細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ローマでアモーレ』時差ぼけしたのかウディ・アレン。

2013年04月10日 | Weblog

●4月8日(月)13−00 築地<松竹本社3F試写室>
M−043『ローマでアモーレ』To Rome with Love (2012) medusa film / gravier production 伊
監督/ウディ・アレン 主演/ペネロペ・クルス <111分>配給/ロングライド ★★★☆
毎年1本の制作ペースのウディ・アレンの新作は楽しみで必ず見ているが、今回はどうもローマで道に迷ったようだ。
「ミッドナイト・イン・パリ」は秀作だったが、「恋のロンドン狂騒曲」同様に悪いクセが出てしまった。
おなじみのスクランブル・キャスティングで、娘の婚約のためにウディとジュディ・デイビスの夫婦がローマに来る。
そして例によってローマの街で、イタリア人たちと異文化ミス・コミニケーションの連続。
それはそれで、さすがにウディのアイデアは笑わせる。
カメラが美しいので、あのローマの甘い夕刻の点描はさすがに嬉しい。
しかし、だ。エピソードは、どうも単純な思いつきだ多くて失笑する。
特に、シャワーを浴びている時だけオペラのアリアを上手に唄う男が、シャワーごとステージで唄う。
これなどはジョークなら可笑しいが、実際にステージで演じるのを見てもおかしくない。
しかも登場する人物の多いのは毎度だが、ここには格になる主役が見当たらないので、よけい混乱してしまうのだ。
フェリーニがいたポポロ広場の蜘蛛の巣のような路地で迷うのは、実感として判るが、これもおかしくない。
あの名作「甘い生活」を茶化すつもりだったようだが、ちょっとシナリオにも交通整理が必要だった。

■ファールフライで粘ったものの、結局はファーストへのファールフライ。
●6月8日より、新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマなどでロードショー


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