学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

レイモン・サヴィニャック

2018-06-05 20:54:47 | 展覧会感想
20世紀を代表するデザイナーにレイモン・サヴィニャックがいます。フランスに生まれ、主にポスターの世界で一世を風靡した作家です。

現在、栃木県の宇都宮美術館で、彼の展覧会が開催されているので見てきました。今から9年ほど前、たまたま岩手県立美術館へ行ったときにサヴィニャック展が開催されていて、それを見てから大のお気に入りの作家になりました。サヴィニャックのまとまった展覧会を見るのはそれ以来なので、とても楽しみ!

サヴィニャックのポスターの特徴は、まず手書きが基本であること。そして、企業名やその企業がどんな製品を提供しているのかが明快であること。そして造形も色もシンプルであること。主にフランスの企業のポスターを手がけていますが、展覧会では、日本のサントリーや森永、豊島園のポスターも展示されていました。日本ともゆかりがあったんですね。

また、展覧会で嬉しいのは、ポスターの原画も展示されていること。サヴィニャックの原画が印刷されるとどう変わるのか、比較して楽しむこともできます。サヴィニャックは当然、自分の絵が印刷されることを前提で作っていますから、印刷の刷り上がりをイメージして作品を作ったことは間違いないのでしょう。比較すると…不思議なことに原画よりも印刷されたポスターのほうが、色、輪郭線などのバランスが取れて、さらに原画の粗さが消えてくっきりしていい。サヴィニャックの計算がズバリ当たっているということなのですね。

展覧会は6月17日までだそう。ぜひ、オススメの展覧会です。

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