細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●『ストレート・タイム』のダスティンは、まさにウェスターン魂。

2021年02月04日 | Weblog
●2月3日(水)21-40 ニコタマ・サンセット傑作座
0Vー31-26『ストレート・タイム』"Straight Time" (1978) Warner Brothers / First Artists / A Sweet Wall Productions
監督・ウール・グロスバード 主演・ダスティン・ホフマン、ハリー・ディーン・スタントン <114分・ビスタサイズ>VHS
あのダスティン・ホフマン主演の「真夜中のカーボーイ」の、まるで続編のような、実に似たような・・・続編のような作品なのが面白い。
『クレイマー、クレイマー』と『レインマン』で、2度もアカデミー賞を受賞したダスティンとしては、多分、このようなリヴェンジがテーマの作品が好きなんだろう。
わたしと同じ年齢なので、いつも同級生のような共感で見ていたアクターなのだが、95年の「アウトブレイク」では、コロナの集団感染のような恐怖も体験している。
この作品でも、軽犯罪で仮出所していたダスティンが、保護観察の更生指導中に、その担当の保護指導の教官にウンザリして束縛を逃れて、また悪事へとバックファイア。
悪友とビヴァリーヒルズの宝石店を襲って、店を10分でメチャクチャにして宝石を強奪して、警報音でポリスが来た時には計画通りに脱出して逃げ切る。
ガールフレンドも出来て、これで更生するのか、と思いきや、根っからの半社会感覚というのか、生来の<鬼ごっこ>感覚が生き甲斐の彼は、またも逃避行。
あの「大統領の陰謀」でロバート・レッドフォードと共演して、オスカー受賞名作「クレイマー、クレイマー」に主演する間の、その絶頂期のドロボー映画なのだ。
ニューヨークのアクターズ・スタジオの『卒業』生なので、恐らくはマーロン・ブランドやジェームズ・ディーンのような、本格的な<お芝居好き>なのだろう。
まったく罪悪感というか、善良な社会性もなく、ひたすら我がままにマイウェイを行きて行く感覚は、まさにウェスターンの開拓精神なのだろうが、・・・。
ま、カウボーイといのは、ジョン・ウェインやゲイリー・クーパーのように長身でないと<サマ>にならない・・・で、まさに<小ネズミ>のように悪事を働く。
この「ストレート・タイム」というのは、一般的に言う<真正直・・ストレート>ではなく、まさに<逆玉>としての生き甲斐を突っ走って行くラストがいい。

■ストレートをそのままに痛打したセンター・オーバーのスリーベース。 ★★★★☆
●ワーナーホームビデオ、VHSオリジナル版

コメントを投稿