空気銃
3年に一度銃砲所持免許の更新があります。毎年ある1度の点検も嫌なものですが3年毎の更新手続は3倍大変です。
高齢者の銃所持者のなかにはこの更新手続きが嫌で免許を返上するハンターもいるくらいですから。
山間部の高齢者ハンターが何故いつまでも銃免許を待ち続けなければならないか?
それでなくても物騒な銃を年寄に持たすのは危険だ! 免許返上をしろ! という声もよくあります。
しかし、戸数10軒ほどの過疎の集落にも畑や田圃はあります。鹿や猪が毎夜、年中出没します。
狩猟免許所持者には年中害獣駆除の依頼があり害獣駆除に従事してます。
檻や罠にはまった獣の止め刺しにも銃は必要ですが年に何度かは朝一番に農家から田んぼに鹿が走りまわっているので撃ってくれと。
田んぼや畑には電柵で囲ってあるのですがどこかから入って荒らし回っているので一番近くにいるハンターが駆り出されます。
これがまた大変なのです。用意して出かけるまで結構時間がかかるのです。再現しますと。
夜が開けてすぐぐらいの時間に農家に人が自分の田んぼや畑に鹿が入っているのを見つけて駆け付けて大声で呼ばれるのです。
「どこそこの田んぼに鹿が入って走りまわっている。逃げない様に見張りにゆくからすぐに着てくれ。」
私は眠気まなこで着替えます。まさかパジャマ姿では猟は出来ませんからそれから指定のハンティングベストを着込み、ガンロッカーを開けます。
銃はすぐ撃てる状態では入れてはいけないのです。先台だけでも外して保管しなくてはなりません。大慌てで先台をセットしてカバーをかけます。
弾は別の場所の鍵のかかる弾丸庫から出さなければなりません。狩猟刀と弾帯を付けて田んぼですから長靴を履いてやっと出かけられます。
車で出かけるほどの距離でもないので走ってる目的の田んぼに行くのですが場所によっては4〜500メートルも走らなければなりません。
4キロほどの銃を背負い、弾帯と狩猟刀を腰につけ、履いているのは長靴です。この姿でこの歳で、走るのはキツイです。
まあ、これだけの時間をかけて息も絶え絶え現場に駆けつけても2度に1回は「逃げられた!」と言はれて姿も見ずに家に帰る。事があります。
まだ田んぼに居てももこちらの姿をみていますから反対側の電柵に沿って逃げ回ります。獲物との距離は50メートル以上離れています。
散弾銃でスラッグ弾(1発弾)を50メートル以上離れて走っている獲物に当てることは至難の業です。
バンバンバンバン撃って4〜5発目ぐらいに足にでもかすってくれれば近付いて止めを刺す事ができますが、後で近所の人からは「バンバンバンバン音がしていたけど何匹倒したん?」とからかわれます。
到着するまでに逃げられていれば悔しいですが倒して後の処理を考えたら現場に到着までに逃げてくれ。と思います。
話が逸れましたが。更新手続の煩わしさは警察指定の精神病院の診断書を貰わねばなりません。その為に私の財布には精神病院の診察券も入っています。人には見せませんが。
その次にはボケ検査(認知機能検査)今年は運転免許の更新の年でもあるので両方使える京都府の運転免許試験場で受けました。
その結果を持って警察署に行き、今日の自宅での検査を受ける日を決めて今日8月8日午前10時に生活安全課の警察官二人が我が家においでになって銃と弾丸の保管場所の検分と同居者(妻)からの聞き取り、その後近所の住民からの聞き取りがあって一応手続きは終わりました。
日本の国で鉄砲を所持することは大変です。家族(妻)やご近所に日頃からゴマをすっておかなければなりませんから。
これで「高齢のために所持はできません」など言われたら?
3年先の更新時には火薬銃(散弾銃)は廃棄して上の写真の高性能空気銃で檻に入った獲物の止め刺しにします。
この厳しい銃所持免許の制度があるために最近アメリカで頻発する大量の殺傷事件の心配は日本ではないのです。
日本での銃による殺傷事件は正式な所持免許所持者ではほとんど起こっていません。
何処から何時銃弾が飛んでくるかわからんアメリカの銃社会は恐ろしい事だと思います。
永遠に自分の身の安全は自分で守らなければ生きてゆけない社会なんて経験したことのない日本人には考えらえません。
しかし、国単位で考える時、気狂い民族に囲まれた日本国は隣国から守る軍備は隣国以上に保持して鍛え、備えなければなりません。