学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

作家との調整中

2021-03-01 20:39:11 | 仕事
仕事柄、展覧会開催のために現役の作家の方々とお話をさせていただく機会が多くあります。ちょうど今、私が企画している展覧会も、作家とこまめにコンタクトを取りながら進めている最中です。

展覧会の実現のためには、美術館側の意見と作家の意見をすり合わせる必要があります。お互いにとっての理想的なかたちを求めて、何度も打ち合わせるわけですね。今はコロナ禍のため、直にお会いすることがはばかられるため、電話やメールを使ってのやり取りが続きます。私の場合、作家とのやり取りで特に勉強になるのは、作品展示の方法です。私自身、展示方法がどうしてもセオリー通りの無難な配置を組んでしまいやすいのですが、その点、作家のみなさんはやはりすごい。作品を五感で体験してもらうために、あえて作品に触ってもらえるようにしたり、壁面全体を作品で埋め尽くして存在感を出したり…様々なアイディアを提案して下さり、いつも驚かされます。

私は展示方法の勉強のために現代美術の展覧会をなるべく見に行くようにしてはいるのですが、それがなかなか自分の仕事へ消化するまでに至っていないのがくやしいところ。まだまだ勉強が足らないということですね。今度、企画している展覧会ではどういう展示をすれば、作品が生き生きと見えてくるのか。開催まで、作家と相談しながらの調整がしばらく続きそうです。