は金山城です。
復元整備されているとはいえ、この石畳の城は衝撃的でした。
貯水祭礼用に用いられていたとされる丸形の池も!
高見から見る群馬の街並みは、とても爽快。
これをみれば悩みなんてふっとぶ!…といいのですけれど、
そこまでは行きませんでした(苦笑)

ちょっと距離があって疲れましたが、天候に恵まれて、
とても充実した時間を過ごすことができました。

スタンプラリーの走破は難しそうですが、
パンフレット片手に城巡りもいいかもしれませんね。

初仕事は迷惑メール削除

2008-01-05 23:04:38 | 仕事
今日は、私の今年初仕事でした。

展示室、収蔵庫内の確認。

たまりにたまった郵便物の確認。

そして問題のメールの確認。

当館に届く迷惑メールは多く、一日3回チェックをかけて、削除をしております。普段で一日20~30通ですから、年末年始でどのくらいたまったか…ちょっと怖かったわけですが、「送受信」をすると、その数なんと666通(泣)ビンゴ!などと暢気なことは言っていられず。年度始めの仕事が迷惑メールの削除などとは悲しくなりますね。

午後からは次回展示の準備。発送物リストの確認や目録の作成などを行いました。

明日から再び連休です。二度目の正月休み?だと思って、また少しのんびりしたいと思います。

明日のお昼は!

2008-01-04 21:04:26 | その他
無事、帰省先から戻って参りました。

Uターンラッシュに巻き込まれるかと思いきや、案外新幹線は空いていて、ちょっと拍子抜け。

明日からいよいよ今年最初の仕事ですが、お昼がちょっとした楽しみ!と言いますのは、初売で「曲げわっぱ」を買ってきたからです!「曲げわっぱ」は、秋田県大館の名産。杉の手触りが何とも言えず良くて、つい買ってしまいました。明日は少し早起きして、久しぶり(何年か振り)にお弁当を作って持って行きたいと思います!

川端康成『驢馬に乗る妻』を読む

2008-01-02 20:47:24 | 読書感想
普段の休日ならば仕事も兼ねて美術館巡りをするところですが、さすがに年末年始はどこも休館中。さりとて、家のコタツで丸くなっているのも何だかいやなので、初売りへ出かけてみました。買ったものは…眼鏡。近頃、文字が見づらくなってしまい、やや不便を感じるようになったためです。さっそく眼鏡をかけてみると、ものが大変クリアに見えます。これは快適!(そのぶん視力が下がったことを考えると多少物悲しくもありますが)眼鏡をかけて、さっそく読書です。

平成20年の初読書は、川端康成の『驢馬に乗る妻』。タイトルからして、ずいぶん首をかしげたくなるものですが、話の中身もつかみどころがありません。

彼(主人公)は、宿へ帰ってくると、妻が驢馬に乗っている姿を見かけます。そんな妻の格好は、姉豊子の上衣に、下は彼(つまり夫)のだぼだぼのズボンをはいているという奇妙なもの。彼はそんな妻の姿を見て笑いますが、妻を乗せた驢馬を引いているのが妻の姉豊子だと知るととたんに不機嫌になります。というのも、かつて彼と豊子は恋人関係にあったのですが、豊子に拒絶され、その妹綾子と結婚することになったためです。彼は、豊子がまだ自分のことを好いていて(これはあくまで彼の妄想だと思うのですが)綾子に恩を着せ、後から自分を奪い取るつもりだと思っています。彼はその呪縛をとくためにとんでもないことをしてしまうのですが…。

これが書かれたのは大正13年(川端康成26歳)ですが、古さをあまり感じさせません。今でも十分斬新な気がします。妻の登場シーンからして。この作品の意味について考え出すと、どうもうまくつかめず。はっきりいえることは、私は彼が大嫌いだということ。そこまで愛の保障を得たいの?と言ってやりたくなります。一番の疑問がラストシーン。彼と妻が驢馬に乗るシーンの清清しさ。まるで悪魔を退散させたかのような気味の悪すぎる清清しさです。彼が行ったことは正しいとは思えないのに、どうしてこんなに清清しく終われるのだ!と思ってしまいます。

この作品は短編ですので、とても読みやすいです。(話の内容はちょっとごちゃごちゃしているけれど)彼のとんでもない行為、気になる方はどうぞご覧になってみて下さい。