学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

新しい展覧会が立ち上がり

2018-10-10 19:56:55 | 仕事
すっかり、季節は秋めいてきました。秋といえば、芸術の秋。私の勤務する美術館でも、先日新しい展覧会が立ち上がりました。

私が企画した展覧会で、自分ではベストを尽くした展覧会ではあるのだけれど、どうしても気になるのはお客様の反応。通常はアルバイトさんにお願いしている作品の監視を交代してもらい、1時間程度ですが、作品解説も兼ねながら作品の監視をしました。

そこで感じたのは、通常の展覧会よりもゆっくり作品を見ていらっしゃるお客様が多いということ。実は今回、作品解説のキャプションを多めに配置してみました。このキャプションを書くときに意識したのは、簡単に言ってしまうと、この作品はここがすごいんですよ、という見どころをわかりやすく、かつ短文で表記したこと。キャプションは長すぎるとお客様が疲れてしまうので、シンプルにして、かつ量を多くしてみたのです。ちょっと矛盾するかもですね。ただ、キャプションを手掛かりにじっくり作品を見ていらっしゃるお客様が多くて、私としてはうれしい限りです。

当然のことながら、展覧会は学芸員の自己表現などではなく、お客様にご覧いただくために開かれるもの。作品の配置、キャプションやパネルの文字の大きさなど、お客様の目線を常に意識して展示されるべきものです。これは本からは学べないことで、私は現場(展示室)に積極的に足を運んだり、他の美術館の展示などを見るようにして、展示方法を学ぶようにしています。勉強に終わりはなし。まずは展覧会が立ち上がり、ほっとしたところです。

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