学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

古文書を取り扱う

2014-12-10 21:38:52 | 仕事
時節は師走。今年の日数も残りわずかになってきました。時が流れるのは早いものです。

今年は新しい職場に変わって、多種多様なジャンルの仕事に携わっています。春は美術、夏は自然(昆虫、植物、鳥類など)、秋は内規作成、そして今は古文書です。

私、古文書はまったくの素人です。せいぜい、大学時代に古文書学を受講したくらい。しかし、大学を卒業して数十年、時が経つというのは残酷なことで、その間に講義で教わったことはすっかり忘れてしまいました。ひとつ覚えていることは、古文書の折り方を実際にやってみる授業があって、私はうまく折ることができず、先生に「君は不器用だな」と言われたことくらいでしょうか。…人間はどうでもいいことは覚えているものですね。

古文書は絵画と似ている、なぜなら、そこに書き手(描き手)の息遣いが感じられるから。字なのか絵なのかの違いだけで、相手に何かを伝えたい想いは変わらないのではないかな、と古文書を目の当たりにしたときに感じました。

さて、ここ数か月、私は古文書所有者への聞き取り調査を行っています。緊張はするけれど、所有者の方々から様々な話をお伺いすることができます。古文書の話はもちろん、その家に代々言い伝えられている話、所有者の方が幼かったころの街の様子(所有者は高齢の方が多いのです)など、生の歴史とふれあっている気持ちがします。それは仕事でありながら、私にとってはとても楽しい時間です。美術館にいたときは、その世界にどっぷりと浸かっていたわけですが、一度そこから離れてみると、世の中はもっともっと広いことに気付きました。

久しぶりにブログを書いたせいか、文章がなかなかつながらず、いつにもまして脈略のない近況報告となりました。前述しましたように、寒い日が続いています。みなさま、お風邪など召されませんようお気を付けください。