~雨がふります。あめがふる。
けんけん小雉子(こきじ)が今啼いた、
小雉子も寒かろ、寂しかろ~ 北原白秋 (「赤い鳥」大正7)
名作童謡「雨」の3番です。この歌詞を見て曲が浮かぶ人は、
それなりに、お年を重ねられた方・・。マア~、大きなお世話ですが~
ケン ケン ケ~~~
朝の静寂を破る声は、”雄 雉”のものです。
成熟期の雄雉は、よく鳴きます。雌に呼びかけたり、家族を守る為の
”縄張り宣言”です。小雉子(こきじ)は、子だとすれば”ケンケン”と啼きません。
<雉も鳴かずば撃たれまい> だれかれ鳴くと、敵に見つかってしまいます。
粕川沿いの草むらからそっと出てきた。1~2分後に、再び草むらへ・・。
雉は、日本の固有種の鳥です。1947年、「国鳥」に指定されました。
1万札の裏には、その勇姿が描かれておりますが、その割には、大切に
されて居りません。
”狩猟対象の鳥”になっております。
粕川沿いは、”禁猟区指定”ではありません。猟期(11~3月)前後、
愛鳥週間などに、雉は、放鳥されます。しかし、狩猟対象ためです。
いま、時々、人の目につく”雉”は、生き残れた雉です。
雉子の眸(め)のかうかうとして賣られけり 加藤楸邨
蛋白源としては、美味/貴重だったのでしょう。
枯れ葎(むぐら)鉄砲打ちの姿あり 雉よ逃げよと念じて見入る
夢 蔡
寒風の粕川土手で、猟期が終る前に、ハンターの姿を見かけたもので。
▲ 雉は、我が庭先の西側、10m先、収穫後の畑に現れた。ー
人の気配で、烈しい羽音をたてて、竹藪の草叢へ飛んで行った。
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ー 暁(あかとき)に鳴く雉(きぎし)を聞く歌ーー
杉の野にさ踊る雉(きぎし)いちしろく音にしも泣かむ隠り妻かも
大伴家持(万葉集 巻15-4148)
※「杉林の野で鳴きたてている雉(きぎし)よ、お前は、はっきりと人に
知られてしまうほど、たまりかねて泣く隠(こもり)妻ですか。
(伊藤 博 訳注「万葉集」より)
「隠り妻」(こもりずま)=人目を忍んで閉じこもっている妻のこと。
怪しい感じがいたします。現在だったら マンション・・
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ここで、萬葉集まで持ち出すのは、ブログを ”知育玩具”として、
認知防止のために、利用しております故で、悪しからずーー
▲ 梅雨前線が南へ下がり、西寄りの風が、強く吹き、青空がのぞく。
雲の流れは、まるで”雉”が羽ばたいて飛んだように見えました。
雉 忍び 鳴きたる後の 静かさよ 梅雨の合間の 円き蒼穹 夢 蔡
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まだまだ未熟な詩や短歌ですが、
これからもよろしくお願いします!