いきいきと三月生まる雲の奥 自然をたんたんと表現してなお人を引き付けてやまない飯田 龍太の秀句です。暦をめくって、三月になりますと、一度は吟じます。この開放感がなんとも言えず、好きな句であります。「マア~、寒いのが最も苦手なものでしてーー」
水温む 瀬に立ちこみし 白鷺は 餓え満たせしか 飛び去りし夕 ー夢蔡ー
▲ 白 鷺 本来は、暖地へ渡りをするのですが、10羽ほとが、越冬して沼の弁天様に巣食っております。赤沼(前ページ参)付近の浅瀬に飛来して、寒い折、小魚をねらっておりました。) 暖かい日が続くと、魚の動きも活発になります。
春はいまはじまろうとしております。午後4時を回っても、太陽はまだ陽射しを保っており、行く先にある木々には、諸鳥の動きが忙しさを増してきました。
花の蜜好きなヒヨドリが、先ほど梅ノ木から飛び立ちました。梅は、まだ、充分に花を咲かせておりません。
白梅や 蘂(しべ)凛として 匂い立つ-夢蔡ー
冷たき東風に はなびしびしと ー御蔵ー
▲ 梅は奈良時代に、中国より、大宰府の庭に植えられたのを最初とする。
ー梅 噺ー寄り道しますーー
万葉集ー巻5,梅花の歌 三十ニ首があります。天平2年(730年)正月13日、当時の大宰府長官、大伴旅人は、歌会を主催し、「よろしく園梅を賦して、いささかに短詠を成すべし。」とその主旨を述べております。(巻5-815~847) このうちのニ首をあげます・・。
我が園に 梅の花散る ひさかたの天(あめ)より雪の流れくるかも ー主人旅人ー (822)
大伴旅人は、大宰府の長とは言え、60歳過ぎの高齢者でありました。都から遠い赴任地、本意ではなかったようです。天=都の方から雪のような冷たいモノが流れてくる・・・なんて、これホンネかも~#
春さればまづ咲くやどの梅の花‘ひとり見つつや春日暮らさむ ー筑前守 山上大夫ー(818)
赴任中の山上憶良です。「'ひとり・・」以下、恋歌仕立てで、妻をなくした旅人を詠ったものですが、都を遠く離れている自らの心境でもあるかもしれません。
二人とも、奈良の都ー中央本庁を向いて詠じているように思えます。主流からはずれて、地方の出先機関の勤務。どことなく悲哀ににたものが流れております。 文化的伝統です!!
寄り道したら、 「いきいきの三月」が、すこし寂しくなりました。ーー
梅 遠近おちこち)南にすべく北すべく ー蕪村ー、
身のちじむ寒さから、開放されて、あちらこちらを頑張って歩きましょう。
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