学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

アートで街を活性化する

2009-09-25 20:43:59 | 仕事
月刊『ギャラリー』9月号の特集は、「新潟市が新たに立ち上げた水と土の芸術祭2009」です。この「水と土の芸術祭」とは、新潟市のいたるところ、美術館はもちろん、街の住宅や倉庫、はたまた野外と幅広く美術作品を配置して、全体がアートにあふれる街になるという企画。つまり、アートで街の活性化を狙うんですね。

最近、こうした試みが増えてきたように思います。岩手県の土沢もそうですね。芸術祭ではないけれど、蓑豊氏の著書を読むと金沢21世紀美術館の存在もこれに近いものがあるようです。街のなかに美が溶け込むと、私たちの生活と美はとても密接な関係となります。芸術祭では、もちろんガラスケース越しに作品を見るわけではありませんから、ますますそれが強く意識される。美へのイメージが変わる人もいますでしょうし、もっと親しみを持つ人もいるのではないかと思います。また、作品が街全体に配置されていますから徒歩なり車なりで街を巡ることで、その土地が持っている雰囲気、心地よさを肌で感じられる利点もあるでしょう。

これからますます芸術祭が全国各地で行われるのではないでしょうか。もちろん行政の限られた予算の中で、という制約はありますし、様々な関係団体との横のつながりを強化しなければならないなど実行するまで大変なことであるのは間違いないことです。学芸員である私の夢は、やはり地元でこうした芸術祭を立ち上げること。とてもやりがいのある仕事になりそうです。

さて、前にご紹介しました岩手県土沢の芸術祭は来月の予定のよう。もうすぐですね。来月は岩手県へ出かけて、芸術祭を肌で味わってきます!